飴玉
「ちゃんちゃーん?」
「何?銀次」
「何か食べてるの?」
「うん、飴玉―」
ホンキートンクで寛いでいると、借金を返そうと頑張っている銀次が洗い物をしながら聞いてきた。は口の中でコロコロと飴を舐めている。
「なんなら銀次もいる?」
「本当!?いいの??」
「うん、こんなの腐るほどあるからさ」
嬉しそうに銀次がから飴玉を受け取った。『ありがとう!』と元気よく言って早速飴を舐め始めた。
「・・・あ、オレンジ味〜♪」
「うん、銀次のイメージ」
「そうなんだvv」
飴玉をコロコロと転がす姿は子供のようだった。そんな銀次をクスクスと眺めていたらコツン、と頭に何かが当たった。
「おめぇ、また来てたのかよ?」
見上げると、そこには銀次の相棒の蛮が立っていた。
「蛮に言われたくないね〜」
「何でだよ?」
「だって、私はちゃんと仕事をしてるもん。それに比べて蛮とかは仕事来てないらしいじゃん」
「う・・・」
「ま、ドンマイ♪」
は言うだけ言って飴玉を転がし始めた。そんなを蛮は不機嫌そうに見て一つ離れた席に座った。
しばらく静かな・・・というか、銀次とは話をしていたが、そんな時間が流れた時。
「・・・あ、蛮?」
何かを思ったのか蛮にいきなり話しかけた。
「あ?」
「あのさ、蛮も飴いる?」
『こんなにあるんだよね』と飴玉の入った袋を蛮に見せる。
「ね?私だけってのも大変だから手伝うって感じでさ・・・ね?」
蛮の答えを聞かずには何の飴をあげようか選び始めた。蛮は心の中で『聞いた意味ねぇじゃんか』とツッコミを入れた。だが、があまりにも一生懸命選んでいる姿を見て何故か笑えた。悪い意味ではなく、純粋に『可愛い』と思ったからだ。
「Σ(何俺は考えてるんだよ!!)」
を可愛いと思ったそんな考えを振り払うように頭を振った。
「・・・蛮?何やってるの??」
「ぅお!?」
突然の顔が目の前にあった。驚いて席から落ちそうになるが、何とか堪えた。はそんな蛮に不審がりながらも一つの飴を渡した。
「はい!これ、蛮のイメージの味にしたんだよ!」
「お・・・おう・・・」
平然を装って飴を口の中へ放り込んだ。少しすると、何かの味が口の中に広がった。
「・・・グレープか?」
「そ、正解♪」
何でコレが自分のイメージなのかよく分からなかった。は楽しそうに話を始めた。
「何かさぁ・・・蛮っていっつも人を挑発してる雰囲気出してるじゃん?その姿が何か・・・妖艶でさ・・・」
「はぁ!?」
思いもしなかった答え。
「ねぇねぇ、ヨウエンって何?」
「んー?蛮みたいな人のことだよ」
銀次がに聞くと、は冗談交じりでそう教えた。
「おい、!!!」
「あはは!いいじゃない♪」
「よくねぇ!!」
蛮は納得いかなかったらしく、の飴玉の入った袋を奪った。は『それ、私の!!』と蛮と追いかける。
その時、何故飴玉の味でこんなに騒ぐのか疑問に思いながら新聞を読む波児の姿を銀次が視界の片隅で見たとか見なかったとか・・・。
あとがき
紅「蛮、銀次、どうだった?」
蛮「何が?」
紅「に飴貰えて」
銀「嬉しかった―――vv」
蛮「納得いかねぇ」
紅「何で?」
蛮「何でグレープ?」
紅「さぁ?にしかわからないよ。今度機会があれば聞いてみれば?」
蛮「…」
…何だか蛮の機嫌が悪いのでここらで終わらせます…。
―何となく強制終了?―
2004.10.08
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