ドリーム小説

私が何を言っても





貴方が何を聞いても





お願い





最後まで聞いてね











過去 ―Vol.3―












 ランチを食べ、夕食の材料を買った二人は、自宅に入って早速アランの錬金術を見ることにした。
「ねぇねぇ、アラン!」
「わかったって・・・今見せるよ」
好奇心に満ち溢れている目をアランに向けながらはアランの横に座った。アランは、何か書かれた紙を用意してきた。
、これが錬成陣って言うんだ。これを介して錬金術を使うんだ」
はうんうん、と頷いて話を聞いていた。アランは、スプーンを二本持ってきてその錬成陣の上に置いた。
「じゃあ・・・行くよ」
アランが片手を錬成陣に添えて手を離す。すると、眩しい光が放たれて思わずは目を閉じてしまった。少しすると、アランがの肩に手を置いた。
「もう大丈夫だよ。目を開けてみてごらん?」
言われて、ゆっくり目を開けると、そこには金属で出来た小さな箱があった。





「わー!」

「これが錬金術。さっきのスプーンの金属を使ってそれに等価しているこの箱を創り出した・・・」

「錬金術ってすごいね!!私も勉強したい!!」

「あはは、にはまだ難しいからね・・・もっと大きくなってからするといいよ」

「えー!?」

「さ、それよりもそろそろ夕食の支度を始めないとな・・・もう夕方だし」





 アランがの頭を撫でながらそう言うと、も同意して先程買った材料を袋から出す。










―ピンポーン・・・―










「あれ?お客さんかな?」
「私が出るね!!」
誰かが来たことを知らせるベルが鳴ったことに気付き、はパタパタと玄関へ向かって走ったのだ。少し長い廊下を歩いて誰が来たのか早く知りたくては勢いよく玄関のドアを開けた。
「はい!どちら様ですか〜!」
そこに立っていたのは、黒くて綺麗な髪を靡かせている女性だった。

























「可愛いわね、貴女」


「あの・・・?」



























 は褒められて照れてしまって言葉が出てこなかった。
「おい、?どうかしたのか?」
「あ、アラン!!」
アランが来てくれたのでは急いでアランの後ろに隠れたのだ。





「あらあら・・・照れちゃったのかしら?」

「え・・・って、ソラリスさん?」

「アラン、ソラリスさんって・・・この人?」

「えぇ、私がソラリスよ。初めまして、ちゃん」





 その人の微笑みは、綺麗だった。そう、人形みたいに綺麗に笑っていたのが印象的だった。

























 夕食は、先程来たソラリスと共にすることにした。最初は警戒していたも、話をしていくうちにソラリスと仲良くなって色々話すようになった。
「でねでね!さっきも錬金術見せてもらって嬉しかった!」
「そう、アランさんがいい人でよかったわね」
ソラリスはの頭を撫でて微笑む。アランとばかり話をしていたは、こうして他の人と接する機会がなかったので嬉しかった。
「ほらほら、話はそのくらいにして食事にするぞ」
「は〜い!」
はアランの声に気付いてソラリスの席から離れて自分の席に座った。その様子を見ていたソラリスはクスクス、と笑った。
「なんだか、アランさんって娘を取られそうになってる父親みたいな顔をしてるわよ?」
今言ったように、アランの顔は複雑そうだった。


「俺はまだ親父って歳じゃないぞ」

「そうね、ごめんなさいね?」



 錬金術のことや、趣味の話を楽しそうにしているアランとソラリスを見て、は一瞬不安が過ぎった。それは、自分の知らないソラリスと話をしている楽しそうなアランを客観的に見ているから。いつもは自分に向けられている笑顔が他の人にも向けられているのは・・・少し見ていたくないと思った。
?」
どんな顔をしていたのか自分ではわからなかったが、アランの心配そうな顔を見て自分がそんな顔をさせてしまったんだ、と感じた。





「あ・・・」

「どうかしたのか?」

ちゃん、何処か具合でも悪いの?」





 二人が心配をしている。こうしてみると、本当に夫婦みたいで・・・自分はこの二人の間に何があるのか知らない。知りたくない。見たくない。聞きたくない。

「な・・・なんでもない!私、もうごちそうさまするね!!」

「あ、!!」

 とにかくその場から離れたかったは、さっさと食事を終わらせてアランとソラリスのいる部屋から離れた。




















 自分の部屋に戻ってベッドに寝転んでいた。静かな部屋で一人いると、先程の二人のことを考えてしまって涙が出そうになった。





「何なの?この気持ち〜・・・すごく胸が痛いよぉ・・・」





 その気持ちが『恋』なのか、ただの『わがまま』なのか分からずには枕に顔を埋めていた。すると、枕の下で何か硬いものが物があるのに気付いた。
「何?コレ・・・」
それは、何かの本だった。表紙には『Alchemy』と書いてあった。
「錬金術の本だ・・・」
アランのやっていることだからと、少し見てみようと思った。文章や図が書いてあって自分でも覚えられそうなものだった。いつの間にかその本に夢中になったは、自分で導き出した錬成陣を紙に書いて、そこに木の箱を置いた。そして・・・。
「・・・えい!」
錬成陣に手を添えた。





―パキッ―





 はアランの時に放たれたものと同じ光を見て、希望がわいてきた。
「・・・ぁ・・・」
光が収まると、そこにあったのは木で出来た馬だった。
「もしかして・・・成功!?」
そうだと分かると、すごく嬉しくなってはそれを持って部屋を出た。向かった先は、アランとソラリスのいるあの部屋。階段を駆け下りて、は勢いよく扉を開けた。
「アラン!ソラリスさん!!私・・・っ!?」
は、満面の笑顔で入ってきたが・・・目の前の光景に笑顔と言葉がなくなり、手に持っていた馬を落とした。

























「ア・・・アラン・・・?」

アランは血を流しながら倒れていた。

























「あら、ちゃんじゃない」

ソラリスは血だらけの手を拭きながらで微笑んでいた。

























「どう、して・・・!?」










アランは・・・



















「何で!?何でアランが怪我してるの!!?」





酷い怪我をしていた




















何が起こったのかわからない



自分が居ない間に



何があったのか・・・





分かることは










怒り

悲しみ





漆黒の闇





















あとがき
 …読者様は、きっと分かると思います。
えぇ、ソラリスとはあの『ソラリス』です…。
『act.3』でエンヴィーの言ったことは、此処に繋がっているのかも…
いえ、もしかしたらそうではないのかも…(何だよ、おい)
                                       2005.03.30


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