ドリーム小説

私は無力だった





いや





今も無力なんだ











過去 ―Vol.4―











 は、体中の血がなくなっていくような感覚に襲われた。
「どうしたの?そんなに蒼い顔をして・・・」
ソラリスが何もないかのようにに聞いてきた。そんな質問に答えられない。かすかな声しか出なかったが、言葉を発した。
「こ・・・れ・・・・・・ソラリス、さん・・が・・・・!?」
「・・・このアラン・シーゼがなかなか私達に協力をしてくれないから・・・」
「協、力・・・?」
「そう、私達のある実験の協力」
目は笑っていない微笑みは、生き物のような生気が感じられなかった。今すぐ逃げ出したいと思ってしまっただったが、足がすくんで一歩も動けなかった。その間、ソラリスは一歩一歩と近づいての足元に転がった木で出来た馬を拾った。

「これ、貴女が創ったの?」

「れ、錬成・・・」

「・・・本当に?」

 はコクコクと頷いてソラリスの手にある馬を見た。ソラリスは、それを聞いて何か思いついたらしい。今まで馬に向けていた視線をに向けた。

「貴女・・・年齢は?」

「わからない・・・記憶がないの・・・」

「ふぅん。でも、見た目はまだ十歳にならないくらいね・・・」

「それ、が・・・何?」

「ん?あ、ごめんなさいね。貴女を無視して考え込んじゃったわ」

 楽しそうに笑うソラリスは血を拭った手をの頬に添えた。
「ねぇ、ちゃん?」

























「アラン・シーゼの代わりに協力してくれない?」



























 何を言い出すかと思えば、自分にソラリスの『何か』に協力をしろと言ってきたのだ。
「ぇ・・・?」
驚いたは、ソラリスを見上げた。そのソラリスは視線を外してアランの方へと向けた。
「この男、賢者の石に興味があってね。貴女が此処に来る少し前にその情報をあげるから私達の実験に協力して?って頼んだの。彼は了解をしてくれた」
そこまで言うと、急にソラリスの顔が憎しみに歪んで手をきつく握って掌から血が滲んでいた。
「それなのに!今日実験の内容を聞いた途端、嫌だって言ってきたの!私達にはもう欠かせない『人材』となっていたのにもかかわらず!!」
「じん、ざい・・・?」
「えぇ、私達の実験・・・賢者の石を作り出すこと・・・それを実行するにはちょっと手間や知識が足りなくて。今言った『人材』はもっとも重要なもの」
優しく微笑み、自分の掌を舐めて話を続けるソラリス。
「でも、もう秘密も話しちゃったし、私を殺そうとしたから逆に殺してあげたの」










殺し―・・・










 その一言がの奥底で何かを掻き立てた。今まで動かなかった足がソラリスの方へ向かい、気が付けば、ソラリスの服を掴んで睨んでいた。





「それでアランを殺したの!?私にとってたった一人のアランを!!何で・・・どうして殺すのよぉ!!」





叫ぶを黙ってみていたソラリスだったが、の胸倉を掴んで自分の目線まで引き上げた。その為、は苦しくて顔を歪めた。

「私を殺そうとしたの。正当防衛でしょ?それに・・・相手の手の内を知ったにも関わらず、自分のことを教えなかったり、協力しなかったりしたら等価交換にならないでしょ?」

「等価交換・・・だと!?」

「そ。この世の中は等価交換の原則によって成り立っている」

「嘘だ!!本当にこの世の中が等価交換の原則ならなんであんたは生きててアランは死んだんだ!!」

 そうが怒鳴ってソラリスのお腹を蹴った。思わぬ衝撃にソラリスは手を離し、はすかさず距離をとっていた。
「・・・クククッ・・・痛いじゃない」
「けほっ・・・う、るさい・・・!!」
ソラリスは、痛くも痒くもないと言った感じでに近づいた。そして。
ちゃん?もう一度聞くわ。貴女は私達に協力してくれる?」
「嫌だ!!アランが嫌がったものなんてやりたくない!!」
睨みながら言うと、急にソラリスの表情が変わった。
「なら・・・仕方ないわね・・・」





―ドカッ!!―





 はお腹を蹴られて壁に叩きつけられる。背中とお腹に感じた激痛には蹲り、ソラリスを睨んだ。
「かはっ・・・」
「そこまでして反抗するなら・・・」

























『殺してあげるわ・・・』



























 そう静かに言って、の首に手をかけた。だんだんと力が入り、の呼吸を止めていく。どんなにもがいても子供の力。大人の力には勝てずにの意識はだんだんと遠のいていく。
「ァ・・・アラ、ン・・・」
かすかな息で一番会いたい人の名前を呼んだ。の手に力が入らなくなった。もう終わりかと思った・・・瞬間。










―ザシュッ―




 の頬に暖かいものが当たった。それと同時に首にあった手がなくなり、大量の空気がの中に入ってきた。急な変化に身体が追いつけずに喉に手を当てながらしばらく咽ていた。
「ゲホゲホッ!!ッハ・・・ァ・・・!?」
目を開けて驚いた。ソラリスの胸部を太い何かが突き刺さっていて血が夥しいほど出ていた。





!!大丈夫か!?」





 声が聞こえた。意識がなくなりそうになったとき、一番会いたいって思ったあの声が・・・。



!!!」



「ァ、ラン・・・アラン!!」




















私は



アランの声が聞けた嬉しさで



気付いてあげられなかった





アランの傷の深さを・・・





















あとがき
 予想よりも長くなることとなりました…
えぇ、かなり長くなってすみません…;
                                  2005.04.06


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