動き出すココロ ―Vol.8―
が確認したかったのは、アキストがアランの知り合いだということ。
「どうして・・・?」
「私、さっきの錬成陣見たことあったの。それは、アランが私に見せてくれた錬成陣・・・忘れるはずがないの。その錬成陣を貴方が使ったってことは、アランの知り合いじゃないのかって・・・」
「そう・・・か・・・」
アキストが驚きながらを見て、また作品を見た。ロイは、そんな二人を静かに見ていた。
「さて!これで作品は全て揃いました!!これから十分間の審査に参りたいと思いますので、参加してくださった方々は、しばらくお待ちください!!」
アナウンサーが言い終えたと共に、審査員の人たちが立ち上がり、それぞれの作品を見ていた。
「・・・」
「ん?ロイ、どうかしたの?」
「あの作品の人物は・・・」
「・・・私とアランだよ」
ロイに聞かれては作品を見上げた。は、幼い記憶を愛おしむかのように優しい目で見つめていた。その時の様子がとても弱く、小さく思えてロイは思わずに歩み寄ろうとしたが、その前にがアキストに近づいた。
「アキスト少尉?貴方はアランとどんな関係だったの?」
が興味津々で聞くと、アキストはに優しく微笑んだ。
「・・・アキスト少尉・・・?」
「俺は・・・」
「皆様!!時間が早いのですが、ここで審査が終了しました!!」
急に聞こえてきた放送に驚きながら達は審査員達を見た。
「では、結果発表です!!今回の作品の優勝者は・・・」
「・ファミリア大将とロイ・マスタング大佐のペアです!!」
その発表と共にとロイは、係りの人に連れられて表彰台に上がった。そこには、優勝メダルと花束を持ったアームストロングとヒューズ、そして、その真ん中には大総統がいた。
「さぁ、ここでキング・ブラッドレイ大総統に一言いただきましょう」
司会者がマイクを大総統に渡すと、笑顔でそれを受け取った。
「うむ・・・君達は流石というべきか・・・よく出来た作品であった。私も久々に楽しむことができたと思う。というか、私も作りたかったな・・・はっはっは」
そう言ってマイクを司会者に戻してからアームストロングは花束を、ヒューズは優勝メダルを二人に渡した。その瞬間、会場から拍手が喝采したのだ。
「・・・あぁ、・ファミリア大将」
「はっ。何でしょうか」
は拍手が聞こえる中、声をかけられて返事をした。すると、大総統はの耳元で何かを囁いた。
「・・・・・・」
「・・・ぇ・・・ちょ・・・大総統!?」
「では、また後程な・・・」
大総統はの言葉を聞く前に下がっていってしまった。が驚いた顔をしたことが気になったのか、今度はロイが声をかけてきた。
「、どうかしたのか?」
「あ・・・ううん、なんでもない・・・」
明らかに何かを隠していていたため、それを確認しようと声をかける。
「本当は何かあったんだろう・・・私にも言えないのか?」
「・・・私は・・・」
「さん」
少し複雑そうな顔をしていたにアキストが声をかけてきた。
「アキスト少尉?」
「この作品を作ってくださってありがとうございます・・・俺も救われました」
「?救われた?」
「えぇ・・・こうして成長した姿が見られたんですから」
「成長した姿・・・?」
何を言っているのか分からず、は首を傾げた。
「あの人に家族がいないって思わなかった?」
「・・・家族は早くに死んだって・・・」
「それは違う・・・あの人が勘違いをしただけ」
「勘違い・・・?」
「あの人がまだ十二歳の頃・・・あの人の実家はレストランを経営してたんだ・・・でも、ある日の夜に強盗が入ってきてそれを父親が捕まえようと殴りかかった。そしたら、運悪くその衝撃がガスコンロに当たってガスが漏れ、強盗が窓から逃げようと勢いよく開けたら・・・爆発してしまった」
「っ・・・」
「まぁ、二階にいたあの人は軽症だったけど、両親は重症で・・・それをどうして勘違いしたのか、あの人はそのまま家を出て行っちゃったんだ・・・」
アキストから聞かされる話を聞いていて、は思ったことがあった。
「ねぇ・・・どうしてそんなに詳しいの?そして、貴方は一体・・・?」
「俺は・・・昔、父親を亡くし、新しい父親と母が再婚して『アキスト』となりました。その前・・・つまり、旧名は『キューザ・シーゼ』」
「!?」
「アラン・シーゼの実の弟です」
そう言って微笑むアキストは、本当にアランに似ていて、は幼い記憶が甦った。
「小さい頃の兄しか見たことがなかったので、こうして兄の姿を見られて幸せです・・・」
「・・・アキスト少尉・・・」
「本当に・・・ありがとう、さん」
「・・・っ///!」
お礼を言ってきたアキストの笑顔は、アランそのものだったので思わず顔を赤くしてしまった。
「ぇ・・・さん?」
「ぁ、の・・・なんでも・・・なぃ・・・///;」
はどうしていいのか分からずに赤い顔を逸らした。その様子を見ていないはずもないロイは、突然がアキストを意識し始めたことに気が付いて中から込み上げる嫉妬心に耐えるようにギュッと手を握り締めた。
「さぁ、今回の祭典はコレにて終了とさせていただきます!!また来年もお越しくださいませ!!」
司会者の元気な声は、今の三人には届いていなかった。
あとがき
わー!!
この話も終わったよ―――!!
オレ、まとめての更新が隙みたいで…(面倒臭がりなだけ)
次からモヤモヤしそうな気配…
2005.08.27
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