ドリーム小説

笑顔



 「んー・・・何だか憂鬱だなぁ」
「まぁ、雨だからなー」
仕事を早々に終わらせたと偶然東方司令部に来ていたエドが空を見ながらそんなことをぼやいていた。
「こら鋼の。まだ報告書を私に出していないだろう」
「へーいへい。今やって来ますよ」
「もう、兄さん!態度が悪いよ?」
アルに怒られながらエドはに手を振ってオフィスから出て行った。は『エドも大変だなぁ』なんて思いながら閉まったドアを見ていた。





「全く・・・鋼のときたら・・・私のに近づくなどと・・・」
「ロイ、私は貴方のものじゃないんだけど?」





 いつものことだとは分かっていたのでその台詞を聞き流してロイにコーヒーを飲むか聞いた。そんなに苦笑をしながらロイは頼んだ。
「君も・・・いつになったら私の気持ちを受け入れてくれるんだい?」
「別に?私はロイを彼氏にするつもりもないしねー」
これもいつもの反応。ロイは冗談みたいに言っているが、彼なりに頑張っているのだ。いつもなら女性をデートに誘うが、最近ではに振り向いてもらうためにそんなお付き合いをしていない。そして、何よりも以前より(ほんのちょこっとだけ)仕事をしっかりやっている。これもに見直してもらうためだ。だが、はそんなロイの心境を知ってか知らずか、素っ気無い。話題を変えようとロイは窓を見た。まだ暫く止みそうに無い雨が降っていた。
「しかし・・・今日はよく雨が降るな・・・」
「これじゃあロイの錬金術も役に立たないよね・・・はい、コーヒー」
自分が『無能』と言われたような気がして少し傷付く。
「あれ・・・もしかして気にしてた??
図星だったが、こんなところをに見られたくないとまた話題を変えようと頑張る。
「錬金術が使えなくなってもいいじゃないかι私はそんな憎らしい雨でも好きなんだ」
全く自分をフォローしきれていないロイ。何だか哀れだなぁ・・・。ロイはそのことに言った後気付き、を見た。すると、笑っているかと思ったは窓をじっと見ていた。
・・・?」






























―ドクンッ―
































 以前、こんな状況があった。こんな風に窓を見ているは今にも消えてしまいそうなほど儚く、弱い。ロイはもうあの時みたいな思いはしたくない・・・させたくないと本能が言っていた。










「私は・・・嫌いだな・・・」










 窓から視線を外してはロイを見た。ロイの胸が高鳴った。滅多にはロイと目を合わせないということで驚いたということもあったが・・・今回は違っていた。全然視線を外そうとしない。ロイは、その瞳を見て思った。






























―冷たい瞳だな―
































 赤いの瞳。みんなはカッコイイや温かいと言う。勿論、それはロイも思っていた。しかし、戦闘中や今のの瞳はそれらとは全く逆である。敵を睨みつけるその瞳はまるで血に飢えた獣か・・・死神のようだと言う。
「・・・何故だ?」
ロイはその瞳に耐え切れず、口を開いた。
「雨ってさ・・・何でも流しちゃいそうじゃない?よくドラマとかそういうので『その手に付いた血を洗い流してくれる』とかって台詞聞くじゃない。でも、私は嫌なの」
「嫌?」
「この手に染み付いた血は・・・私が歩んできた証・・・そして、その歩んできた罪だから」
自分の手を見ながら悲しい表情をしていた。ロイはもうこれ以上言わせてはいけないと判断し、の隣に座った。そして、の手に自分の手を重ねたのだ。
・・・何か辛いことを思い出させてしまったようですまない・・・」
「別に、ロイは悪くないから」
ロイの手をどけようとしていたが、それはもう片方のロイの手によって制された。
「・・・なぁ、?」
「何?」
の返事を聞いてから一息ついてロイは言葉を発した。
「私は君の過去を知らない。しかし、私は今の君を知っている。今の君は明るくて綺麗でみんなから慕われて・・・そして、私のだ」
「だから、貴方の・・・」

またツッコミを入れようとしたはロイの真剣な言葉によって遮られた。視線を上げると、そこにはいつもとは違う真剣な表情をしたロイが自分を見つめていた。






























「私が・・・君に笑顔を与えてあげよう
いつでも君が笑っていられるように
そして、君の幸せを・・・私が与えよう
私は、本当にを愛しているから」
































 突然の告白染みた言葉に驚く。その反応が嬉しいのか、ロイは微笑んだ。
・・・」
そう言ってロイは優しく抱きしめようとしたが。

























「大佐、に何をなさってるんですか?」
ホークアイがロイの後頭部に銃口を突きつけていた。ロイは一気に青ざめ、ゆっくりから手を放した。
「い・・・いや・・・その・・・が何やら・・・」
「私は何でもありませんよ?」
「な・・・!?」
先程の儚さは消え、いつものがいた。ロイは驚きを隠せずにいた。ホークアイはロイの仕事の資料を取りに一旦部屋を出た。呆然とするロイは、に視線を向けた。
「ロイ・・・まだ仕事残ってたんだね」
「雨の日はやる気が失せてな・・・だから嫌いなんだ」
先程の意見とは打って変わって雨が嫌いだと言い出した。その上、何とも子供染みた台詞なんだろう。










「・・・ぷっ」
「?」










 振り向くと、口元を押さえながら笑うがいた。
「な・・・?」
「あはは・・・御免なさい、ロイ。貴方って本当に面白い人ね」
「私が?せめてカッコイイと・・・」
「いいえ、面白いわ」
まだ笑いが引きずっているのか、口元を押さえている。少しずつ収まると共にはロイに近づいた。
「ねぇロイ?さっきの告白染みた台詞だけど・・・」
はそこで言葉を止め、下からロイを覗き込む。ロイは反射的に身体を反らした。






























「ありがとう、本当に私嬉しかったよ」
































 本日最高潮のロイの胸の高鳴り。一番古い付き合いのロイですら初めて見る極上のの笑顔。これを見て胸を高鳴らせないものなどいないだろうと思いっきり言い切れるほどのだ。赤い瞳が銀髪の間から見え隠れする。それは、この世のものとは思えないくらい綺麗で魅入られる。無意識のうちにロイはの頬に手を添えようとしたが、その寸前でが早々とロイの側から離れ、部屋を出るドアの側にいた。
・・・?」
「嬉しかったけど、貴方との関係がどうこう変わるわけじゃないからね。勘違いしないでね〜」
手を振りながらドアを開け、部屋を出た。引き止めようにも呆気に取られてしまったロイは一歩も動けずにいた。
「は・・・?・・・??」
部屋に一人残ったロイは一体自分の身に何があったのかと思い返していた。

























―雨に対するの考え―





―儚げなの表情―





―純粋そのもののの手―










そして、ロイの心に一番残ったのは・・・











『ありがとう、本当に私嬉しかったよ』




















の・・・極上の笑顔―


























あとがき
 はい、何だか1000・2000hit両方同時に公開です。
そして、こちらの記念は、リク代理として友人の由布子様にしてもらいました〜。
本当にご迷惑おかけしましたι

この先品はとにかくファミリア氏を笑顔にということでそれを忘れないために題名も『笑顔』となってしまいました…(何のひねりもねぇ)

最後のほうなど、何が言いたいのか分からず終いですι
本当に…こんな作品公開してもいいのか!?と疑問に思いながらも公開させてます(笑)
えー…時間と言うものは短いですね…コレをUPしている今日この頃は…もうそろそろ3000hitではありませんかι
あー…踏んでしまった!!と後悔しても…泣かないで…くだ…さい…(涙)

それでは、これからもよろしくお願いします!!
                                  2004.09.14

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