Blot ―Vol.5―
「やぁ」
「鏡形而・・・」
蛮達も鏡の登場に驚いた。何故彼がここにいるのか。そして・・・。
「久しぶりだね、」
何故と知り合いなのか。
「そうね、もう二度とあんたの顔は見たくなかったのにね」
なんだか険悪なムードの二人。蛮や銀次は結構と会っていたので驚きは他の人よりも多いだろう。いつも誰にでも笑顔を向けているが睨んでいる。
「やだなぁ、いつにもましてつれないな」
何だか面白そうに言う鏡。鏡が視線を外したらある人物と目が合った。
「やぁハニー!俺に会いに来てくれたんだね!!」
「な・・・近づくんじゃないよ!!」
鏡が目指したのは卑弥呼の近く。だが、卑弥呼は鳥肌を立てながら火炎香を準備していた。
「ハニーもつれないね。まぁ、そんなところがいいんだけどね♪」
卑弥呼はもう殆ど半なき状態で鏡を睨んだ。そんな光景に呆れて蛮が口を開いた。
「おい、ホストヤロー。俺らは仕事で此処に来てるんだよ。邪魔すんな」
「クス・・・そんなこと知ってるよ」
知ってて邪魔してんのかよ、と蛮と士度は鏡を睨んだ。
「君達が探してるものってコレかい?」
鏡がポケットから出してきたのは小さな箱だった。は自分のパソコンにある依頼品と見比べて同じだと言うことに気が付いた。
「鏡・・・どうしてあんたがそれを持ってるわけ?」
「そんなに俺のことが気になるのかい?」
「あんたじゃなくて、その依頼品!」
「これはね、ちょっと前にこのあたりで拾ったんだよね。まぁ、この無限城には馴染みない綺麗な包みだったから持ってたんだ。そしたらと会えたなんて、まさに運命?」
クスクス笑いながらにその箱を見せる。そんな態度の鏡が気に入らなく、は更に睨んだ。
「鏡、その箱をこっちに渡して」
「おい、・・・」
蛮が相手が悪いと判断しての肩に手を置いたが、すぐに離れる。銀次が『どうしたの?』と蛮の顔を覗きこんだ。蛮は黙れ、と銀次に目で言った。
「渡してもいいんだけどね・・・何だかそれじゃ面白くないじゃないか」
何が言いたいのか全く検討のつかない一同。士度と花月なんてもう何が何だか分からない。ただ、気をつけなければならないと緊張させていた。
「・・・鏡、てめぇ何が言いたいんだよ」
蛮が鏡を睨みながらそう聞いた。その質問を待っていたかのようにクス・・・と笑ってに視線を向けた。
「、分かってるかい?俺の要求は」
「・・・」
何となく分かったのか、は鏡から視線を逸らした。花月や士度もの様子の変化に気が付いてのすぐ隣に移動した。蛮と銀次も近くにはいたが、今度はの少し前に庇うようにして卑弥呼はの腕を引いてなるべく鏡から引き離すようにした。鏡はそんなみんなの様子をみて肩をすくめた。
「やれやれ・・・これだけ人がいたら大変だな・・・仕方ないか」
鏡は警戒心を強めている蛮達を見て今回は大人しく引き下がるよ、と一言言った。
「ちょ、依頼品!」
卑弥呼が思い出したかのように鏡に言った。
「あぁ、そうだったね。ハニーの頼みなら聞いてあげたいからねvvさ、これだよ」
いつの間にか卑弥呼の側にやってきて直接渡した。卑弥呼は驚きながらもを庇うようにして鏡からその小さな箱を受け取った。
「」
鏡は消え際にに一言呟いた。
「君はもう逃げられない」
「!!」
の肩がビクッと揺れた。すぐ側にいた卑弥呼はそれに気付き『大丈夫』との肩を支えた。クスクスという鏡の笑い声が聞こえなくなって全員が少し緊張を解いた。
「ちゃん、大丈夫!?」
銀次の声に驚いて蛮・花月・士度も振り返った。
「ぅん、大丈夫・・・」
顔を蒼くしたが卑弥呼と銀次によって支えられていた。驚いた三人はすぐに駆け寄った。
「さん?」
「おい、大丈夫かよ」
「、鏡に何かされたのかよ」
口々に心配の色が見える。は心配させたのか・・・と少し罪悪感を感じて笑顔を作った。
「大丈夫!とにかく、これで仕事は終わり!まぁ、鏡が来たことには驚いたけど・・・十兵衛さんや赤屍に悪いことしたね」
支えてもらってお礼を言ってから帰ろうとしたが。
―カランッ―
何人かの気配がした。士度は舌打ちをして文句を言った。
「こんなときに・・・」
「うるせぇ、猿まわし。さっさと片すぞ」
「分かってるって」
蛮と士度はお互い喧嘩腰で言い合ってジャンクキッズ達に向かっていった。流石に数が多いため、花月も参戦した。卑弥呼はが心配なのか、の側を離れなかった。
「卑弥呼さん」
「わかってるわ。ここは私に任せて」
戦いは始まった。勿論、蛮達は押している。こちらも卑弥呼がいてくれるため、は安全だが・・・。
「・・・!平気?」
「ぁ・・・平気だよ。それよりも卑弥呼さんも戦いに専念してね?」
明らかに平気ではなさそうなだったが、強がっているので卑弥呼も何も言わなかった。今はを早く安全なところへ連れて行くしかないと思った。
「(どうして・・・鏡形而が・・・)」
―君はもう逃げられない―
頭から離れない鏡の最後の一言。自分はもう自由なはずなのに何故か不安に思う。何かが自分の足に絡み付いているような感じがしてならなかった。
「死ねぇ!!」
の後から声が聞こえて振り向くと、男がナイフをに向けて襲い掛かってきた。
「!!」
卑弥呼が驚きお余り叫んだが、間に合わない距離だった。自分の弱さを悔やんでいるが、そんな暇は無い。すぐにの方へ駆け寄った。
「・・・るさい・・・」
「え・・・?」
卑弥呼は何か聞こえた。何かと思って瞬きをした瞬間、目の前に光景はガラッと変わっていた。
―バキッ―
「っがは!!」
声を上げたのはではなく・・・ジャンクキッズの男だった。の身体よりも大きい男がただ立っている女の前で倒れていたのだ。何が起こった?今の一瞬に何かあったのか?卑弥呼はただ呆然とするばかり。
「うるさいよ・・・あんたら」
背筋が凍ったようだった。の一言は、それほどの殺気を放っていたのだ。今まで見てきたは、明るく、元気で戦いとは無縁のような感じだったが・・・今の立っているの姿は、戦いになれているといった様子だった。
「・・・・・・?」
恐る恐るに近づくと、の顔が上がった。卑弥呼はビクッとしたが。
「あ、卑弥呼さん!そっちは終わりましたか?」
いつものだった。笑顔で卑弥呼にそう聞く。そんな姿にほっとしたのか、卑弥呼もいつも調子に戻った。
「えぇ、全く・・・数だけは多いんだから」
「あはは。しょうがないですよ。ここは無限城なんですから!あとの人は・・・」
「終わったぞ」
あたりを見回して蛮達を捜そうとしたら、士度が短くそう言った。も『そうなんだ!』と言っただけ。士度の後に不機嫌そうな蛮の姿があった。
「ったく・・・散々な目に遭ったぞ・・・コレで報酬が少なかったらただじゃおかねーからな?」
「分かってる。ま、早く此処を出ようか!十兵衛達も赤屍も待ってるだろうしね!」
はっと一同は気付いた。
「「(そうだ、十兵衛や赤屍もいたんだ・・・)」」
あとがき
…なんだコレ。
何て内容でなんて終わり方だ。
もう自分を呪うしかない;
2004.09.03
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