ドリーム小説

錬金術 ―Vol.4―



 東方司令部から離れた宿屋。そこにもエドも泊まっていた。偶然同じ場所だったのでそのままエドはの腕を掴んだまま自分達の部屋へ案内した。アルは、部屋に入るなりエドとが身体を拭くためのタオルを用意した。
「あ、ありがとう・・・アル」
「いえ・・・」
アルはエドをちらりと見た。もつられてエドを見た。タオルを頭にかけて俯いていた。一体、この小さな身体には何を背負っているのだろうか・・・。
「あ・・・それじゃ、今日はもう私は・・・」
エド達に気を使った帰ろうと椅子から立ち上がった。




















「オレたちは・・・」






















ドアに手をかけたとき、エドが先程の格好のまま話し始めた。
「ある罪を犯してこの腕を足・・・そして・・・」
一瞬躊躇ったのだろう。エドの言葉が途切れた。だが、アルがに椅子に座るように手で示した。
「ボクは身体を・・・失ったんです」
「え・・・身体・・・?」
椅子に座ったと同時に告げられた言葉に驚く。今言ったことが本当なら此処にいるアルは一体なんなのだ?
・・・何でだか分からないけど・・・お前には聞いて欲しいんだ・・・知ってて欲しいんだ・・・オレたちのことを」
顔を上げたエドの瞳は怯えていた。しかし、そこまでして何故私に効いて欲しい?




















「・・・いいわ。だから、そんな怯えた目をしないで?」






















 此処で否定をしたらきっと彼等は崩れてしまう・・・それは絶対に嫌だった。の嫌な予感が的中した今、これ以上悪化させないことができるのならしてあげたい。が承諾したのを見てエドが口を開いた。
「・・・オレは、リゼンブールっていう小さな田舎町に住んでたんだ。母さんとオレたち兄弟で・・・」
それでは父親は?と聞きたかったが、今は聞く側に回ると決めたのだからそれに従った。
「幸せに暮らしてたんだ・・・母さんが病気で死ぬまでは」
は驚いた。エドはまだ15歳。それなのに母親を亡くしてしまったのだと・・・。
「母さんはオレたちにとって凄く大事だった・・・母さんのシチューが大好きだった・・・そして、何よりも暖かい笑顔が・・・大好きだったんだ」
「だからボクたちは・・・母さんを『元に戻そうと』したんだ」
エドの言葉に続いてアルが言った言葉には目を見開いた。『元に戻す』?それは・・・。










「つまり・・・人体錬成・・・!?」










エドとアルは静かに頷いた。
「・・・ということは・・・アルが身体を失った・・・ということは今のアルは・・・」
「あぁ・・・オレがアルの魂をこの鎧に定着させたんだ」
『魂の定着』聞いたことはあったが、それを実際に見たことがなかった。勿論、同じ錬金術師として信じられないことだった。しかし、目の前にそれが実在しているのだから真実。
「それからボクたちは人体錬成をして失ったものを取り返すために・・・」
「賢者の石を求めた」
「賢者の石・・・」
あの伝説に近い存在の・・・彼等はそんな微かな希望の為に今まで生きてきたというのだろうか。
「今回、タッカーの家で勉強してたのも人体錬成に関することだったからだ・・・オレ達は・・・禁忌を犯した罪人なんだ」
最後の方は泣きそうな声だった。此処まで話すのにどれだけの勇気がいるのだろうか・・・今まで生きてくるのにどれだけ死ぬ思いをしたのだろうか・・・には想像もつかないものだった。




















「・・・これが・・・ボクたちの全てです・・・」
「聞いてくれてありがとうな・・・・・・」
何に対してのお礼?エドの顔は全然笑っていない。いや、むしろ更に怯えてしまっている。はいい方向に向くかと思って聞いていたのに・・・これでは全く逆ではないか。そんなの・・・嫌だ。
「・・・エド・・・アル・・・・・・」
立ち上がると、二人はビクッと身体を震わせた。あぁ、この反応は・・・。






























「・・・大丈夫だよ」
































静かに二人を抱きしめた。の行動に驚いたのか、エドとアルは固まってしまった。そんなことに構わずまた抱きしめる力を加えた。
「今まで・・・頑張ったんだね・・・二人とも。でも・・・今は誰もいないし・・・ないてもいいんだよ」
そう、二人は恐れたのだ。自分達が『恐れられる』ことを。だから、安心させなくては。はこれ以上傷ついていくエド達を見たくないのだ。エドとアルは、久しぶりに感じた『ぬくもり』に緊張の糸が切れたのだろうか。肩を震わしての背中に腕を回した。










「・・・っ・・・・・・」
「ごめ・・・っなさい・・・さ・・・」
「うん・・・大丈夫だよ。私は此処にいるから」












その一言をきっかけに二人は泣いた。




















 どのくらい経ったのだろうか。エド達は少ししたら落ち着いた。少しずつから離れていく。
「・・・エド、アル。大丈夫?」
エドの目は赤く、まだ涙は止まらないらしい。アルも涙は流していないが、確実に泣いていた。
「あぁ・・・悪かったな・・・・・・」
「何を謝ってるの?貴方達は何も悪いことしてないんだから謝らないの。こういうときは・・・そうだね『ありがとう』が合ってると思う」
笑顔ではエドの涙を拭いながら言った。すると、驚いたエドとアルはお互い顔を見合わせてすぐに照れくさそうに笑った。
「えっと・・・さん、ありがとう」
「ありがとな、
まだ本調子ではないようだったが、多少は元気になったとほっとしては立ち上がった。
「それじゃ、私はもう部屋に戻るね?服も濡れちゃってるしね」
自分の軍服の上着を脱いでエド達に見せた。すると、エドとアルは顔を(アルはよく分からないが)赤くして目を背けた。
「え?」
・・・何か・・・///」
エドが小さな声で言ったが、にはよく分からなかった。
「あの・・・服・・・///」
アルがそこまでいってようやく分かった。軍服で見えなかったが、は普段から動きやすいように肌に密着する服を着ていたのだ。そのため、身体のラインがくっきり見えてしまっていた。だからエドやアルは視線を逸らしたのだ。




















「・・・クッ・・・まだまだ子供なんだね、エドとアル」
「な・・・子ども扱いするな///!!」






















そういう反応をするから子供に見えるんだけどね。
「だから、私にも頼ってね?」
急に真面目な態度になったに驚きながらもエドとアルはに微笑んだ。
「お・・・おう・・・」
さん、ありがとう」
はやはり肌寒くなって限界だと思った。
「うん、それじゃ、お休み」
静かにドアを閉めて自分の部屋へ戻った。




















ねぇ、エド?


知ってるのかな


貴方達は自分を


『禁忌を犯した罪人』って言ってたね




違うよ?


確かに


『禁忌』は犯したけど・・・


きっと


『罪』は犯してないと思う




だって


それは誰かの為に


『錬金術』を使ったんでしょ?


本来、錬金術って


そういうものだって


言えるんだと思うの




それに・・・






エド達よりも


私の方が


罪人だもの・・・






















あとがき
 あ―――――――――!!
この『錬金術』シリーズ終了!!!!
自分お疲れ!!
自分最高!!!

『なぁにがお疲れで何が最高よ!!』
紅『ひえ!?ななな…何でがここに!?』
『何でって、私が広いんでしょ!!…あ、読者の皆様、此処までお付き合い本当にありがとうございますvv』
紅『本当にありがとう♪』
『…管理人?』
紅『(ビクッ)は…はい…』
『次はもっといいものを作るようにね?』
紅『(目が笑ってない目が笑ってない!!)努力します!!!!』
『分かればいいのよ、分かれば。それじゃ、また皆様にお会いできる日を楽しみにしています♪』
紅『それでは、皆様、さようならぁ!!』
『…ちょっと管理人…
面かせ
紅『えぇ!!?オレ、リンチにあうんですか!?』

もう終われ。



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