ドリーム小説











ありがとう、赤屍さん















白と黒 Vol.4











 私は急いだ。自分の為でもあるけど、一番は赤屍さんの為。仕事には成功してほしいし、早く帰って安心してもらいたい・・・私はその一心で無限城の見知った道を走る。無限城は足場が悪くて何度も転んで折角治った足がまた痛み始めたけど、気にしてられない。赤屍さんだって仕事頑張ってるんだから、私も頑張らないと。私は痛い足を我慢して走ったけど、その所為で感覚が鈍ったのか、足を滑らせて階段から落ちてしまった。





赤屍さんのフロッピーが!





 私はそれだけが心配でフロッピーを庇いながら階段の下まで落ちてしまった。





痛い・・・身体中が痛い・・・





 どうしてだろう、もっと早く走りたいのに・・・もっと赤屍さんの為に頑張りたいのに、身体がゆっくりしか動かない。頭と身体が別物みたいで嫌な感じがする。どうしたら早く走れるの?どうしたら早く赤屍さんのところに行けるの?私は何度も泣きそうになりながら走った。近道をして最短距離を走る。











―シュッ―










 聞き慣れた音が聞こえてきた。嗅ぎ慣れた血の匂いが漂ってきた。この感覚は知ってる・・・初めて赤屍さんに出会った時の匂い。凄く懐かしく思えて私はだんだん身体の痛みを忘れて、足が速くなった。赤屍さんが側にいるから早く会いたい、と。





赤屍さん、赤屍さん
早く仕事終わらせて一緒に帰ろうね





 私はそれだけを考えながら匂いと音がする方へ走った。すると、意外と近くてすぐに辿り着いた。私は赤屍さんを呼ぼうとしたが、目の前の光景に驚いた。





どうして・・・
何で?

何で赤屍さんが怪我してるの!?





 いつもなら無傷で帰ってくるのに・・・今日は何でか怪我してる。あの綺麗な顔に赤い筋が見えて、黒い服も切れて白いシャツが見える。


「クス・・・実に君とは戦ってみたいんですけどね・・・鏡形而クン」

「ジャッカルがいるって聞いたから来たんだよ・・・俺なら不足はないだろ?」

「確かにそうですが・・・今日は早く帰らないといけないんですよ」

「誰かと約束でもしてるのかい?」

「えぇ・・・」

























『とても大切な方と、ね・・・』



























 それが自分のことだと分かって凄く嬉しかった。凄く幸せな気持ちになった。さっき『鏡形而』と呼ばれた人が手からガラスの破片を取り出した。


「俺も仕事だからね・・・そろそろ終わりにしようか・・・」


赤屍さんと同じくらいのスピードで鏡形而が赤屍さんを攻撃している。私はこのままだと怪我をしてる赤屍さんが死んでしまう・・・と不安になって走り出していた。





嫌だ
絶対に嫌だ
私が大好きな赤屍さんが
また怪我しちゃう!





「ジャッカル、さっきの足の怪我が致命的なものになったね」

「・・・クス」















駄目―――!!















―ドッ・・・―




















 私の身体中に痛みが走ったと思ったら、次の瞬間、何も痛くなくなった・・・なんでだろう・・・それより、赤屍さんは無事?





「・・・・・・さん?」





あ・・・赤屍さんの声がする・・・よかった・・・無事みたいだね。





「ジャッカル、その子は?」

さんです・・・私が大切にしてきたもの・・・」





 赤屍さんから大切にしてきたって・・・大切にって言ってもらえた。それだけで嬉しい・・・。





「何故・・・アナタは私を庇ったんですか!?」





あれ・・・どうして怒ってるの?私・・・悪いことをした・・・?





「それに、何故此処に居るんですか!」





そうだ・・・私・・・赤屍さんにフロッピー・・・渡さなきゃ





 そう思って私は力が入らない手を伸ばしてフロッピーを取ろうとしたら、赤屍さんの手が見えた。





「・・・これを私に届けてくださったんですか?」





うん、そうだよ・・・赤屍さん、仕事で使うんでしょ?





「アナタは・・・どうして・・・」





 そこで赤屍さんは言葉を切って私を抱きしめてくれた。今まで私は赤屍さんに抱きしめてもらえなかった。きっと、手があれだけ暖かいんだから抱きしめてもらえたらもっとあったかくなるのかな、っていつも思ってた。





赤屍さん・・・やっぱりあったかいね・・・





 感じるはずのないぬくもりが私の身体を温めてくれた。





これが・・・幸せなのかな・・・





さん・・・さん!」





赤屍さんが私を呼んでる・・・何、かな?





「早く家に帰りましょう・・・まだ約束を果たしてませんよ?」





そうだ・・・私、赤屍さんと約束してたんだ・・・あのね、好きなもの・・・決まったよ・・・・・・赤屍さんと一緒にいる時間。だから・・・家に帰って・・・ずっと、一緒に居よう?





さん・・・行きましょうね・・・」





きっと優しい顔・・・してるんだろうな・・・ちゃんと、見たいのに・・・赤屍さんの顔が、見えない・・・・・・





「私を庇ってくださってありがとうございます・・・さん」





優しい口調・・・抱きしめながら私の頭を撫でてくれてる・・・・嬉しい・・・・・・赤屍さん・・・・・・


























ニャー・・・

『ありがとう・・・』

























私の意識はここで終わってしまった

赤屍さんの顔が見れなかったのが残念だけど

きっと

いつもみたいに優しく微笑んでくれてたよね・・・






赤屍さん

大好き・・・






















あとがき
 はい、驚きの事実!!(そう?)
実はヒロインさん、猫だったんでしすね!!
…もしかして、先が読めてましたか;?
                                  2005.07.24


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