お仕事♪



 大学独特のチャイムが鳴った。それと同時には立ち上がって大学を出た。
「全く・・・」
そうぼやきながらは何処かに電話をしている。暫く呼び出し音が鳴っていると、聞きなれた声が聞こえた。
『もしもし』
「あ、?私だけど、今日の仕事、分かってる?」
『わかってるって・・・それよりも?』
「ん?」
『あんた、しっかり勉強しなよ?オレは点数取れてるからいいけど・・・』
「あぁ・・・うん;まぁ、とにかく仕事がんばってね!!」
『はいはい、じゃーな』
そこで電話は切れた。は携帯をポケットにしまって走り出した。向かう場所は先日知った喫茶店。





 ―カランッ―





「こんにちは!!」
入ってすぐ目に入ったのは銀次。何故かカウンターで食器を洗っている。
「・・・天野君?何やってるの??」
「ぅん・・・オレ達ってツケが溜まってるんだ・・・この店で飲んでたコーヒー代とか食事代・・・それで暇なときはこうやって手伝ってるんだ」
何だか悲しそうに言う銀次だった。はそのまま銀次の前に座った。
「ふぅん・・・天野君も大変なんだねー」
そう言いながら頭を撫でてあげる。すると、銀次は嬉しそうな顔をした。つられても笑顔になった。
「えへへ。あ、オレの事『銀次』でいいから!ちゃんって可愛いよね!」
「え?そう??別に普通だと思うけど・・・」
「そんなことないって!ほら、学校とかで人気あるでしょ?」
「いや?私よりも私の友達のほうが綺麗で人気があるよ」
そんな会話をしていたら、入り口のドアが開いた。
「・・・あぁ、来てたんだ」





「あ、波児さん!!」





 は嬉しさのあまり大声で言ってしまった。
「こんにちは!!」
「あぁ、いらっしゃい」
波児と挨拶できて嬉しいのかの顔が赤くなってしまった。そんなことに構わず波児は買ってきたものを整理していた。
「あ、手伝いますか?」
「いや、大丈夫だよ。ちゃんはお客さんなんだからゆっくりしてってよ」
こんな心遣いがうれしいのかは一人で悶えていた。





「なーにやってるんだよ、気色悪いな」





 ムカつくことを言われて声のする方を睨んだ。そこにはやはりムカつく奴がいた。
「・・・何よ美堂蛮。波児さんと話せて嬉しいんだからいいじゃない!」
「けっ」
蛮はそのままカウンターに座った。勿論、と一つ間隔を空けて。は蛮にムカつきながらもパソコンを広げた。
「そういやーお前、情報屋なんだっけな」
「そうだけど?」
蛮の質問に答えながらもキーボードの手は止まらない。そんな慣れた手つきに思わず見入ってしまう蛮と銀次。
「あ、あったあった」
が嬉しそうに画面を見た。蛮もついでに覗き込んだ。

「何だよ、この膨大な数の名前は」

「え?顧客リストだよ?」

「お前・・・こんなにいるのかよ!!」

「だぁって、折角のお客様だし★あ、これから仕事するから邪魔しないでね♪」

 はそう言って依頼内容を確認し始めた。
「・・・あ、コレがいっかな」
何か仕事を選んだのだろう。決まったらその内容を読み始めた。蛮も盗み見た。




















 依頼内容は、簡単なもの。ある運び屋からの依頼だった。大型の車を使うのだが、それでもスムーズに行ける道を教えてほしい。しかも、誰にも気付かれないようなルートを。ということだった。
「ふーん。ま、この人の報酬って高いしいっか」
一人で納得してすぐさま仕事に取り掛かる。鞄をごそごそと探って一枚のディスクを取り出す。
「・・・何だ?それ」
「え?このディスクは様二号!」
誇らしげに言った後ディスクを読み込む。すると。
『コンニチハ!チャンダヨ★』
可愛らしいウサギが出て手を振っている。
「あ、可愛いね!」
銀次が画面を見た。もその反応に同意してその近くにあるハートのアイコンをダブルクリックした。すると、驚くくらいの文字の羅列が流れてきた。
「な・・・!?」
「何?これで暫く待てば・・・」










―ピピッ―










「あ、帰ってきた」
はウサギの持っているハートをクリック。すると『バイバ〜イ』と可愛らしくウサギは去っていった。それと同時にある地図が表示されていて、そこには赤いラインが引いてあった。
「よっしゃ。あとはコレをフロッピーに入れて〜・・・っと。これで私の仕事は終了!」
「え?もう??」
「うん」
銀次が意外そうにそう言った。まぁ、身体張って仕事をしてる銀次や蛮にとっては簡単すぎるものだろう。
「それでだけでいくら貰ってるんだよ?」
「人にもよるけど・・・この人の場合、最低でも20万、過去最高で1000万貰ったよ?」
「な・・・!?」
「えー、情報屋ってそんなに儲かるの?」
「さぁ?でも、貴方達だって儲かってるはずでしょ?高度な依頼をいくつもこなしてるんだし」
その言葉が痛かったのか、銀次はたれて蛮はそっぽ向いてしまった。
ちゃんちゃん」
波児に呼ばれて思いっきり振り向いた。
「あのね、蛮達は確かに腕は立つんだけど・・・金運がなくて・・・」
「・・・あぁ、そういえば波児さんにもツケがあるって・・・」
の目の前にたれて落ち込む銀次と密かに涙を拭っている蛮の姿があった。
「何だか・・・憐れねぇ。仕事は銀次達の方がレベルが高いのに金運に見放されてたら・・・」

























この日、のデータファイルに
『ゲットバッカーズは確かに実力はあるが、金運がないようだ』
と書き記された。
















あとがき
 何でだろう…本当はもっとこう…フレンドリーに…ι
あ、とにかくこの子は波児が大好きだ!!ってことが分かりましたね!!
はい、次からはもっと他の人物とも絡ませたいと思います。
                                  2004.08.22


ウィンドウを閉じてください。