ドリーム小説
状況確認―八戒―
「おはようございます、さん」
精神統一をした後、一旦自分の部屋に戻ろうとしたは廊下で声を掛けられた。自分をさん付けする人物はただ一人。
「八戒さん、おはようございます」
「随分と早いんですね、起きるのが。今までどちらへ?」
「あ、私、剣道をやっていたので癖で精神統一を・・・」
「あ・・・そうだったんですか・・・そうだ、これから朝食なんですけど・・・場所分かりますか?」
は八戒にそう聞かれて気が付いた。というか、外に出るにも部屋が多すぎて迷ったくらいなのだから。
「わかりません・・・」
「でしたら、僕と行きませんか?三蔵を起こしにこちらに来たので」
「そうなんですか。私、一旦部屋へ戻りたいのですが・・・」
「僕は三蔵を起こしに行っているのでその用事が終わったらさんの部屋へ迎えに行きますね」
「あ、お願いします」
「それでは、また」
八戒とはそのまま別れた。
八戒は宣言通り三蔵を起こしにやってきた。
「三蔵?もう朝食の時間ですから起きてくださいね?」
だが、三蔵はなかなか起きない。八戒はしょうがない、と溜息を付いて部屋の窓を開けた。日の光りが眩しかったのか、三蔵は目を覚ました。
「あ、起きましたか?」
「八戒・・・てめぇ・・・」
「駄目ですよ?いつまでも寝ていたらそのうちキノコが頭に生えちゃいますからね?」
「んなわきゃねーだろうが」
そう文句を言いながらも身なりを整えている。八戒はもう大丈夫だと確認して部屋を出ようとした。
「おい」
「何です?」
「・・・いきなり窓を開けるのはやめろ。目が痛ェ」
「えぇ、貴方がしっかり起きてくださればね」
笑顔でそう答えて部屋を出た。今度は、を呼びに行く為に廊下を歩き始めた。
その頃、は自分の部屋で備え付けの本に目を通していた。
「・・・分からない・・・」
多少は漢文や古典というものに強いのだが、本場の文字は分からなかったのだ。もちろん、答えなんてものはないのだから誰かに教えてもらうしかない。分からないものはしょうがないので元の位置に戻してベッドに座っていた。
「あー・・・私、これからどうするんだろう・・・」
ぽつりと囁いた言葉から一つの疑問が浮かんできた。
「私、いつ戻れるんだろう・・・ってか、このままこっちにいたら大学の単位とかやばいじゃん!ぅぁー・・・やばくない?せめてもの救いは私が一人暮らしだってことだけど・・・」
確かにそうだった。大学とは一年・二年が一番大事。三年・四年になれば多少楽になるのだが・・・今は18歳。ということは大学一年。一番大事な歳だ。
「わー・・・;そういえば、向こうの時間ってどうなってるのかな?こっちと同じ風に流れてたらやばいけど・・・まぁ、小説とかでこういう状況ってのは向こうの時間ってのは止まってるっていうのが当たり前だけど・・・もしそうだとしてもこっちで歳をとったら!?向こうに戻ったら私、おばさんになってるかも!?」
―コンコンッ―
一人で悩んでいたらドアをノックする音が聞こえた。
『あの・・・さん?』
八戒の声だ。急いでは部屋のドアを開けた。
「はい」
「あ、僕の用事は済みましたし・・・朝食に行きましょうか」
「分かりました」
とりあえず、八戒が迎えに来たので食堂に向かった。歩いているとき、八戒はこの世界のことを教えてくれた。どういう食べ物があって、自分達が乗っているジープは珍しいものだということ。日常に必要な知識を簡単に教えてくれた。そういえば、八戒は世話好き・・・それに先生だったし・・・。
「あの・・・八戒さん?」
「どうかしましたか?」
「えっと・・・こちらの世界の文字を教えてくれませんか?そうじゃないと本が読めなくて・・・」
「あぁ、そうですね。文字が読めなくては何かと不便でしょうから・・・いいでしょう。時間が空いたら僕が教えますよ」
「ありがとうございます!」
は本が好きなのでこれから先本が読めないということは非常に辛い。だから、八戒が承諾してくれたことは嬉しいのだ。
「さ、行きましょうか」
「はい!」
と八戒は食堂のドアを開けた。
今回の会話から分かった八戒は・・・
・世話好き
・原作通り敬語を使う
・生八戒の笑顔は心が和む
・聞き上手みたいだった
・三蔵一行のお母さん的存在だなぁと実感
あとがき
八戒…やっぱりこんな性格。
ちょっと黒いような白いような…敵に回したくないタイプ。
そう、それがオレの中の八戒です!!(←だから何?)
2005.03.11
ウィンドウを閉じてください。