ご対面(三蔵ver)
突然厄介なものが来た。八戒や悟浄がせわしなくその厄介なものを看病しているが、そんなの俺の知ったこっちゃない。
「三蔵、貴方も少しは・・・」
「俺には関係ないな」
八戒がそう言うが俺には本当に関係ない。観世音菩薩が勝手に置いていったもんだろうが。
「・・・まだ彼女も気が付きませんし。僕、あちらに行ってますね」
「勝手にしろ」
そう、『厄介なもの』とは女だ。空から降ってきて『その子も連れて行け』とか何とか言われたが。
「何で俺がこんな目にあうんだよ」
牛魔王蘇生実験を喰い止めてほしいんだったらスムーズに旅をさせろっつーの。何であんな何も出来ないような女を同行させるんだ。それがわからねぇ。
「・・・くそっ」
一人で考えていたら隣が騒がしくなってきた。あの女が気が付いたのだろうか。
「・・・・・・」
新聞を読んでいたが、隣が大人しくなる気配がない。しかも、よく聞きなれた声が聞こえてくるからムカついてくる。
「・・・ちっ」
俺はハリセンを準備して隣の部屋に向かった。
案の定、部屋のドアを開けても騒がしさで誰も気が付かない。銃にしようかと思ったが、弾が無駄になる。
「おい」
俺は怒りをその騒ぎの中心である二人にぶつけるために声をかけた。すると、面白いくらいに青ざめて俺を見る二人。
「騒がしいと思って来てみりゃやっぱりお前らか!!」
俺は思いっきり悟浄と悟空の頭に命中させた。部屋中、いや、宿中にその音は響いただろう。まぁ、こいつらの頭が痛くなろうがなるまいが俺には関係ない。視線を上げると、そこにはベッドから半身起こした女が居た。『厄介もの』だ。何か考えているのか俺が近づいても気付かない。だから女の顔を覗きこんだ。
「おい」
そうやるとやっと気が付いて俺の方に視線を上げた。あまりよく顔を見ていなかったが・・・結構綺麗な顔をしている。瞳の色はブルーで髪は赤茶のロング。肌が白い所為でそれらを余計に目立たせている・・・と、そんなことはどうでもいいんだよ。
「てめぇは何で空から降ってきたんだよ」
「え?」
こっちが聞いてるんだろうが。お前が驚いてどうするんだよ。
「そうですね。さん?理由を聞かせてくれますか?」
八戒はいつものように優しく声をかける。それにほっとしたのかその女も快く頷いていた・・・てか、俺に怯えてたのかよ。
「・・・突然観世音菩薩が現れて・・・私を三蔵一行のところに連れて行くって言ったんだけど・・・突然私は貴方達がいる空のに放りだされてそのまま落ちたの」
説明が下手な女だ。それじゃあ悟空とかには分からない。だが、俺はなんとか理解できた。八戒もあはは、と乾いた笑いをするところから理解できたんだろう。
「なるほど・・・;」
「あの・・・観世音菩薩はああ言ってたのですが・・・この旅に同行してもいいですか?」
この女はいきなり何を言い出すんだ。俺が『駄目だ』っつっても八戒や悟浄がうるせぇし、第一『神様』とやらの命令なんだから連れて行くしかねぇだろうが。
「俺は大歓迎v特にちゃんみたいに可愛い子はね♪」
相変わらずのエロ河童ぶりだな。
「折角に会えたんだから一緒にいたい!!」
悟空は何でか嬉しそうだし。
「僕もさんをここに置いていくのは心配です。三蔵、連れて行ってもいいですよね?」
八戒のこの言い方はもう肯定なんだろうが。いちいち聞くな。
「あの・・・」
最後にこの女が心配そうに聞いてきた。
「・・・勝手にしろ」
俺はそう言ってこのやかましい部屋から出た。すると、ドアの向こうでお互い挨拶をしている声が聞こえた。
これからあいつがどうなろーと
俺の知ったこっちゃない
俺は自分のことで
手一杯なんだよ
あとがき
…はい、これは言わなくてもわかると思いますが…。
最遊記Uにある長編の番外編…という感じの作品です。
もし時間があるんだったらそっちと見比べてもいいかもしれませんね?
2004.09.22
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