距離感
仕事を少し抜け出して屋上へ出ているハボック。天気も良くていい感じの風も吹いてくる。これは寝るのに丁度いいなぁとぼんやり考えていた。
「まぁ・・・仕事も殆ど終わってるし?」
少しならいいな、なんて思って目を瞑った。
―ガッ―
突然鈍い音がした。その直後、激しい痛みがハボックの頭を襲った。そのあまりの痛さにとび起きた。
「いって――――――!!!!?」
「!?ちょ・・・ハボック??」
聞きなれてきた声が聞こえてハボックは顔を上げた。すると、予想通りそこには自分が気になりだしている女性が立っていた。
「あ・・・・・・」
「こんなところで寝てたら踏むに決まってるわ。ほら、さっさと起きて?」
は呆れたように溜息を付きながらハボックを起こした。ハボックは大人しく起き上がった。
「はこんなところに何を?」
「ん?あぁ、錬金術の練習しようと思ったんだけどね・・・」
「え?ちゃんとそういう場所あるだろ?」
「・・・なるべく人に見られたくないんだよね」
何か悪いことを言ってしまったのだろうか?とハボックは心配になってそれを誤魔化すかのように煙草の煙を吐いた。
「・・・ハボックはここで何してたの?」
少しの沈黙が落ち着かなかったのか、がハボックに話しかけてきた。ハボックも助かったと心の中で思っていたのですぐに答えた。
「いや・・・ただ煙草を吸いに来てただけ」
「あ、それじゃあサボりってこと?」
「ん?んー・・・まぁそうなるかな?」
「それじゃあロイと同じになっちゃうよ?」
はクスクス笑った。こうしてみると、普通の女性なんだよねー・・・と思いながら空を見上げた。
仕事のときのは、自分以上に大人に見えて何だか遠い存在に思えていた。確かに少尉と大将ではかなり差はあるが、はそんな階級を気にしないタイプの人だったからハボック自身、手の届く近い存在だと思っていた。
「・・・遠いんだな・・・」
ポツリと一言呟いた。には聞こえていないらしく、そのあと鳥の声が聞こえるくらい静かな時間が流れた。本格的に眠くなったハボックは目を閉じた。
「ハボック?」
耳に聞こえてきたのは一緒にいるの声。だが、先程の会話のときよりも身近に聞こえた。それを不思議に思って思い瞼をそっと開けてみると・・・。
「ねぇ、ハボック!」
「!!!?!!」
は、ハボックの顔を覗きこむようにして呼んでいた。つまり、仰向けになっていたハボックの上からは見ていた。何の前触れも無い状況に驚きながらもハボックは起き上がろうとした。
「・・・へ?」
口元が寂しくなった。
「駄目だよ?寝煙草ってのは。ハボック自身も火傷したりしちゃうかもしれないからね」
『これは没収〜』と軽く言いながらはハボックの煙草を取り上げて火を消した。呆気に取られてるハボックを見てはクス・・・と小さく笑った。その時、ハボックは無意識にの手を掴んでいた。
「?ハボック?」
突然のことで分からないといった風な。ハボックは、はっと気が付いての手を解放した。
「わり・・・ただ煙草返せよ〜とか思ってな」
「駄目。たまには禁煙でもしなよね?それじゃ、私は仕事に戻るから」
ひらひら手を振りながらは屋上を出て行った。暫くその後姿を見送ってからハボックはまた倒れこんだ。
「・・・くくっ」
思い出したように笑い出すハボック。
「何だ・・・そうなんだ。凄く簡単なことじゃないか」
嬉しいような呆れたような笑いが屋上に響いた。だが、その顔は幸せそうだったようだ。
遠く感じるのも
近く感じるのも
全部俺が一定の距離を保ってる所為じゃないのか?
今のは俺のすぐ近くにいて
俺の煙草を取っていく
そして
あの赤い瞳を俺に向けてくれた
じゃあ
俺がもっと心を開けば
もしかしたら・・・
覚悟しておけよ?
あとがき
おめでとう、自分!!!
こちらの作品は、2000hitとしてUPさせていただきました!
しかも、カウントゲッターさんは、オレの友人の紫苑様!!!
もう本当に…いつもお世話になってますよ♪
リクエストが『ハボックさん』ということで、こういう作品を仕上げました。
これは…期待に添えているのでしょうかι
かなり不安です…。
意味も分からないし…その上何だか自信家みたいな感じにも…(汗)
なんだか最近ハボックがかっこいいと思っているらしいのですが…このハボックはなんだかかっこよくないですねι
ちょっとロイに似てきてるかも…(涙)
こんな作品でよければ紫苑様だけお持ち帰りください★
それでは、2000hitありがとうございました!!!
2004.09.14
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