ドリーム小説

離れて分かる気持ち ―Vol.1―



 祭りを終えて、東方司令部のロイ・マスタングはいつもの如く、仕事をサボっていた。ホークアイに見つからないように司令部内を歩いていると、前方に見慣れた人物がいた。
「あれは・・・?」
声をかけようと、歩き出すが、ピタッとその歩みを止めて、壁の陰に隠れる。そして、こっそりと顔を出してとその相手を見る。










「そう・・・それでね・・・」

「え、そんなこともあったんだ」










 と楽しそうに笑うのは、の補佐兼護衛をしているギューザ・アキスト少尉だった。先日、アキストがの中で特別な存在のアラン・シーゼの実の弟。それが発覚してからとアキストは今まで以上に傍にいて、会話をしている。それが、丁度今の状況だった。
「うん。でも、アキスト少尉がアランの弟だったなんて・・・驚いた」
「俺もあまりあの人を兄とは思えなくて・・・兄がいるって聞いたのも俺が大きくなってからだから」
「そうだったんだ・・・でもさ、これでアランも寂しくないよね」
「ん?」
「だって、今まで一人だって思ってたのに、本当は兄弟がいたんだから・・・アラン、いつも寂しそうにしてたから」
さん・・・」
は、アランのことを思い出しているのか、寂しそうな表情で言う。その表情に耐えられないのか、アキストはから視線を逸らす。
「ほら、アキスト少尉!もっと笑って?」
「え?」
いきなり言われて何が何だか分からずに変な声で聞き返す。
「アキスト少尉の笑った顔って・・・アランに似てるから。だから、もっと笑っててほしいんだよね」
少し照れくさそうに言ってがアキストの頭を撫でる。すると、アキストも少し嬉しそうに微笑む。それが嬉しくても自然と微笑んでしまう。ロイは、そんな光景をみたくない、というようにその場を静かに立ち去った。

























 ロイは、そのまま黙って執務室に向かい、ドカッと自分の椅子に座る。特に用がなければ誰も入ってこないので、いくらイラついても誰にも迷惑がかからない。
「・・・何故だ・・・」
どうして自分じゃないのか。ただ、アランという接点があるだけでが微笑む。アランは、にとってどれだけ大切かは話を聞いたのでわかるが、何故、アランの弟というだけでアレだけに気に入られるのかがロイには分からないと同時に不愉快だった。
「どうして私ではない・・・」

























常にの支えになりたい

常にの傍にいたい





そう願うのは

私の我儘だろうか



























「近づけたと思ったのにな・・・」
一言呟き、窓に視線を向けた。
















 とアキストが話し込んでいたら、アキストを誰かが呼びに来て、はアキストから離れた。
「あー、アキスト少尉っていいなー・・・」
ポツリと言って、そろそろ仕事をしようと思っては自分の仕事場に戻っていった。
「リザさぁーん、私の仕事って何?」
ドアを開けると同時にホークアイに聞くと、沢山の書類を渡された。
「え・・・これは??」
の分は少ないんだけど・・・」
「??」
「それ、殆ど大佐のなの」
「えぇ!?」
は、仕事が終われば早々に帰ろうと思っていたので、かなりのショックを受けてしまった。
「何で?ロイは!?」
「私も大佐に仕事をしてくださいと言ったの。でも・・・」
「でも?」
「何だか、いつもと違ったのよ」
ホークアイが少し心配そうにロイの執務室を見る。もそれに倣って執務室を見るが、ホークアイの話が続いた。
「いつもは、もっと軽く私たちの話を流したりするんだけど・・・どうやら今回は本当に悩みがあるみたいで」
「悩み・・・」
それを聞いて、は少し考えてからホークアイを見た。
「なら、私がロイに話を聞いてくるわ」
「え?」
「だって、みんなの仕事も増えちゃうし・・・上司であり、昔の戦友となればロイも話をしてくれると思うの。だから、ね?」
「・・・がそれでいいならお願いしたいわ・・・」
「わかった!これも上司としての勤めだからね!」
笑顔で言って、はロイの執務室に向かった。
「・・・大丈夫かしら・・・」
ホークアイの心配をよそに、は、問題のロイがいると思われる執務室の前に到着した。そして、深呼吸してから執務室のドアをノックした。



















あとがき
 …久々の更新ですι
えぇ、何故かこうしてまとめて出さないと更新できない体質らしく(笑)

                                  2005.10.12



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