ドリーム小説
動き出すココロ ―Vol.4―
鳥の羽ばたきと同時に始まった戦い。
「はぁ!!」
「・・・」
グレニスは、武術に自信があると言っただけのことはあり、動きに無駄がない。手足を駆使しての後ろに回ったりしている。これは、その辺りの軍人よりももしかしたら強いかもしれない。軍人の階級は力によっても決まるが、それだけでは決まらない。全てを兼ね揃えていないと上がれないものだ。
「・・・っく・・・」
「グレニス少尉もなかなかやるのね・・・」
は、戦いの中、グレニスの攻撃をかわしながらこれだけの力があるのに・・・と残念がっていた。しかし、それだけしか思わないわけではなかった。
「くそ・・・なら!」
グレニスはに仕掛けた攻撃が見事にかわされ、地面に手が付いた瞬間にそのままに足払いをする。は、その柔軟な動きに驚き思わず上に飛び上がってしまった。そのときを待っていたかのように、グレニスはすぐにの脇腹に蹴りを入れる。空中では避けられないのでは右腕でその蹴りをガードするが、威力があるのか、そのまま空き箱の山に衝突してしまう。
―バキバキッ!!―
「!」
ロイが驚いて駆け寄ろうとするが、すぐにの声が聞こえた。
「ロイは黙って見てて!これは私とグレニス少尉の戦いよ!」
ガラガラと音を立てながらは立ち上がり、埃を払う。
「やっぱり・・・さんは一筋縄でいかないか・・・」
「私もグレニス少尉がここまで強いなんてびっくりよ」
二人ともそんな会話をしているが、隙をみせようとしない。その辺りが戦いへの真剣な気持ちの表れだとロイには分かった。
「今度は私から行くわよ?」
「えぇ」
グッと姿勢を低くしたは、そのまま正面からグレニスに向かう。グレニスは、何のつもりだろう・・・と思いながら、を受け止めようとしたが。
「っ!?」
目の前にいたの姿が見えなくなり、グレニスは動揺するが、の声が後ろから聞こえてきた。
「まだまだ甘いわね、グレニス少尉」
「な・・・!?」
そのままは、グレニスの腕を拘束し、前に押し倒す。
「その視界の狭さと気持ちの甘さが貴方の命取りになるわ・・・気をつけなさい」
「・・・えぇ、わかりました」
負けを認めたのか、グレニスは苦笑しながら返事をした。今までの緊張した雰囲気がなくなったのだ。
「さん、さっきのは・・・」
「簡単なこと。正面から向かって行ったけど、私は更に姿勢を低くして貴方と同じように手を地面に付けて足払いをするように方向転換をして、貴方の後ろに回ったの」
「でも・・・」
「凄くシンプルな行動。けど、よく見落としやすい死角・・・よく覚えておきなさいよ?」
「やはり貴女には適わないや」
そう言いながらグレニスはポケットから紙を出した。
「俺の完敗・・・これはもうあなた方のものです」
「ありがとう、グレニス少尉」
「いえ、それがルールです」
グレニスは、失礼します!と敬礼をしてから立ち去った。
「・・・やれやれ」
「ロイ?」
「気持ちの甘さは君のほうが上なんじゃないのか?」
「うるさいわよ、ロイ」
「いくら部下の為とはいえ・・・左腕を使わずに戦うというのは相手を傷付けないためだったんだろ?」
「・・・それより!今はお祭り中!さっさと紙を見て錬成するわよ!!」
は誤魔化すようにロイに言った。ククッと笑いながらロイはが持つ紙に視線を向ける。すると、そこにはたった一言が書いてあった。
「・・・愛?」
あとがき
はい、このシリーズで急展開するはずが…
ある意味オリキャラ自慢(苦笑)
2005.08.27
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