コウノトリの贈り物



 ある森の中。
「・・・ってぇな!猿!!」
「悟浄がそんなところで足伸ばしてんのが悪いんだろうが!エロ河童!!」
「あはは。そろそろ静かにしないと・・・」



―ガゥンガゥンッ―



「てめぇら!一日五分でいいから静かにしてみろ!!」
「「うわっ!!」」
「三蔵、ジープに傷つけないでくださいよ?」
「八戒!?」
「俺はいいのかよ!!」
騒がしい声が響いていた。それは・・・。



「自業自得でしょう?」
いつも笑顔のすっとぼけ兄さんの猪八戒。だが、その笑顔に時々黒いオーラが見え隠れする。



「ぅわ、それって冷たくない?」
紅くて長髪の男は沙悟浄。いつも女を見ると口説き、煙草と酒が好き。



「悟浄の所為で俺までとばっちり〜。それに腹減った!!」
小さな男の子は孫悟空。金色の瞳が印象的で小動物みたい。口癖は『腹減った』である。



「・・・」
この外見は美人なお兄さんは玄奘三蔵。見た目は綺麗なのだが、短気で機嫌が悪くなると『死ね』『殺すぞ』と言いながらハリセンか銃を相手に喰らわす。

























 一見、ばらばらに見えるこの四人(ばらばらだけどね)だが、こうして旅をしている。これでよく続けられるものだ。
「八戒〜、次の町ってあとどのくらい?」
「このまま行けばあと一時間くらいですね。もし妖怪にあっても今日中には入れますよ」
「マジ!」
八戒の言葉を聞いて悟空の目が輝いた。悟浄は『この辺りがガキだなぁ』と思いながら煙草を銜える。いつもの光景。いつものパターン。これが彼らの日常・・・だが。















『お前ら、ちょっと待て』















 何処からともなく声が聞こえてきた。四人は敵かと思い、身構えた。
『まぁ待てって』
そんな声と共に光が舞い降りてきた。突然のことで八戒は車のブレーキを踏んだ。その光の中には・・・。

























「「「「・・・」」」」

「よう、元気にしてたか?」



























 あまり思いたくないが、事実。自愛と卑猥・・・いや、慈愛と慈悲の神、観世音菩薩がそこにいた。驚いて声が出なかったが、何とか八戒が一人現実に戻ってきた。
「・・・えーっと・・・菩薩さま?今日は何故ここに?」
「あぁ、お前らの様子を見るのと・・・」
そこまで言って空を見上げた。それには澄み切った青空が広がっていた。ただそれだけ。
「・・・てめぇ、何しに来たんだってんだよ!」
三蔵が痺れを切らして観世音禪 菩薩に怒鳴った。そんな三蔵に怯むことなく菩薩は笑っていた。
「まぁまぁ、落ち着けって。相変わらずだな、金蝉・・・いや、三蔵だったな」
「・・・」
三蔵はイラついて菩薩を睨んだ。だが、それはすぐにかわされてしまい、菩薩は一言言った。





「お前らにコウノトリからの贈り物だ」

「「「「は?」」」」







 いきなりコウノトリと言われても・・・と全員が空を見上げた。すると。
「・・・ん!?」
「何か・・・落ちてくるぞ!?」
「そ、あれが贈り物。しっかり受け止めろよ?じゃないと死ぬから」
死ぬと言われて八戒は『まさか・・・』と思い、目を凝らしてみた。
「・・・!!悟浄!!あれ、人ですよ!?」
「何ィ!!!?」
そんなことを言っている間にもその距離は短くなってきている。おろおろしていると、悟浄と悟空の真上に来るのが分かった。そうとなれば、二人は『それ』を受け取るべく構えた。



―ガシッ!!―



 悟浄は上半身、悟空は下半身を受け止め、大事には至らなかった。受け取った瞬間、周りの空気が止まったが八戒が安堵の息をついてまた空気が流れ始めた。

「おー、よく受け取ったな。偉い偉い」

「・・・って、偉いじゃねーよ!

「菩薩サマ?この・・・女の子は?」

「あぁ、だから・・・」

「『コウノトリの贈り物』だか何だか知らんが、俺たちは・・・」

「その子を連れてけ」



「「「「はぁ!!?」」」」



 三蔵達の話を聞かないで菩薩は話を進めた。そのスピードについていけず、また大きな声を出した三蔵一行。
「ですが、この子は普通の・・・」
「あぁ、普通の女だ」
「じゃあ・・・」
「だが、この旅の重要な人物だ」
女の子を見ながら菩薩は真剣な顔になった。その変わりように三蔵達は黙って話を聞いた。
「これからお前らはこの女を守りながら・・・いや、共に戦いながらこの旅を続けろ。いいか、何があっても守り通せよ?」
そう言いながら悟浄の腕の中で気絶をしている女の子に微笑みながら踵を返した。
「ちょ・・・」
「話はそれだけだ。じゃーな」
自分勝手に挨拶をして再び光の中へ消えてしまった。その後姿を呆然と見送った四人。
「・・・・・・で、どーすんの?この子」
「気絶してますし・・・三蔵、このまま次の町の宿屋へ同行させていいですよね」
「仕方ねぇだろうが」
不機嫌そうにそう言って三蔵はジープに乗り込んだ。その後を追うように悟浄、八戒と後に続いた。悟空は、物事の進み具合に付いていけず頭の中が混乱していた。そんな悟空に三蔵は呆れながら呼んだ。
「猿!さっさと来い!!」
「・・・ぅえ!?あぁ、待てよ!!」
悟空も焦ってジープに乗り込んだ。そして、再びジープは走り出した。















今日はとんでもない『コウノトリの贈り物』が付いてきた。





















あとがき
 第二弾〜♪
やっと会えましたね!!
というか、名前変換ねぇじゃねーか!!
こりゃ驚きですね。
この後もまだまだ続きますよvv
                                  2004.09.06


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