本当に幸せだと思ったの
だって
私にとっての幸せは
あの人の笑顔だから
過去―Vol.2―
「!そこのお皿、持ってきて?」
「わかったー!」
朝食を食べ終わった後、台所でアランが食器を洗っているとそこにが少したくさん積み上げたお皿を持って運んできた。
「うぅ〜・・・アラン〜;」
「ありがとう、・・・って、危ないじゃないか!!」
が持ってきたのは、自分の身長よりも十センチ近く詰まれた食器やコップたちだった。本当に少したくさん、どころではなかった。アランは慌てて洗っていた手を止めての持つ皿を持った。
「!こんなにたくさん・・・無理して運んで怪我したらどうするつもりだったんだ?」
心配のあまり、少し声を大きくしてアランはに注意をした。はそれに驚いて涙ぐんでしまった。
「・・・ぅ・・・ごめんなさぁぃ・・・」
「狽ぁ!ご・・・ごめんよ、・・・心配し過ぎてを怖がらせちゃったね〜」
泣き始めてしまったの涙をアランは自分の服で拭ってやる。
「でも?本当に心配しちゃうからあまり無理はしないでね?」
「・・・ぅん・・・アラン、ごめんね?」
まだ目の赤い顔を上げては小さく謝った。その仕草がアランの何かにはまったらしく、アランはを抱きしめた。
「え、え?アラン?」
「、可愛いなぁ!!」
抱きしめながらアランはの頭を撫でる。そして、は恥ずかしいのだが、そのぬくもりが嬉しくていつも大人しくしていた。
そう、この数日の間にアランは周囲が驚くほどの親馬鹿となっていたのだ。思う存分抱きしめたアランは、を笑顔で見る。
「そうだ、これから買い物に行かないか?」
「お買い物!」
「今日の夕食を買いに行くんだ。それと、ランチは外で食べような」
「ヤッター!外で何食べようかな〜?」
「の好きなものでいいぞ♪」
「うん!」
もう出かける前から何を食べようか、何処に行こうかとは悩んでいる。アランは、そんなを優しい目で見守っていた。
三十分後、出かける支度の出来た二人は仲良く街へと出てきた。その街は、そこそこ栄えていて、静かに暮らすには丁度いい場所。はそんな街が大好きでアランと出かける日が楽しみでならなかった。
「あ、アラン!あのお店に入りたい!!」
が指を指したのは、あるアンティークのお店だった。小さいが、外装の趣味はなかなかのものだった。アランも少し興味が出てきたので一つ頷くと、笑顔でがそのお店のドアを開けて入っていった。
「・・・うわー!キレー・・・」
目の前には、ゴールドやシルバーのアクセサリーから何かの石が使われているもの、そして、ペアルックのもの。小さなお店にもかかわらず、種類豊富だった。すごいすごい、と何度も言いながらお店の中を歩き回る。
「お店のものに気をつけて歩くんだよ?」
「はーい!」
アランも自分の興味のあるものを見ながらそれなりに楽しんでいた。しかし、の傍で見ていたアランの耳に何かが聞こえてきた。
―キュルルッ―
その音の方向を見てみると、真っ赤な顔をしたがお腹を抑えていた。それを見てアランは何があったのかがすぐに分かった。
「、お腹が空いたのか?」
「ぅ・・・///;」
言いづらそうだったはコクンと頷いてアランの服を引っ張った。その可愛さの所為でアランの顔までも赤くなってしまった。アランはそんな自分に恥ずかしくなりながらもと店を出て行った。
二人がランチを食べるのに選んだのは、パフェのあるお店。がパフェを食べたいと言い出したので一番近かったお店に入ったのだ。とアランは、自分が食べる分を注文して料理がくるのを待っていた。は何か話そうとアランを見ると、すでに何かの本を読んでいたのだ。何を読んでいるのか気になったがアランを見ていると、その視線に気付いたアランがクス、と微笑んで本の表紙を見せた。
「アラン、何?その本」
「これはね、錬金術の本だよ」
「れんきんじゅつ?」
「そ。色々なものを創る・・・というか、等価交換で創るんだ」
「とうかこうかん?」
「等価交換ってのはね・・・その交換したいものと同じ価値のあるものを差し出すという・・・」
「???」
よくわからない、と言ったの顔を見て苦笑してしまった。その時、注文していたものが来て店員にお礼を言ってからまた説明をする。
「例えば・・・こうやって俺達は食事をする。けど、コレが食べ終わってレジへ行くと、今食べたものの代金を払う。これが等価交換というものだ」
「ふーん・・・」
「錬金術ってのはね、奥が深いんだ。それを研究するのが楽しくて今勉強中なんだ。あと、ちょっと気になるものがあってね」
「気になるもの?」
運ばれたパフェを食べながらがまた聞いてきた。
「俺の気になるものは・・・賢者の石だ」
「けんじゃの・・・石・・・?」
「すごいんだ、賢者の石は。等価交換の原則もなしに錬金術が使える・・・どんな創りで、どんな形・・・賢者の石は本当に伝説でしかないのか!俺はそれを研究したいんだ」
熱くなって話すアランに驚いたはパフェを食べる手を止めてしまった。アランははっと気付いて小さくごめん、と謝る。
「こんなに話してもにはわからないか・・・」
「でも、アランのやりたいことなんでしょ?私、出来る限り協力するから何でも言ってね!!それと、アランのれんきんじゅつ、見たい!」
笑顔で言ってきたに嬉しさを感じたアランは、の頭を撫でて一言お礼を言った。
「・・・ありがとう・・・」
この時
私は幸せ過ぎて
これからその全てが壊れてしまうなんて
思ってもみなかった
あとがき
なんて元気な子なんだ…ヒロイン!
そして、アランは親バカ!!
当初の設定がもう跡形もない…(涙)
2005.03.30
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