意外な人物
仕事も順調な。丁度報酬も入って気分は上々♪そして、またホンキートンクで寛いでいます。
「・・・はぁ、波児さんの淹れたコーヒーおいしいですね!」
「そういってもらえるとこっちも作りがいがあるよ」
「えへへvv」
何だかほんわかムードの二人。
「けっ。なぁにが『えへへ』だ。気色悪いって言ってんだろ?」
「何よ!いいじゃないの!!私は一仕事終えて寛いでるの!美堂蛮なんて仕事来ないじゃない!」
「何だと!?俺は仕事を選ぶんだよ!!悪いか!」
「そんなこといってるからいつまでもここのツケが払えないんでしょー!!」
そんな口論をしていると、何処からか機械音が響いてきた。それを聞いてが慌ててポケットに入っている携帯を取り出した。どうやらの携帯に電話が来たようだった。
「はい、もしもしー?・・・あぁ、いつもこっちに依頼してくれてありがとうございますー」
蛮はが電話をし始めてしまって暇になったらしい。波児にまたツケでコーヒーを貰っていた。
「・・・蛮、銀次はどうした?」
「あ?あいつならビラ配りしてる」
銀次に面倒ごとは押し付けてしまうこの男。波児は呆れながらも新聞に目を落としていた。話し相手がいなくなった蛮はコーヒーをズズッと飲んでいた。
「・・・あー・・・はい・・・え?今からですか!?・・・いや、こっちは暇です!・・・分かりました。それで、場所はどこですか?・・・・・・」
の電話を聞いていると、どうやら誰かと待ち合わせらしい。
「えぇ!?・・・あ、場所分かります・・・というか、今現在いますから・・・・・・はい、それじゃあ待ってますね」
そう言って通話ボタンが切られた。は携帯をしまって波児に申し訳なさそうに言った。
「あの、波児さん?」
「ん?」
「ここでクライアントさんと待ち合わせすることになっちゃったんですけど・・・まだ暫くいていいですか?」
「あぁ。ちゃんは蛮と違って俺の店に害がないからね。好きなだけいなよ」
「な・・・害って何だよ、害って!!」
「そのままじゃないか」
波児と蛮のやりとりが面白く、は笑っている。そんながまた勘に触ったのだろうか。今度はとやり取りをし始めた。
「小娘!てめぇまで笑ってんな!」
「いいじゃない。それに小娘ってやめてよ。私には可愛い『』って名前があるんだから!」
「何が可愛いだよ、可愛くねーよ!!」
その一言が嫌だったのだろうか、はいつもと違う睨み方をした。それには蛮も驚いて今まで五月蝿く喋っていた口が閉じ、忙しなく動いていた腕も止まった。
「可愛いのよ!」
何処か殺意の篭っている睨み。先程と違うに驚いていたが、いつもの調子に戻ろうとした。
「・・・名前じゃねぇ!お前が俺様をけなしたのがだなぁ・・・」
「蛮ちゃぁぁぁぁぁん!!!」
蛮が喋っている時に銀次が飛び込んできた。その勢いで銀次は蛮の脇腹にダイレクトに突っ込んだ。
「ぐはぁ!ってこら銀次!!てめぇ危ねぇ・・・」
「それよりも蛮ちゃん、助けて!!」
たれながら泣く銀次に唖然としただったが、直ぐに声をかけた。
「と・・・とにかくどうしたの?銀次」
「あ、ちゃん!!あのねあのね・・・あぁ!!それよりもちゃん!君も早く逃げて!!」
「え?」
「死神さんが・・・死神さんがぁ!!」
「死神??」
「おい銀次・・・まさか!!」
蛮は銀次が何に恐れているのか分かったらしく、蛮も少し焦りだした。しかし、には全く分からずカウンターでコーヒーなどを啜っていた。
「銀次、てめぇまた何かしたのか!」
「違うよ!オレはただ『おや銀次クン。これからホンキートンクヘ行くのですか?実は私も今から行くところだったんです。どうですか?一緒に・・・』ってところでオレ逃げてき・・・」
変なところで言葉を切った銀次。蛮とは不審に思って銀次の視線の先を見た。
「クス・・・こんにちは」
黒い帽子にコート・・・全身黒で統一した人物がドアのところに立っていた。肌は白く、顔立ちも麗人。その人を見て蛮と銀次が叫んだ。
「「あ・・・赤屍(さん)―――――!!」」
「今日もお二人でこちらにいらっしゃったのですね?」
『暇人』とでも言うかのような言い方にムカッと来たが、下手に手を出すと細切れになってしまうので抑えている。そんな蛮達を横切ってカウンターまで来た。
「こんにちは、さん」
「・・・貴方、確か赤屍蔵人・・・だよね?」
「えぇ」
「私、貴方と知り合いだっけ?記憶が正しければ初対面のはず・・・」
「・・・そうでしたね。私が赤屍蔵人。貴方への依頼のときは『J』と名乗らせていただいてます」
そこまで言ってが止まった。
「えぇ!!?」
「クス」
赤屍蔵人と言えば、裏世界で最恐最悪の運び屋である。その名を知らない人はまずいないだろうと思われる。もこの人物とだけは関わらないようにしていたが・・・。
「まさか・・・貴方がだったとはねぇ・・・」
「えぇ。貴女の腕は十分信用できるのであまり怖がらせたくなかったんですよ」
噂とは違うイメージ。怖いと言われていたがこうして話してみると意外と普通である。
「ちゃん!!あ・・・赤屍さんから離れて!!」
「殺されるぞ!?」
蛮と銀次はそう忠告してくれているが、はそこまで危ないか?と思ってカウンターから動かなかった。
「おや・・・心外ですね。私がいつでも何処でも人殺しをするとでも?」
「「思いっきりしてるじゃねーか(ないですか)!!」」
こんな二人の反応を楽しんでいるかのように笑う赤屍。だが、相変わらずぽかんとしているに赤屍は視線を向けた。
「そういえば、貴女は私だと分かっても怖くないのですか?」
「へ?何で?」
聞いた赤屍が逆に聞かれてしまった。それには蛮も銀次も・・・今まで我関せずだった波児でさえも驚いた。
「私は赤屍蔵人ですよ?」
「うん。さっき聞いたし、顔知ってるし」
「でしたら・・・」
「だから、それが何?」
今までの人は名前を聞いただけで逃げ出す。それか殺そうと立ち向かってくる。そのどちらかしか存在しなかった。赤屍はが逃げ出すと予想していたが、あまりにも落ち着きすぎている。
「確かに貴方は赤屍蔵人。年齢不詳で身長186cm体重86kg。誕生日は11月23日で血液型はAB型・・・ゲットバッカーズとは大滝詠一郎の依頼であるプラチナメロンの仕事で初対面。その時から赤屍蔵人は天野銀次・美堂蛮を好敵手とみなしている・・・あぁ、あと無限城のILの仕事でも一緒だったらしいわね」
黙々と話すに全員が驚くばかり。まさかここまで知っているとは思わなかった。初対決のこと、ILのこと・・・赤屍のプロフィールまで殆ど。少し間をおいてからが話を続けた。
「・・・でも、これは外面的なこと。それだけで貴方のことを評価するの?私はたとえ相手が殺人鬼だろうが冷血男だろうが・・・内面的なもので判断するの。さっき貴方と話したとき、全然怖くなかった。むしろ普通・・・何を怖がる必要があるの?」
はそこまで言うと笑顔で赤屍に話しかけた。
「あ、そうだ!!これから一緒に食事してくれるんでしょう?うわー、何がいいかなぁ。中華?和食?あー、でも洋食好きだし・・・」
最後の方はもう自分の世界に入ってしまっている。そんなに赤屍はクス・・・と笑みを零した。そんな赤屍を見逃さない蛮と銀次。
「・・・面白いですね・・・さんは」
小さな声で言ったが、近くにいた蛮と銀次の二人にはばっちり聞こえた。
「「(やばい・・・赤屍が興味を持った!!!)」」
二人は即座にと赤屍の間に入った。
「・・・どうかしましたか?銀次クン、美堂クン」
「ジャッカル・・・てめぇ・・・」
「か・・・ちゃんはオレが護る!!」
「俺は違うぞ。俺はあんな小娘どうなろうと知ったこっちゃねーがこの店が・・・」
その瞬間、蛮の頭にコップが命中した。
「誰が小娘だっての!これでも私はあんたたちと同じ18なんだからね!」
「なんだと!?」
蛮がつっかかろうとしたらいつの間にか赤屍がの隣にいた。
「さぁ、もう気にせず行きましょうか。さん」
「うん!あ、悩んだ結果・・・中華が食べたい!」
「分かりました。それでは皆さん、失礼しますね」
「あ・・・ちゃん!!」
銀次が二人を止めようとしたがそれは頭目掛けて飛んできたメスによって実行されなかった。後に残った蛮と銀次は閉まったドアを見届けていた。
「ば・・・蛮ちゃん・・・?」
「あいつ、やべぇ奴に興味持たれたな・・・」
赤屍情報追加
噂と違い、意外と優しくて綺麗な人でした。
あとがき
赤屍さんご登場!!
やったね、オレ!
赤屍大好きだ!!
あー…ぶっちゃけ、此処赤屍ドリにしたいなー。
でも、がんばるー。
2004.08.23
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