ドリーム小説

もう一つの話 ―後編―



 ふと、エンヴィーは目を覚ました。そこは、いつも仕事の合間などに休む場所だった。ゆっくり起き上がって今見ていた夢を思い出していた。
「・・・・・・」
やっと見つけた。それなのに、の見る方向は自分ではなく、あの焔の錬金術師ロイ・マスタングだったことに腹が立ってきた。
「何で・・・俺じゃないんだ!?昔はあんなに俺に懐いてて・・・イシュヴァールの時もだ!あの時は俺に向いていたもの全てが俺だけのモノだったのに!」
いつまで経ってもの全てが自分に向いてこないことに苛立ち、エンヴィーが欲しいものをあっさりと手に入れているアラン・シーゼやロイ・マスタングが憎かった。八つ当たりと言わんばかりに横にあった壁を叩いて穴を開けてしまった。

























「エンヴィー、何荒れてるの?」



























 静かな声で話しかけてきたのは、ラスト。入り口のドアに寄りかかりながらエンヴィーの様子を見ていたらしく、タイミングを見計らって声をかけてきた。その行動に更に機嫌を悪くしたエンヴィーは、ラストを無視して部屋を出ようとした。

「ちょっと?」

「うるさいよ、おばはん」

「・・・エンヴィーって・・・ちゃんの知り合いなの?」

 という名前を聞いてエンヴィーは反応をした。

「何でだよ」

「だって、貴方にしては珍しいじゃない。何かに執着して、手に入らなかったら苛立って・・・」

「関係ないだろ?」

「あまり・・・人柱と仲良くしないでね?後が大変よ?」

 言うだけ言ってラストは、グラトニーが待っているらしく、部屋を出て行った。その後姿を見送ってから、エンヴィーは側にあった椅子を蹴り上げた。





「何がらしくない、だ・・・俺がいつ執着したんだよ!」





 そうは言っても自分では分かっていた。忘れようとした記憶は結局忘れられず、なんとも思わないと思ってもつい目で追ってしまう。確かにエンヴィーは今までにないほどに執着していた。
「・・・は・・・俺はただ、手に入らないものが珍しくて欲しいだけ。それ以上の感情はないさ」
そうやって自分に言い聞かせなければエンヴィーはを人柱として迎えられないだろう。誰にも触れさせたくない、見せたくない、側に置きたいと思ってしまう。それは、自分の慕っている『お父様』に反抗していると同じようなことだからこれ以上に何かを求めてはいけない。
「・・・くそっ・・・頭では分かってるんだよ!!」
エンヴィーは抑えられない感情に弄ばれてるように感じて落ち着かない。が目の前に現れてから嫌なことばかり思い出す。


























『エンビー!』


『うん!私もエンヴィーのこと大好き!』


『貴方、大丈夫?』


『っ!アランの知り合いなの!?』


『私はそんなのにならない!!』

























 どれもエンヴィーが欲しい。考えないようにしようとすればするほどのことを思い出す。
「・・・どうすんだよ、俺・・・」
頭の中で響くの声がエンヴィーを苦しめていた。しかし、苦しい中にも幸せな気持ちも入ってくる。気持ちがすっきりしない。エンヴィーは、不貞寝をしようともう一度ベッドの中へ入った。寝る前に、確かな感情がエンヴィーにはあった。





















誰にも殺させない



誰にも邪魔をさせない






は俺の命と共にある



は俺のために生きている






だから






には手を出させない























 そのままエンヴィーは・・・もう一度の夢を見るために瞼を静かに閉じた。



















あとがき
 久々の更新鋼!!!
色々あって手直しをしたりして遅くなりました;;
これは、エンヴィーサイドの話ですね…よく分からなくなりましたが(笑)
この後は、新しい話が始まります♪
                                  2005.06.28


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