ドリーム小説

実は私、記憶がないんだよね


昔のさ・・・だから、今言ってる年齢も本当か分からないの


これから話すのは私が覚えてる限りの記憶だから











過去 ―Vol.0―













 はある建物の中にいた。どうやってそこに来たのか、そして、そこは何処なのか全く分からなかった。分かっていたのは、自分がベッドの上で寝ていたということだけだ。

























「起きたのか?」


























 身体を動かした時の布の音に気が付いたのか、その人はに話しかけた。どういう状況か分からないはビクッと身体を強張らせながらその人を見上げた。
「どうかしたのかい?」
「ぁ・・・此処・・・?」
「・・・あぁ、此処が何処かってことかな?大丈夫。此処は俺が住んでる家だよ」
その人は、優しくの頭を撫でながら言った。
「君は、この近くの公園の茂みで倒れていてね・・・それが気になって此処まで運んじゃったんだけど・・・君の親に連絡したいから君の名前を教えてくれるかな?」
はそう聞かれて質問に答えようとした。しかし・・・。



「・・・私・・・」



「ん?」


























「私・・・名前が分からない・・・!?」



























 そう、どんなに思い出そうとしても分からなかったのだ。自分が何者で自分が何処から来たのか、親の名前・・・いや、親が居るのかどうかすら。は、何も思い出せない恐怖と孤独を感じてからだが震えた。その人は、そんなの方を抱いて何とか宥めようと頭を撫で続けた。



「大丈夫・・・落ち着いて?」

「でも・・・私・・・!!」



 何か言おうとした口は、その人の手によって塞がれた。
「今は混乱してて思い出せないだけかもしれない・・・だから、今はゆっくり休んで?次に起きたときには思い出せてるかもしれないでしょ?」
優しく微笑んでその人はを再びをベッドに寝かせた。はされるままになっていたが、その人が何処かへ行こうとしたとき、寂しさの所為か、その人の髪を引っ張ってしまった。
「狽「たっ;!」
「ぁ・・・ごめんなさい!!」
謝ったが、は手を離せずにいた。離してしまったらその人は何処かへ居なくなってしまうかもしれなかったから。
「あぁ、いいよ。それより、どうしたの?」
「ぇっと・・・私、何も思い出せなくて不安で・・・」
「そっか。じゃあ。君が寝付けるまで俺が此処に居て、君の手を握っててあげるね」
言いながら椅子を用意して言った通りにの手を握ってくれた。そのぬくもりが暖かくて、はすぐに瞼が重くなった。けど、寝てしまう前に一つ聞きたいことがあった。





「あの・・・」

「ん?」

「貴方の名前は・・・?」










「あ、まだ言ってなかったけね。俺は、アラン。アラン・シーゼ」




















その人・・・アランは



優しい眼差しで私を見ていた





その目が










すごく好きだった





















あとがき
 やっとヒロインの過去が書けます!!
もう早く書きたいなぁ…なんて思ってたのですが、ヒロインが予想以上に素直じゃなくて…;
これからも大体…5話くらい続くと思います(多分)
                                  2005.03.30



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