情報屋
暑い日が続く夏休み。遊ぶ時期と同時に金を溜める時期でもあるこの長い休みは今ここにいるにとってはまさに天国。
「よっしゃ!!大学と言ったら高校とかよりも休みが長いし金も溜まる!ってことで仕事仕事♪」
はファミレスに入るなり大きな鞄からノートパソコンを出した。
「クライアントはいってるかなぁ〜」
画面には沢山の名前が入っていた。それは、顧客リスト。
このの仕事とは『情報屋』である。調べて欲しい情報を即座に見つけ出して依頼人に報告するという簡単な仕事。だが、中には危険極まりない仕事などもあるので要注意。がこの仕事を始めてもう二年になる。最初はあまり依頼人が来なくて苦戦してたらしいが、自分の師匠とも言える人一緒に仕事をして手順を覚えてからだんだんとこの仕事に慣れていったのだ。
「・・・お、コレなんか直ぐにできそう」
一人一人依頼内容を見ていたら、簡単そうなものに引っかかった。その内容は、ある豪邸の見取り図とその警備システム。
「えーっと・・・この住所は・・・っとあったあった」
流石はベテラン。あっという間にその豪邸の見取り図を手に入れた。次は警備システム。どうやら殆どパソコン任せらしくパスワード式が多かった。
「げ、面倒だなぁ・・・」
そう言いながらもキーボードを打つ手は止まらない。
「さぁてと、此処まで来たら様特製ディスクの出番です♪」
独り言が多い。だが、そんなことを気にせずは何かのディスクを読み込んだ。完了すると、画面に可愛らしいハートのアイコンが現れた。
「がんばってね、様二号!」
言うと同時にそのアイコンをダブルクリックした。その瞬間、画面に沢山の文字の羅列が表示された。忙しなく動く文字を見るのは疲れるのでは冷たいコーヒーを頼んだ。ウェイターがの注文を取り終わって立ち去ったとき、『ピピッ』という機械音が流れてきた。
「あ、終わったみたいだな」
画面に視線を戻すと、可愛らしいウサギがハートを抱えてこちらに手を振っていた。
「ありがとねぇ、様二号」
そのウサギをダブルクリックすると『バイバ〜イ』と言うように手を振ってウサギは消えた。代わりに出てきたのは見取り図の上に何か赤いポイントが表示してある図。どうやらこれが警備システムらしい。赤いポイントをクリックすると、その解除システムや起動システム、その警備システムは感熱性なのか、赤外線か。その全てがそれぞれのポイントに書いてある。
「ちょろいちょろい♪」
はそれをCD−ROMに保存してノートパソコンを閉じた。
「おまたせしましたー」
ウェイターが頼んだコーヒーを持ってきた。
「仕事の後のコーヒーは美味しいv」
そんなことを言いながらは平和な一時を過ごした。
依頼通り済ませたは、いつものように知り合いの運び屋に運ばせた。
「・・・あんた、もう仕事済ませたの?」
「そうだよ?だから、に運ばせるの!」
このという女性もと同じ大学で、夏休み中に仕事をして金を溜めようとしている一人だった。二人は何故か気が合うらしく、に仕事が入ると決まってが運んでいた。
「わかった・・・じゃ、これをここに運べばいいんだな?」
「うん。あ、報酬はクライアントから私の報酬の三割を貰ってね?」
「あぁ、んじゃ」
そう言っては立ち去った。
「・・・はぁ、って綺麗だよなぁ・・・私も綺麗になりたいな・・・」
はそんなことをぼやきながら自宅へと向かった。しかし、そこは無限城近く。というか、裏新宿。物騒だと聞いていたが、が裏新宿付近に住んでいるので仕方がない。
「うぅ・・・私が襲われたらの所為だからね〜・・・」
こんなことを言っているが、情報屋の仕事上、最低でも護身術ぐらいは持っていないと生きていけないだろう。だから、もその辺のジャンクキッズに片手で勝てるくらいの実力は持っている。
幸い、誰にも絡まれずに済んだはほっと胸を撫で下ろした。
「・・・あれ?」
見慣れない喫茶店を見つけた。
「えーっと・・・『HONKY TONK』?聞いたことないなぁ・・・」
興味を持ったはカランッとホンキートンクのドアを開けた。
「こんにち・・・ってぇ!!?」
店に入った瞬間、何かが目掛けて飛んできた。一応避けたが、おそるおそるその『何か』を確認した。
「・・・な・・・フォーク!?」
「だぁから!!てめぇはそれ、さっきも食っただろうが!!」
「でも、これは蛮ちゃんさっきいらないって・・・」
「うるせぇ!口答えするな!!」
怒鳴ろうと入ってみたら、男二人が一つのピッツァを巡っていた。何だろう・・・とても自分が入れるような状況じゃない・・・とが店を出ようとしたら・・・。
「あ、いらっしゃ〜い!お客さん?」
可愛らしい女の子がに話かけてきた。
「(可愛い!!?)」
エプロンをして『お客さん?』と聞いてきたことからきっとこの店のウェイターなのだろう。
「えっと・・・このフォーク、飛んできたんだけど・・・」
「あぁ、さっきから蛮さんと銀ちゃんが戦ってるからですね〜。すみませんでした」
「あ、いいえ・・・」
「夏実ちゃん?お客?」
奥から声が聞こえて夏実と呼ばれた女の子の肩越しに視線を向けた。カウンターで新聞を読んでいる男の人がいた。何故男二人の喧嘩が目の前で繰り広げられているのに平然としていられるのだろうか・・・。
「あ、マスター!そうなんですよ〜」
いつの間にかお客様にされた(いや、最初から入るつもりだったが)。
「すまんね。この二人は気にしなくていいから入りなよ」
優しい声だなぁ・・・とか思いながら夏実に引っ張られカウンターに座った。
「で、何か飲むかい?」
「えぇ・・・じゃあブレンドで」
「はいよ」
新聞を畳んでコーヒーを作り始めた。カウンターに座って気が付いたが、BGMが流れているらしい。だが、の直ぐ横で騒いでる二人の所為でその静かなBGMも聞こえない。
「んあぁ!!蛮ちゃんがオレのピッツァ奪った!!」
「へっ、ばぁか!『奪還屋』なんだから当たり前だろうが!!」
奪還屋!?
「え・・・二人組みの奪還屋って・・・もしかして『天野銀次』と『美堂蛮』!?」
「「え?」」
突然名前を呼ばれて蛮と銀次の動きが止まった。
「・・・あ、ゴメンナサイ・・・;」
「うわぁ、君、可愛いね!!名前は?何でオレ達のこと知ってるの?」
「え・・・あの!?」
銀次がを見てはしゃぎ始めた。銀次が近づいて驚くだったが・・・。
―ゴッ―
銀次の頭に蛮の拳がヒット。そのまま銀次は頭を抱えてしまった。
「おい」
声を掛けられて視線を上げると、蛮がを睨んでいた。
「てめぇ、何者だ?」
その『俺様的発言』が気に入らなく、負けずにも蛮を睨んだ。
「・・・私は。!貴方達が『奪還屋』をやっているのと同じく『情報屋』をやってるの」
「情報屋だと?」
「まぁ、私がこの情報屋を始めたのは貴方達と同じく二年前だけどね」
の発言に蛮は驚いた。
「何で俺らが二年前に始めたって・・・」
「そんなの、私は情報を武器として仕事をしてるんだから。そのくらいの情報なら手元にあるわよ。それに、そっちの天野銀次クンとは『雷帝』ってことで有名だしね」
「わー、波児もだけどちゃんも凄いね!」
「え、波児?」
「マスターのことですよ!」
は視線を蛮から波児へと変えた。波児は視線に気が付いてに『にこっ』と微笑んだ。
「もしかして・・・王波児・・・さん?」
「そうだけど?」
まさかここでこんな大物に会えるとは思わなかった。『何でも屋・王波児』・・・結構の中で憧れ的存在だったのだ。
「わー!!こんなところで会えるなんて嬉しいです!!」
突然騒ぎ出したに驚いた一同は固まってしまった。それに構わずは喋り始めた。
「あの、私貴方に憧れてこの世界に入って・・・それで、私の師匠にも話を聞いて・・・絶対に会いたいと思ってたんです!!凄い!こんな近くでしかも会話しちゃったよ!!感動過ぎ!!」
「お・・・落ち着きなよ。ほら、コーヒー」
「あ、ありがとうございます!!波児さんが淹れたコーヒー飲めるなんて幸せです!!」
「そりゃよかった」
「そうだ!これからもこちらにお邪魔していいですか?私、波児さんとお話したいんです!!」
はそう話して波児に詰め寄った。波児は勢いに押されてOKしたのだ。すると、またははしゃぎだした。コーヒーを味わって飲んでから店を出ようとした。
「それでは、私はこれからまだ仕事が残っているので失礼します!波児さん、また来ますね!!」
カランッとドアが閉まった。
「・・・何だったんだ・・・?」
「でもさ、可愛かったよ!ちゃんかぁ・・・覚えておこっと♪」
蛮が呆気にとられていたら銀次がそう嬉しそうに言った。
コレがこの人たちとの出会い
この出会いは
偶然?
必然?
それとも・・・
運命?
あとがき
GBドリーム始動!
ということで、始まりました。
えーっと…実は、ここに出てきたご友人様。
以前オレのもう一つのHPで連載させていたものなんですが…ドリームにしちゃいました☆
そちらと比べながら見てもいいかもしれませんねvv
2004.08.22
2004.09.05訂正
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