ビジネス数時間前
仕事の日の朝、は携帯の着信音で起きた。もぞもぞと布団の中で動いていたらに『気持ち悪い』とお腹辺りを踏まれたので仕方なく携帯を取った。だが、起きたばかりで少し思考が鈍っていたのか、携帯のディスプレイを見ずに電話に出た。
「はい・・・?」
『おっはよう!もう起きてた?』
「・・・か・・・お前、今何時だと思ってんだ?」
そう、この時の時間はまだ朝の五時前。しかも、前日に仕事が入っていないのか調べていたら夜中まで起きる羽目になったにとっては地獄のように早い時間なのだった。
『分かってるって♪それより、今日仕事だって分かってる?』
「あぁ」
『そ?ならよかった!はいつもはちゃんとしてるのに、時々油断してて忘れてる時があるから心配で心配で・・・』
「それだけのことで電話してきたのかよ;」
『ま、への愛?』
「気色悪いこと言うな!!」
『あはははは☆ま、気にしないでよ!それから、集合場所とか送ったけどわかるよね?』
言われてはパソコンを立ち上げてその場所と時間を確認してみた。
「・・・あぁ、平気だよ。そこまでオレは方向音痴じゃねーし」
『よかった〜♪じゃ、時間に遅れないで来てね!!』
「はいはい」
呆れたように返事をすると、電話の向こうで満足そうに『バイバ〜イ』と元気な声が聞こえてその後に機械音が鳴り響いた。それを数秒聞いてからは電話を切った。
『あのって子から?』
それまで大人しかったが聞いてきた。
「あぁ、仕事の最終確認。場所が分かるかとか聞いてきやがって・・・」
また布団に潜ろうとベッドに腰掛けると、がテーブルの上のパソコンを見て集合場所を見ていた。
「どーかしたのか?」
『私、この場所知ってるわ』
「は?」
『ほら、この前会った人!士度サン!あの人が結構入ってた場所だから分かるの』
「・・・・・・あぁ、あの失礼極まりない奴か」
『失礼極まりないって何よ!』
が少し不機嫌になったが、話を続けてくれていた。
『あの人にまた会いたいから私も付いていってあげるわ♪』
「あー、そりゃどーも」
『ココロが込もってない!?』
はもうどうでもよくなってきて適当に相槌を打つことにした。その間もは何かを叫んでいたが、は目が覚めてしまったのでコーヒーを飲むことにした。
「、ミルク飲む?」
『勿論♪』
「・・・・・・」
機嫌が直ったを尻目にミルクを用意し始めた。
あれから数時間後、はの道案内のおかげで難なく待ち合わせ場所に辿り着いた。
『ほら、此処』
「・・・あ、前に来たところか」
『狽サうだった!一回来てたじゃない!』
「オレ、忘れてた・・・」
『・・・まぁ、一回だけだし。仕方ないわね・・・入りましょう』
二人(一人と一匹)はドアを静かに開けた。
カラン、とドアのベルが鳴ると、そこには今回の仕事のメンバーだと思われる顔ぶれがあった。のことを見つけたが駆け寄ってきた。
「時間通りに来てくれた!ありがとう♪」
「うっさい。それよりも、もうこれで全員なの?」
「え?あぁ、まだあと一人来てないよ?」
「・・・誰?」
そんなことを聞いていると、金髪の男が駆け寄ってきた。
「うわ〜!君、綺麗だね!!あ、俺は天野銀次!名前はなんて言うの?」
元気がいいらしく、質問をどんどん言ってきた。それに少し驚きながらも仕事の仲間だし、と自分の自己紹介をすることにした。
「・・・オレは。運び屋をしてる」
「へ〜!じゃあ、今回のフルート奪還の仕事の関係者だね!」
「フルート・・・それが親の形見?」
「え、形見??」
銀次はキョトンとした顔をに向けた。もあれ?と言った顔をしてを見た。すると、即座に顔を逸らされた。
「・・・?」
「ぅぁー・・・;;;;」
気まずそうな顔をしているを見て何かを確信した。それを見てはもう一度銀次を見た。
「なぁ、あんたが聞いたのはどんな仕事の内容だ?」
「え?仕事の内容は、依頼人の夫がオーケストラでいつも練習で使っていたフルートがライバルに自分が使っていたフルートとまったく別のものにすり替えられちゃってて、それを奪還するって仕事でしょ?」
「・・・そうだったなぁ??」
呼ばれた本人はギクッとしながらに笑顔を向けた。
「じゃ、オレは帰る」
「ちょ・・・ちょっと待ってよ、!!」
は慌てての向かう出口のドアを塞いだ。は更に機嫌を悪くしたらしくを睨んだ。
「オレは親の形見だって聞いたから仕事を引き受けたんだ。それが男のフルートの奪還?冗談じゃない」
「けど、一回仕事引き受けたんでしょ?だったら・・・」
「こんなの詐欺だろ?」
一歩も引こうとしない。無理矢理をどかしてドアを開けようとしたその時。
「お前もプロなんだろ?」
初めて聞く声が聞こえた。静かに視線だけを向けた。そこには、紫のサングラスをした男がカウンターに座っていた。
「一回引き受けた仕事、こなしてみろよ」
「・・・あんたは誰だよ?」
ムッとしたはそう聞き返した。すると、タバコを取り出しながら名前を言ってきた。
「俺はゲットバッカーズの美堂蛮様だ」
名前を聞いて背筋がゾクッとした。
「(・・・こいつが・・・!!)」
『あの『毒蜂』を倒した犯人探しかい?』
『・・・『奪還屋・ゲットバッカーズ』の美堂蛮』
「(毒蜂を殺した奴・・・)」
はそれを聞いてか分からないが蛮を睨んでからカウンターの端に座った。それを見届けてから銀次はに声をかけた。
「ねぇ・・・ちゃんってあんなに怖い子なの?」
「んー・・・いつも以上だね・・・何かあったのかな??」
そんなことを話していたら、ドアが開いては驚いた。
「あ、悪ぃ。時間ギリギリだな」
「士度だー♪」
銀次は笑顔で士度を出迎えた。
「・・・士度?」
小さな声が聞こえたと思ったら、黒猫が士度の肩に乗ってきた。士度は猫が落ちないように支えながら驚いた。
「あ?何でお前が此処にいるんだ?」
は首をカウンターへ向け、士度にカウンターを見るように言った。士度は大人しくカウンターに視線を向けると・・・。
「あんた・・・」
「・・・どーも」
呆れたように顔を下に向けながらは挨拶をした。
「あれ・・・二人とも知り合いなの??」
銀次が聞くと、士度は『ちょっとな・・・』と答えただけだった。も気になったが、これで全員揃ったということで仕事の話を始めようと全員を一箇所に集めた。
あとがき
やっと…やっと二人が揃った!
しかも、久しぶりで皆様が覚えているのかどうか不安な状況…;;
もし、覚えていなかったらもう一度読んでください…(涙)
2005.05.09
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