Blot ―Vol.2―



 はホンキートンクから出てすぐに携帯を取り出した。そのままアドレス帳を見て走りながら電話をかけた。機械音が二・三回鳴ったとき、聞き覚えのある声が聞こえてきたのだ。
『はい』
「あ、赤屍?私だけど・・・」
が電話をしたのは赤屍だった。
『どうかしましたか?というか、何故私の携帯の・・・』
「ふふふ・・・私を甘く見ないでよ♪それよりも、これからお話したいことがあるんだけど・・・時間ある?」
赤屍は密かに自分の情報が『それよりも』で片されたことに苦笑していたが、が言う『話』というものも気になったので承諾した。
『えぇ、ですが、夜になってしまうんですけど・・・それでもいいでしょうか』
「うん、十分だと思う。それじゃ・・・場所は・・・」
『折角なのでまたあの中華料理店にしませんか?』
赤屍の提案には少し考えた。しかし、ホンキートンクにするにしても夜なので迷惑がかかる気がして即却下。他の場所も考えたが、赤屍が知っているのかどうか分からなかった。
「・・・うん、分かった。それじゃあ、頃合い見て私そっちに向かうから」
『分かりました。それでは、失礼しますよ』
そう言って電話を切った。一応赤屍と連絡が取れたのでほっと一息。はそのまま仕事に備えて色々なモノを揃えに街に出た。





















 本当に、時間と言うものは早いものでが仕事の準備をしている間にもう日は落ちてきていた。時間は六時。は相手を待たしてはいけないと早目に約束の場所に向かった。
「・・・あ、赤屍!!」
八時になって赤屍が現れた。赤屍は店の前で待っていたを見て挨拶をする前に気になったことがあった。
さん、貴女いつからそこに?」
「え、今ですよv」
は心配させないように嘘をついた。まだ疑っている赤屍の腕を引っ張っては店の中へ入った。
「いらっしゃいませ」
中に入ると、綺麗なお姉さんが出迎えてくれた。赤屍はの肩をポンと叩き、前に出た。
「予約をした赤屍蔵人です」
「お待ちしておりました、こちらへどうぞ」
笑顔で赤屍とを案内する。やはり、場に慣れていないはかなり驚いていた。ついキョロキョロとしてしまう。赤屍は『面白いですね』とを見ていた。
「それでは、もう暫くお待ちください」
丁寧に『失礼します』と言って部屋を出た。と赤屍だけになった部屋は一瞬静かになる。
「・・・さん、それで、お話とは何ですか?」
赤屍はに席をすすめながら本日の目的を聞こうとした。は仕事の話をするのだとコクンと頷いてパソコンを開いた。
「今回は、仕事の話を持ってきたの。それで、内容だけど・・・読むのが面倒だから赤屍が読んで?
依頼をしている身なのになんて態度なのだ。だが、そんなが珍しい・・・というか、新鮮で赤屍はあまり気にしなかった。赤屍は目の前に出されたパソコンの画面に出ている依頼内容を読んだ。

























「・・・・・・これはまた・・・」



























 読み終わったらしく、視線をに移して呆れたように言った。
さん、私に他人の後始末をしろと?」
不機嫌そうに言う赤屍。だが、はクスリ・・・と笑ってしまった。
「何が可笑しいのですか?」
「だって・・・蛮と同じ反応なんだもん」
まだ笑いが収まらずにいる。赤屍は話が進まそうだったので自分から発言をした。
「貴女は何故私にこのような仕事を?確かに場所が無限城だということで興味は湧きますが、もともとの依頼が気に入りません。それに、このメンバーでしたらこの程度の仕事、簡単ですよ?」
赤屍の意見は正論だ。
「それに、私は『運び屋』であって『奪還屋』では・・・」





「分かってるって」





 やっと笑いが止まったは片手を上げて赤屍の言葉を止めた。続けては話をした。
「勿論、赤屍には『運び屋』として仕事をしてもらう。まぁ、赤屍は十兵衛と同じく待機組みなんだけどね」
「・・・どういうことですか?」
明らかに不機嫌だ。そんな様子の赤屍を知ってなのか、は態度を変えずに話をしようとしたが・・・。










「お待たせしました」










 お店の人が入ってきた。は嬉しそうにその方向に顔を向けてパソコンをしまった。だが、赤屍はまだ納得していなく、から視線を外さなかった。豪華な料理が並べられると、またお店の人は部屋を出て行った。足音がしなくなるまで待っては赤屍の方を向いた。
「今回は確かに厳選されたメンバーを用意した。本当は赤屍をメインメンバーに入れたかったんだけどね」
「でしたら・・・」



「貴方に『仕事』を忘れられては困るの」



 の視線は突然冷たいものになった。その変わり様に赤屍は驚いたが、平然を装って話を聞いた。
「無限城で貴方がただ殺しを・・・闘いを楽しむというだけで終わられては困るの」
「私がその辺のジャンクキッズで楽しめると思いますか?」
「確かにジャンクキッズごときに赤屍を楽しませるという確率は低い。けど・・・」

























―鏡形而だったら?―



























 思いもよらない人物の名前に驚いた。
さん、それはどういうことですか?」
「ただの可能性を言ってるだけ。あの人も無限城にいるんだからそういうことも有り得るってこと。まぁ、出会う確率は低いけど、その分貴方がこの仕事を忘れる確率は高くなる。それが嫌なだけ」
赤屍は確かに鏡との闘いを楽しいと思った。出来れば、最後まで闘ってみたいと思っている。だが、今のの言い方は・・・。

























「まるで、出てくると予言しているみたいですね?」



























 そう、可能性で終わるならメインメンバーに赤屍を入れたほうが能率的だ。しかし、それを頑なには却下している。はまた笑った。
「それはきっと気のせいだよ。未来のことなんて知るはずないじゃん?それよりも、貴方は待機組み。けど、私はこの仕事を貴方に参加してほしいの。引き受けてくれる?」
は春巻きを食べながらそう聞いた。





「私が引き受けないと言ったらどうしますか?」

「・・・その時はその時だね」





 今までの話の流れでは赤屍の参加は確実だと言っているようだったが、今の言葉はどうだろう。別にいなくても何とかなると言っているようだった。一体は何が言いたいのだろうか。本当に仕事のことを考えているのだろうか・・・赤屍がそう考えていると、が春巻きを食べ終えて再度聞いた。
「ね、場所は無限城だし・・・引き受けてみない?」
赤屍はが何を考えているのか分からないが、確かに無限城という場所に惹かれている。クス・・・と小さく笑ってに微笑んだ。
「・・・では引き受けましょう」
「マジ!?やった♪」
「ですが、明日とは急ですね」
「あはは、ごめんね〜?今朝来た依頼だからさ!!」
いつもの調子に戻った。赤屍は先程まで仕事の話をしていたなんて信じられないと思いながらとの食事を楽しんだ。










決戦は明日・・・















あとがき
 赤屍さん、お仕事引き受けてくれてありがとうvv
というわけど、赤屍さん、入りました♪

しっかし…自分がここまで文才がないとは…;
もっとみんなシンプルに出したいよぅ。
                                  2004.08.30


ウィンドウを閉じてください。