ドリーム小説

今日は野宿?



 戦った後、ジープを走らせている三蔵一行。しかし・・・。
「三蔵・・・どうしますか?」
「知るか」
「でもよー・・・街がないんじゃあ、ねぇ?」
「何で私に振るの?」
「八戒〜、今日って・・・野宿?」
そう、今言ったように街がなく、付け加えればもう夕方。今は丁度湖を見つけたのでそこでこれからのことを話していた。悟空が言ったように野宿するしかないようだ。
「えぇ、仕方ありません・・・悟空と悟浄は何か食べ物を探してきてください」
「げ〜・・・猿とかよ」
「猿って言うな!!」
「はいはい、さっさと言ってきてくださいね?」
八戒が笑顔で言うと、二人は大人しく食べ物を探しに森の中へと入っていった。は、その様子を横目で見て視線を外した。

「八戒?」

「どうかしましたか?」

「ちょっとその辺り見てきていい?また妖怪とかいたら大変だしね」

「だったら僕も・・・」

「何かやることがあるんじゃない?」

 が指を指したのは、まだ夕食の準備の途中だと思われる食器達。八戒は苦笑をしながらを見た。
「あの三蔵は行きそうにないしね・・・じゃ」
「あ、さん!?」
八戒の止める声も聞かずには一人で森の奥へと向かった。
「・・・さんと仲良くなれますかねぇ・・・」
独り言のように呟く八戒の視線がそれまで『我関せず』だった三蔵に向けられた。新聞から顔を上げて八戒を見るがすぐに逸らす。
「俺が知るか」
























 ジープのある場所から少し離れたところにあるのは少し大きめの湖。は自分の武器を洗うために布を濡らした。妖怪との戦いで付いた血はなかなか取れなかったので、一旦休むことにした。

「・・・静かだな・・・」

 空を見上げながらポツリと呟いた。空には満天の星、風は優しく木々を揺らして、湖は空に輝く星や月を反射していた。は目を閉じてその自然の感じを満喫していた。しかし、静かなときは意外と物事を考えるため、の中でいろいろな思い出が駆け巡った。

























『こんなところで何をしているんですか?



























 優しい微笑みを浮かべているあの人・・・光明。はそんな光明の傍に居るのが落ち着いて自分にとってかけがえのない場所になっていた。自分を雇い、常に話しかけてくれていた。優しい光明はにとって月のようなものだった。決して太陽のように激しく眩しく照らしてくれるのではない。優しく、闇の中で迷わないようにを導いてくれる穏やかな光。





「何で・・・あんなに優しかったんだろう・・・」

























『貴女を・・・自由にしてあげます』




























 突然言われた。その時のの悲しみは今まで体験したことのないものだった。取り乱して自分らしくないと思いながらも抑えきれない感情。




















もっと話をしたい


もっと守りたい


もっと貴方を知りたい


もっと・・・





もっと一緒に居たい























 けど、光明はを娘みたいに思うほど大切にしてくれた。その想いが分かってしまったはその後はもう何も言えずに大人しく光明と別れたのだ。夜にこっそり出て行ったのは・・・。










「私が・・・光明を好きだったから・・・なんだ」










 今でも思い出せば涙が出てくる。自分よりも大事な人がもう今は居ない。あの時、意地でも離れなければよかったのか、それとも、光明が死んでしまったと聞いたとき、すぐに殺した相手を見つければよかったのか・・・今となっては分からない。





「光明・・・私はあんたが好きだったんだよ?あんたは?私のことを娘みたいに思ってたのは分かったけど・・・それ以上の感情はなかったの・・・?」





 もうその答えは聞けないのに、は空に浮かぶ月を見ながら囁く。月は、あの光明が居たときと同じようにを照らしていた。それがまた悲しさを引き起こすのだ。涙が零れないように月を睨み続けた。










「・・・本当に・・・光明、あんたは月そのものだよ」










 優しくを照らす月を見ながら苦笑した。手が届きそうなほど月ははっきりと存在しているのに、実際に手を伸ばすと空を掻く。何処にいても月の光は地上を照らして暗闇で道に迷わないように導いてくれる。


















































 あの優しい声は・・・もう聞けない。あの優しい微笑みはもう見れない。自分を導いてくれる光はもう・・・。









「光明・・・私、目の前が真っ暗で何もわからないよ・・・」









 仰向けになったは、一つ涙を流しながら光明に似すぎている月を見ないように目を伏せたのだ。




 しばらくすると、は疲れが出たのか、眠りについてしまっていた。



















あとがき
 久々の更新が最遊記でした♪
もういつ書き終えてたんだよ!って感じの作品(笑)
                                  2005.04.20



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