ドリーム小説

錬金術 ―Vol.2―



 は胸に不安を抱えながら査定を通過した。
「流石はだな・・・今年も見事・・・」
「ねぇ、ロイ・・・」
いつもと違うの声にロイは軽口を閉ざした。の視線の先に自分の視線を合わせた。




















「雨・・・降りそうだよね・・・」




















 そう、が見ていたのは空。先程からゴロゴロと雷の音は鳴っていたが、此処まで空が暗くなっていたなんて思ってもみなかった。
「そうだな・・・、まさか雷が怖いのか?」
それなら可愛いな・・・ということを思っていたが。
「何言ってるの?そんなの怖くないわよ」
あっさり否定(笑)















「ただ・・・」
いつもならもう少し長く言葉を続けていたと思う。しかし、は窓に手を添えて天を仰いだ。

























「不安が・・・消えないのよ・・・」


・・・?」



























 本当にどうしてしまったのか。はいつもの笑顔も元気もなく、何かを恐れていた。ロイはそんなを見て本能的に『危ない』と思った。何処にも消えないようにその腕を掴もうとしたが、が走り出してしまったのでその手は空を切っただけだけ。
「私、ちょっとエド達のところに行ってくる!」
「・・・っ!!」
は、ロイが自分を止める声にも無視してそのまま東方司令部を出た。




















 外は今にも降りだしそうな天気だった。だが、はそんなことに構わず走った。目的地は勿論、ショウ・タッカーの屋敷。以前ハボックがどのあたりにあるかを教えてくれたので道は分かっていた。あとは、距離の問題。走って間に合えばそれでよし、けど、間に合わなかったら・・・。
「そんなこと考えてる場合じゃないか・・・」
は余計な思考を振り払って加速して走った。




















―いつもこうだ・・・―












走りながら思い出す『あの時』の記憶






















―何故雨は全てを流してしまう―












悲しそうな顔をした『あの人』は






















―この雨も・・・お前の仕業か?―












今にも怒り出しそうな顔をして






















―だったら・・・お前も・・・―






















 頬に冷たいものが当たった。それのお陰では意識を戻した。空を見たらもう降り始めようとしていた。
「これじゃ・・・濡れちゃうな」
そんなことはどうでもいいのに・・・けど、ちょっと洒落染みたことを言わなくては『持たない』気がしてしょうがなかった。
「あ・・・此処か・・・」
目の前に立つ民家。此処がショウ・タッカーの家らしい。急いではドアのベルを鳴らした。
「あの・・・私は・ファミリア!!エドがこちらに来てるはず!!・・・誰かいませんか!!」
ベルを鳴らしても誰も出ない。その代わりに・・・。




















「兄さん!!」


「あぁ、そういうことだ!!」






















 聞き覚えのある声がした。それはやはりあの二人・・・エドとアルのものだった。それを聞いて我慢できずにドアを開けた。意外にもあっさりと開いたドアを思いっきり開いて声のした方へ走った。エドの・・・悲痛のと怒りの混じった声が響いていた。

























「この野郎・・・やりやがったな、この野郎!!二年前はてめぇの妻を!!そして、今度は娘と犬を使って合成獣を錬成しやがった!!」
































がエド達がいると思われるドアの近くに立ったとき、そんな声が聞けた。自身、自分の耳を疑った。





「そうだよな、動物実験にも限界があるからな。人間を使えば楽だよなぁ。あぁ!?」







まさか・・・自分の娘を犠牲に・・・。







「は・・・何を怒ることがある?」







その前に自分の愛する妻を・・・?







「医学に代表されるように人類の進歩は無数の人体実験の賜物だろう?君も科学者なら・・・」







この人は何を言っている?







「ふざけんな!!こんなことが許されると思ってるのか!?こんな・・・」






















―ヒトノイノチヲモテアソブヨウナコトガ!!―






















は記憶とエドの声が重なった。物凄い吐き気と眩暈が襲ってきた。だが、壁に手をつけてそれを耐えながらエドに話しかけようとした。





「人の命!?はは!!そう、人の命ね!」







突然笑い出すタッカー。は足が石になったように重くなった。





「鋼の錬金術師!!君のその手足と弟!!」












―それも君が“人の命をもてあそんだ”結果だろう!?―












タッカーが言い終わると同じくらいにエドはタッカーを殴った。しかし、それでも尚タッカーは笑い続けた。まるで、壊れてしまったレコードのように・・・。





「同じだよ、君も、私も!!」







「違う!」







「違わないさ!目の前に可能性があったから試した!」







「違う!」







「たとえ、それが禁忌であると知っていても試さずにはいられなかった!」







タッカーをエドが殴る。





「違う!!」







エドの中の何かが壊れてしまったようだ・・・。







「オレ達錬金術師は・・・」







エドは・・・何に怒り、何に恐れ・・・。







「こんなこと・・・」







何に・・・







「オレは・・・オレは!!」






















何に後悔している?






















「兄さん、それ以上やったら死んでしまう」
アルがエドの腕を押さえた。すると、エドもどこか落ち着いたらしく、上げていた腕を下ろし、タッカーを解放した。
「はは・・・きれいごとだけでやっていけるかよ・・・」










―きれいごとだけではやっていけないのよ?―












血塗れた記憶が・・・また私を襲ってくる・・・。












「タッカーさん」
アルの声がいつも以上に低かった。
「それ以上喋ったら今度はボクがブチ切れる」
アルも何に怒りを・・・?
「ニーナ」
タッカーが口を閉ざしたのを見てからアルは『ニーナ』と呼ばれた合成獣のところへ向かった。
「ごめんね。ボクたちの今の技術では君を元に戻してあげられない」
そう言って何度も『ニーナ』に謝った。しかし、その『ニーナ』は何度も何度も。




















「あそぼう・・・あそぼうよ・・・」












その言葉は・・・
まるで幼い少女が笑顔で話しかけているように聞こえた・・・。





















あとがき
 第二弾!
いやぁ…展開早い上に暗く…更には意味分からない(涙)
これ…UPしないほうがよかったかなぁ…;
うぅ、まだコレが続くってのが…(涙)


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