ドリーム小説

黒い波 ―Vol.4―



 グレニス少尉とキューザ少尉の二人を引き連れて図書館に来た。ドアの前で待つように言って中へ入っては数冊本を広げて調べ物を始めた。
「はぁ・・・辛いねぇ。この調べ物は」
一人で呟きながらもあることを思い出していた。
「・・・幸せな気分・・・か」
自分が言ったことだった。何故ロイと居ると幸せな気分になるのか分からないが事実。恋や愛というものが分からないは本当にその気持ちが恋愛につながっているのか分からないのでそんな答えを出した。










『ウィンス少佐には十分気をつけたまえ』












 ロイのことを思い出したらその一言も思いだした。それは、も気付いていた。ウィンスは只者じゃない。何か・・・裏がある、と。それが何か分かるまでは気付かないフリをした方がいい。いつ何処でウィンスが話を聞いているか分からないからだ。



「もう少し・・・様子を見るかな・・・」


























「何をですか?」




























 誰も居ないはずのない図書館の中に響いたのは、聞いたことのある声だった。驚いて振り向くと、そこには・・・。
「ウィンス少佐!?」
「どうかしましたか?」
何食わぬ顔で近づいてきた。はその様子を見ながら言った。

「どうしたって・・・あの二人は?」

「あぁ、俺がさんに用があると言ったら渋々通してくれたんですよ」

「・・・用って?」

 早く二人だけの空間から逃げたかったは話を先へ進めた。

「えぇ。実は、貴女に言い忘れていたことがあったんだ」

「言い忘れたこと?」

「そう、さっき軍人になった理由の話。あれで重要なことを言い忘れていたんで」






 少し息を呑んではウィンスを見た。と目が合うと、少しウィンスは笑った。その笑顔は、初めて会ったときのあの冷たい笑顔だった。嫌な予感がしては椅子から立ち上がって少し距離を保った。その様子をウィンスは笑顔を消した無表情な顔で見ていた。やれやれ、と肩をあげてため息をついた。















『・・・今の仕草・・・何処かで見た・・・?』















 なんとなく見たことのある仕草だったので一瞬油断した。しかし、ウィンスは何をするでもなく、今までが座っていた椅子に座って話を続けた。





「俺ねぇ・・・俺から彼女を奪った軍が大嫌いなんだよね」







 ククッと笑うウィンスに背筋がゾクッとしたのを感じた。嫌な予感が確信へと繋がり始めた。息を呑んで、はウィンスに聞いた。





「ウィンス少佐・・・貴方は何者なの?」




















 一通り仕事を終えたハボックは、を探しに司令部内を歩いていた。
「あっれ〜?は何処だ?」
どうやら、食事に誘おうと思っていたらしく、残念そうに頭を掻く。すると、前から見覚えのある人物が歩いていた。










「ん?ヒューズ中佐?」





「おー、ハボック少尉じゃないか!」










 元気よく挨拶をしてきたヒューズは、そのまま自分の家族の自慢話を始めてしまった。少しして、そんなヒューズに耐え切れなくなって、話を変えることにした。
「ところで、何でこっちに・・・」
「あー、そうだった!実は、最近セントラルで殺人事件があってな・・・犯人はまだ不明だが、被害者の身元がこっちの方の出身だってことでその人物の資料を貰おうかと思ってね」
ヒューズはそう言いながら資料の入った袋をハボックに見せた。興味なさそうにハボックはその袋を見てタバコを咥えなおした。
「被害者は軍人でさ、階級が中佐だってのに簡単に殺されたらしくてな・・・被害者の関係者かもしれないってことで来たんだけどなぁ・・・さっきロイのところに行ったんだが、仕事から逃げたらしくいなくてよ・・・」
「あぁ・・・;」
いつものことだと苦笑していたら、資料の入った袋の口が開いてしまって中のものが散らばってしまった。
「やべ・・・!」
「何やってるんスか〜・・・」
資料を拾うのを手伝っているハボックにある資料が目に入った。それは、被害者の写真で、見て驚いた。





「な・・・ヒューズ中佐!コレ、本当に被害者っスか!?」

「当たり前だ。この被害者を実際に俺も見たからな」





 ヒューズは何を言っているんだ?という顔をしてハボックを見ていたが、ハボックの顔は蒼いままその写真を見ていた。その写真の人物は・・・。

























「だって・・・これ、ウィンス少佐じゃ・・・!?」




























 そう、ハボックが見たのは今の護衛をしているウィンス少佐。
「お前・・・この被害者を知ってるのか?」
驚いたヒューズはハボックに聞いたが、ハボックはその声が聞こえないらしく、資料を見るのに必死だった。





「・・・ウィンス・ガブザリック、階級は少佐・・・傷口は現場にあった刃物、そして・・・死んだのは・・・・・・二日前!?」





 資料には事件のあった日時や場所が書いてあり、どれも信じられないことだった。それは、ウィンスが此処に居るからだ。今日、ウィンスと初めて会っていて・・・もし、ウィンスが死んでいるとしたら、あのウィンスは一体・・・?










「・・・・・・・・・!?」












 の護衛だからの側にいると思ったハボックは慌てた。もし、これがあのウィンスの計画だったら、が危ない・・・そう思ったのだ。
「おい、ハボック少尉!?」
「急いでその資料を大佐に見せてください!!」
いきなり走り出すハボックに声をかけると、そう帰ってきた。ヒューズは何が何だか分からなかったが、ハボックの様子がおかしかったのでとにかく急いでロイを探し始めた。

























 ウィンスと一定の距離を保っているは、気を緩めないように睨み続けていた。
「何者?」
の言葉をもう一度言うと、ウィンスはまた笑った。
「あんた、俺のこともう忘れたの?」
態度が変わっている。そして、気配も。は危険だと思い、どんなことにも対応できるように姿勢を少し屈めた。ウィンスは面白そうにその様子を見て椅子から立ち上がり近づいた。





「ヤダなぁ、。そんなに警戒しないでよ?」

「生憎、私は貴方みたいに得体のしれない人に気を許すほど寛大じゃないからね」

「・・・あぁ。この『格好』だから気を許してくれないのかな?」

「『格好』・・・?」





 わけが分からないと思いながらもウィンスを睨む。





「その眼、俺昔から好きだなー」

「昔?」

「此処まで言っても分からないなら教えよっか♪」





 ニコッと笑ってに近づく。もそれに合わせるように遠ざかる。










―パキンッ―










 何かが割れる音がしたと思うと、ありえない光景が広がっていた。










「な・・・!?」










 ウィンスの顔が変わってきていた。しかし、ウィンスはそれに構わず笑顔のまま光が放たれた場所から姿を変えていた。それはまるで・・・練成。





















「ふー。やっぱり若い方がいいね」























 そこに現れたのは、黒い服に黒くて長い髪・・・そして・・・何かの刺青。


























「久しぶりだねぇ、
















「・・・・・・エンヴィー・・・!!?」





















あとがき
 やったー!!
やっと出てきたよ、エンヴィー!!
エンヴィー大好きvv
出せてよかった…(感涙)
                                  2005.03.18


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