ドリーム小説

ガラスの如く儚き想い ―Vol.1―



 次の日、はロイと会わない為にアキスト少尉とビゼクト少尉を連れて朝一の電車に乗ってセントラルに来ていた。

「よく来たな、ファミリア大将」

「っ!これは大総統!」

 駅に降りた時、を迎えに来たのは大総統だったのでは慌てて敬礼をした。だが、それを大総統が手を挙げて止めさせた。

「はっはっは。今はまだ軍人としてではなく、一般人。敬礼などしなくて良い」

「はぁ・・・」

「こんなに早く来てくれて私としても嬉しいのだよ」

 大総統がいつもの笑顔でに話を続けた。

「そうだ・・・到着早々悪いのだが、今多発している事件があるのだ」

「事件ですか?」

「立ち話もなんだな・・・とりあえず中央司令部に来てくれたまえ。手続きもしなくてはならないのだろう?」

「はい・・・それではお言葉に甘えます。少尉たちも一緒で構いませんか?」

「勿論だ。彼らは君の護衛なのだろう」

 大総統がそう頷いてからは大総統が乗ってきた車に乗せてもらった。




















―中央司令部―





 到着して早々、は軍服に着替えて大総統と一緒に廊下を歩いていた。二人が通る度に軍人が敬礼をしてきた。だが。



「・・・あれ、・ファミリア大将だろ?」

「戻ってきたのか・・・」

「けど何で今更・・・」



 そんなを邪魔に思う軍人の声が聞こえてきた。そんな中を歩いていると、奥へと続く扉の前で大総統の歩みが止まった。





「大総統?」

「・・・すまないな、ファミリア大将」

「え?」

「未だに君を悪く言う者が多くてな・・・こんなところに連れ戻してしまって」

「いえ、気にしないでください。私は当然の反応だと思っています・・・あ、勿論此処まで昇進させてくださった大総統には感謝をしています」

「そうか・・・あぁ、こっちだ」

 苦笑している大総統がを少し小さめの扉の前に連れてきた。
「此処で話そう・・・この事件のことは皆、知らないのだ」
「分かりました」
内密にという条件を含んだ物言いをは承諾して中へと入った。中はやはりというか、会話をするのが目的で無駄な装飾などはなく、ただ小さなテーブルがあるだけだった。
「座りたまえ」
「・・・失礼します」
が座ったのを確認してから大総統がある封筒を出してきた。





「・・・その中にある書類と共に私の話を聞いてくれたまえ」
大総統が話すと、が早速封筒から何枚もの書類を取り出した。
「この事件は実は数ヶ月前から始まっていたのだよ。数ヶ月前から調査しているにも関わらず殆ど分かっていないのだ」
確かに、書類を見てみると、殆どの報告書は白紙状態だった。だが、こうして書類を見てはあることに気が付いた。




















「・・・ですが、顔は分かっているみたいですね・・・名前も」






















 そう。は手元にある書類の内、一枚の紙を出した。そこには名前と共に顔写真まで載っていた。
「何故こんなにも確実な情報があるのに事件の調査に進展が無いのですか?」
「そこなのだ、問題は」
「え・・・?」
深いため息と共に出てきた言葉には首を傾げた。

「そう。犯行当時、犯人は団体でその主犯の顔がそこにある男・・・マクフェザー・ザリクス。すぐに身元が分かったので我々はすぐに捕まえようとマクフェザーの自宅へと軍を向かわせた。しかし・・・マクフェザーの自宅へと向かった軍人は誰も帰ってこないのだ」

「な・・・誰も、ですか?」

 信じられなくて聞き返すと、大総統は頷いた。
「そこに書いてある報告内容はこのセントラルで起こった事件や人物・・・そして手口などだ。捕らえるには十分な要素があるのだが、軍人では歯が立たないのだ」
「なら、国家錬金術師を・・・!」
そこまで言っては大総統が何を言おうとしているかを理解した。










「・・・私が向かうのですか?」





「君でなくては駄目なのだ。私が知る限り、君くらいにしかマクフェザーを捕らえることが出来る人物は居ないのだよ」










 は自分の実力を分かっているつもりだった。勿論上司である大総統も。だからこそ大総統がを選ぶほどその人物は手強いという事になるのだ。
「仕事を引き受けてくれるだろうか、ファミリア大将」




















「わかりました・・・私でよければ」






















 そう言ってはそのマクフェザーに関する書類を纏めた。その動作を見ながら大総統が声をかけた。





「もし、君が帰らなかったら・・・打つ手はなくなるのだ」

「わかってます、大総統。私が何とかして捕らえてきます」





 がそうハッキリ言って、その部屋を出て行った。静かになった部屋で大総統が一人長く息を吐いた。















「・・・ラース」

「此処には来るなと言っておいたはずだが・・・ラスト」

 静かに歩いてきたのはラストだった。





「貴方が何を考えているか分からないけど・・・大丈夫なんでしょうね?」

「どういう意味だ?」

「マクフェザーが死んだらどうするの?あいつも大事な人柱・・・」

「そんなことか・・・より良い人柱がどちらか決め、不出来な人柱を切り捨てる。ただそれだけのことだろう」

「まぁいいわ。また私は鋼の坊やを見てくるわ」





 そう言ってからラストがまた闇の中へと消えていった。それを見送る大総統は、立ち上がり部屋を出て行った。閉めた後、誰も居なくなった部屋の闇が広がった気がした。


















あとがき
 はい…新しくなり、セントラル編ですっ!!!
あー…ロイがいないよう…書き辛い(笑)

                                       2006.03.24



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