錬金術 ―Vol.3―
あの後、は東方司令部へ連絡して軍を呼んでもらった。
「エド・・・アル・・・今軍を呼んだから・・・今の内に東方司令部へ向かおう?」
今は誰にも会わないほうがいい・・・そう判断したはエドとアルの腕を引いて歩き始めた。外は雨だったが、そんなことはもう気にしない。今は、濡れることよりもエド達の方が大事だから。
「・・・・・・」
「さん・・・」
力ない表情からは以前会った二人を想像しにくかった。彼らを此処まで落ち込ませる出来事が過去にあったのだろう。はあえてそれを言わずにそのまま途方司令部へ向かった。
東方司令部では既に軍が動いており、騒がしくなっていた。
「エド・・・アル・・・」
二人に話しかけたが、会談での斜め前の段で座り込んでいた。今は何を言っても彼らの傷を抉るだけだと悟ってその後は言葉を発さなかった。エドとアルの背中は・・・昔の記憶と重なる。だからは目を逸らしてしまった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
奥から話し声が聞こえてきた。視線を向けると、よく見慣れた顔があった。
「・・・だが、彼の選んだ道の先にはおそらく今日以上の苦難と苦悩が待ち構えているだろう。無理矢理納得してでも進むしかないのさ」
黒いコートを着て二人の軍人が現れた。
「そうだろう、鋼の」
ロイがエドにそう声をかけた。そんなロイの後ではホークアイが待機していた。一段、また一段と階段を下りてくる。
いつまでそうやってへこんでいる気だね」
「・・・・・・うるさいよ」
そのままロイは階段を下り、話を続けた。
「軍の狗よ、悪魔よとののしられてもその特権をフルに使って元の身体に戻ると決めたのは君自身だ」
は、エドが国家錬金術師になった理由がそれだと理解した。
「これしきの事で立ち止まってる暇があるのか?」
ロイに怒鳴ろうとしたが、後で静かに見守るホークアイと目が合ってそれを制された。あのホークアイがこうして自分を止めるのはきっと何か理由があるからだとは口を閉ざした。
「『これしき』・・・かよ」
「・・・エド?」
エドが小さくそう囁いた。
「あぁ、そうだ。狗だ悪魔だとののしられてもアルと二人、元の身体に戻ってやるさ・・・だけどな・・・オレたちは悪魔でも・・・ましてや神でもない」
エドはすくっと立ち上がって拳を強く握った。アルは静かにそれを聞いている。
「人間なんだよ!たった一人の女の子さえ助けてやれない!!」
―俺は神でも悪魔でもない。何の力もないただの人間―
「ちっぽけな人間だ・・・!!」
―そう、小さな小さな人間なんだよ―
は一番鮮明に残る人物の声を思い出した。何とも悲しそうな顔で言うその人を守りたいと思ったんだ。
「・・・カゼをひく。帰って休みなさい」
ロイは少し間をおいてエドに言った。だが、エドはそのまま肩を揺らし、何かに耐えていた。ロイは振り返って中へ戻ろうとしていた。ふと、と目が合った。
「君も・・・帰って休みなさい」
何故自分まで心配される?は分からず、ロイに視線を向けた。
「君にそんな顔をされては私まで痛々しく思ってしまう」
自分がを見て痛々しい?
「すまない・・・君にまでそんな辛い顔をさせるつもりはなかったんだ」
ロイは何を言っている?
「君の笑顔が見られるのなら・・・今は休んで・・・また私の前で笑ってくれないか・・・」
口説き文句に近い言葉を言いながらロイは自分の手をの頬にそっと滑らせた。ロイの指が目の近くに来てつい目を瞑ってしまった。
「・・・え・・・?」
自分でも驚いた。
「何で私・・・泣いて・・・?」
頬に伝った温かいものは、雨ではなく・・・自分の涙だった。
「泣いている君が分からないのなら私にも分からないな」
ロイは困ったように笑っての涙を拭った。は、呆然としていた。別に、泣きたいのではないのに・・・何故涙が出てきたのか分からなかったから。それもある。だが、一番の理由は・・・。
「・・・」
の思考を遮ったのはエドだった。目の前にいるエドは今にも泣きそうな顔をしていたが、どうやらの心配をしてくれているらしい。
「あ・・・何?」
「悪かったな・・・」
「え?」
一言呟いてエドはの腕を引いた。それは、何に対しての『悪かった』?私が泣いていたから?だったら違うよ?私が流したくて流した涙じゃないんだもの。しかし、涙はとめどなく流れてきて止まる気配がなかった。
「(でも・・・私・・・)」
―まだ”泣く”ということが出来たんだ・・・―
あとがき
はい…第…三弾……です…………(汗)
うわーん、ごめんなさい御免なさい(涙)
オレ、こういうのしかかけないのかも…ギャグとかちょっと苦手かも!!
というか、何だか話の流れが…メチャクチャ…!?
ウィンドウを閉じてください。