Spiegel
ふと、鏡はあることを思い出していた。
「・・・?あぁ、今日は」
―俺の誕生日か・・・―
カレンダーを見てクス・・・と笑う。今は誰も祝ってくれない誕生日。しかし、昔は違っていた。ちゃんと祝ってくれる人がいたのだ。
鏡が暇そうに歩いていると。
「形而―!」
明るい声がして先程までの暇な気分が薄れていく。
「・・・やぁ、」
「形而!あのさ、今日って形而の誕生日でしょ?」
「・・・あぁ、そうだったね」
「もー!忘れないでよ!!」
は鏡が自分の誕生日を覚えていないことに呆れながらも鏡の隣を歩き始めた。
「それで、俺に何か用?」
「え、何か用がなきゃいちゃ駄目なの?」
「いや、そういうわけでは・・・」
「ならいいじゃん♪」
そう言うと、は嬉しそうに歩き始めた。いつもこんな感じで鏡はのペースに流される。しかし、これが嫌ではなく、寧ろ安心してしまうのだった。
「あ!形而!」
思い出したかのようにが大声を上げて鏡を呼ぶ。
「突然どうしたんだい?」
「はい、コレ!」
鏡の前に出されたのは、小さな箱だった。
「・・・これは?」
「誕生日プレゼント♪開けてみて!」
わくわくしながら鏡がその箱を開けるのを待っている。仕方ない、と鏡は箱を開け始めた。
「・・・あ」
そこに入っていたのはシンプルな作りのプレート型のネックレス。
「どう?形而、気に入った?」
心配そうに鏡の顔色を伺う。そんな行動が可愛いと思う鏡は笑顔でそれに答える。
「あぁ。このシンプルさが大好き。ありがよとう、」
「よかった!」
の笑顔を見るだけで鏡は心が暖かくなっていく。何とも不思議な感覚だった。早速つけようとネックレスを手にしたらプレートに何か彫ってあるらしい。
「・・・?何て読むんだい?」
英語とは少し違う気がしてに聞いてみた。
「あ、これ?これは『Spiegel』・・・『シュピーゲル』って言ってドイツ語で『鏡』って意味なんだよ?ほら、英語じゃ何だかありきたりじゃない?」
楽しそうに言う。
「クス・・・は可愛いよね」
「え、そう?」
「あぁ、俺はそう思ってるよ?」
「あはは、ありがとう、形而!」
が自分の隣で笑って色々な話をしてくれて・・・幸せな時間だった。この時間がずっと続けばよかったのに。
クス・・・と独特の笑いをする。
「あんなことが起こるなんてね・・・」
いつも持ち歩いているネックレスをチャリ・・・と手にする。あのときから変わらないのはこのネックレスだけ。
「何でだろうね・・・この俺があのときに・・・あのと一緒にいた時に戻りたいなんて・・・」
―自分らしくない―
そして、再びネックレスをポケットに入れた。
心の何処かでは・・・
戻りたいと願っていた
あとがき
何だか鏡誕生日なんだけど…暗ぁ…ι
また別で誕生日UPします…今度は明るくしたいです…。
本当に遅くなってすみません(涙)
2004.10.20
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