ドリーム小説

猫から始まる出会い



 家に帰っても暇なので夜まで時間を潰そうと街をブラブラしていた。いつもと同じように猫のと歩いていると、ポケットの中の携帯が鳴った。仕事用と友人用で着メロを分けているので聞いただけで誰なのかがわかった。そう思うと、うんざりしながら携帯を開けてメールを確認する。











『[件名]やっほぃ♪

 [本文]何時間かぶりvvさっき、ほかの人も仕事引き受けてくれたからメールで報告してます!明後日に仕事を始めるからその前に準備とかしておいてね〜!あと、集合場所は、現地でいいかな?じゃ、後で詳しく地図と時間を教えるから!ばいば〜い!!』
















 その文章を見てやっぱり・・・とため息をついて携帯を閉じる。
『どうかしたの?』
が何事だ?と思ったらしく、に視線を向けた。すると、は落ち込み気味らしく、少し声のトーンを下げて話す。
からの仕事のメール。大学でも言われたけど、マジでやるって思うと・・・あの子の仕事は大変なことばかりだから」
仕事の準備のために来た道を戻ろうと方向転換をして歩き出す。すると、がクス・・・と笑った。
「・・・何?」
『いえ?ただ、そんな大変な仕事を任されるなんて・・・よっぽど信用されているんだと思ってね』
「ふぅん・・・そんなもんかね?」
興味なさそうに言いながら帰り道を歩く。はもうそれ以上は何も言わずにただ黙ってに付いて行くだけだった。






『・・・あ』






 いきなり歩く足を止めて走り出したのはだった。突然のことでは驚いて一瞬呆然としていた。
「え・・・ちょ、どうしたんだよ!?」
何故かは分からないが、のあとを追って走り出した。その方向は、自宅とはまったく違う方向で、心の中で『帰りが遅くなる』とのんびり考えていた。


























 を見失いそうになりながらも辿り着いたのは、無限城付近の裏路地だった。こんなところにどんな用があるのかと考えながらを捕獲。



?あんた、こんなところにどんな用があるんだよ?」

『ちょっと私、興味がある人がいてね。その人が近くにいる気がしてここまで来たの』





「人って・・・あんた猫だろ?」

『うるさいわね。猫だって人に恋をするときがあるんだから』





 ムッとしたのか、の腕の中からするりと抜けて歩き出した。それをまた追おうとしたらすぐに人影が見えた。は驚いて立ち止まり、はどうやらその人がお目当ての人物らしく、飛びつくように駆けていった。


























「・・・またお前か?」




























 声からしてどうやら男の人らしい。しかも『また』と言ったところでは何回もその人に会っていると思われる。は誰なんだ?と思いながら声をかけた。
「あんた、誰?」
その声に驚いたらしい男の人は、から視線をの方に向けた。
「あ・・・こいつ、お前の猫か?」
逆に聞き返しながらを離す。
「さぁ・・・こいつが勝手にオレに付いてくるだけだから・・・それより、オレの質問に答えろよ」
「そりゃそうだな。けど、人にモノを聞くときはまずお前からだろ?」
なかなか名前を言わない男の人に少しイラつきながらもはそれもそうだと思い、名前を言う。
「オレは。で、こいつは・・・」
「そいつはって言うんだろ?」
は驚いた。自分はまだこの猫の名前を言っていないのにぴったり当ててきたのだ。呆けていると、男は思い出したように自分の名前を言う。
「そういえばまだ俺の名前言ってなかったな。俺は冬木士度」
「あぁ・・・それより、何でこいつの名前知ってるんだ?」
当然の質問をする。士度はそれに素直に答える。





「俺は動物の言葉が分かるんだ。だから、こいつの名前もこいつ自身から聞いたんだ」





 動物の言葉が分かる人なんて信じられなかった。自分は、気があるやつだったら分かるというのに、この士度という人物は動物の言葉が分かる。驚いていると、の肩に乗ってきた。



、私、そろそろお腹が空いたの。早く帰りましょう?』

「・・・このわがまま猫」

「そいつ、お腹空いたって?」



 士度が少し笑いながらに聞いた。は呆れながらもの喉を撫でる。

「そ。しかも、それが理由で帰りたいだなんて言い出す。猫の中でも最もわがままだとオレは思うな」

「お前も・・・動物の言葉が分かるのか?」

 士度が驚いた声を出してに聞いてきた。はえ?とか思いながら次の瞬間に理解した。
「違う違う。オレは、気が合う奴の言葉なら分かる。とは気が合うらしくてこいつがオレに伝えたい言葉が分かるんだ」
を見ながら話していると、はっと気が付く。自分は初対面の人間に此処まで話しているなんて・・・と。
「・・・まぁ、あんたには関係ないだろうけどな」
誤魔化すようにを肩に乗せたまま帰ろうとした。


























「関係なくても嬉しいもんだよ」




























 士度が言った言葉に耳を疑った。



「何が嬉しいんだ?」

「お前みたいに動物の言葉が分かる・・・動物の『声』に耳を傾けてくれる奴がいてくれることがだ」

「だから、オレは・・・」

「気の合う奴とだけって言っても、その猫が認めるんだから本当はお前、いい奴なんじゃないのか?」



 ハッキリと言われるのは正直初めてで、どういう返事をすればいいのか分からずに立ち竦んでいる。そんなの様子を気にしないように士度は言葉を続けて踵を返す。










「俺には関係ないが、女が『オレ』なんて言わねぇ方がいいぞ?」



「本当にお前に関係ねぇ!!」












 余計なお世話的な言葉に反論するを見て士度は後ろ手で手を振って去って行く。





















『・・・ね?カッコイイでしょ?』


「何処がだ・・・ほら、帰るぞ」























 は士度のことを『不思議な奴』と思いながら真っ直ぐ自宅へと向かった。



















あとがき
 やっと…やっと登場したよ、士度が!!!!!
大好きだよ、士度vv
もうこれからたくさん出てきてもらう予定だよ!!(←結局は予定どまり)
                                            2005.03.11



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