訪問
広いと愚痴りながらもテニスコートへやって来た。確かに、テニスコートはあった・・・が。
『跡部様――――!!』
『がっくん頑張って―!!』
『あ、こっち向いてくれた!』
『忍足君カッコイイ〜vv』
何だこれは!何処かのライブハウスにでも来てしまったのかと思った。いや、そう思うのは仕方ないだろう。が目にしたのは、テニスコートが見えないくらいのギャラリー(しかもみんな女子)が叫んでいるのだから。此処がテニスコートだと分かったのは、テニスボールの音がしたからであって・・・決してテニスをしている人の姿が見えたとかではない。まぁ、テニスボールの音だって女子の声に紛れてしまってかすかにしか聞こえないが・・・。
「これは・・・健全なスポーツと言えるのかぁ?」
真面目に不安になってしまった。しかし、こうしていてもテニスの様子が見れないので何処かいい場所がないか探してみた。
「・・・あ、あそこがいいかも・・・」
はある場所を見つけて小走りで向かった。見つけた場所は・・・コートの近くの大きな木。そこへ登ってテニスを見ようとしたのだ。ちなみに、は木登りが得意で、小さい頃によく自宅の木を登っていたら兄に叱られていたという苦い記憶が・・・いや、今はその話をやめておこう。木の近くへ来たとき、足元で何かが動く気配がした。不思議に思って下を見てみると・・・。
「・・・何、コレ」
そこにいたのは、気持ちよさそうに眠っている男子だった。その隣にはテニスラケットが置いてあったのでテニス部の人なのだと予測できた。しかし、そんな予測をしても何の得にもならないのでとりあえず起こしてみることにした。
「あのー?ちょっと、起きてくれない?」
肩を揺すってその人を起こす。
「ねぇー?」
また揺する。
「ちょっとー?」
更に揺する。
「何で起きないのー?」
強く揺する。
「・・・・・・・・・(-_-#)」
―バシ――――――――――ン!―
は、その人がなかなか起きないのに腹を立てていつも持ち歩いているスリッパ(笑)でその人の頭を叩いた。これには驚いたのか、その人は起き上がる。
「・・・ん〜・・・?誰ぇ?」
「(◎Д◎;)痛くないのかよ!!」
叩いておいてなんだが、かなりの力で叩いたのだから少しは痛がると予想していたのでついツッコミを入れてしまった。それに構わず、その男子はの方に視線を向けた。
「あれ・・・君、誰?」
「あ?あー・・・私は・・・」
「俺は芥川慈郎〜」
「いや、私に聞いたんじゃないのかよ!?」
「まだ眠いC〜・・・でも、練習しなきゃいけないC〜・・・」
「だったら早く立ち上がれば・・・」
「君、テニスコートまで運んで〜?」
「私は女子だぞ!?」
こんな会話をしていたが、いつの間にかジローは眠っていた。しかも、今度はの服を掴んで。何度話そうと試みても離れない。
「・・・マジで?」
は嫌な人に絡まれたなぁ・・・とか後悔しながらもその人を引き摺って歩き出す。
―一方、テニス部では・・・―
「・・・おい、ジローはどうした?」
「また何処かで寝とるんやろ?放っておき」
「けどよー、今日は監督がくるんだろ?」
跡部・忍足・宍戸は休憩の時間、そんな話をしていた。
「せやけど・・・もうジロー呼びに行くんは嫌やで?」
「俺は行かねーぜ?」
「もう跡部には期待してねーから」
「宍戸、もう一回言ってみろよ、アーン?」
休憩だというのに騒がしいレギュラー陣。宍戸の隣にいた長太郎が慌ててその二人を止める。忍足はそんな場を笑って見ている。これがいつもの氷帝テニス部。
「まぁ、この休憩中に探しに行かんと監督、来るで?」
「あー・・・ジロー、自分で帰って来ねぇかなー・・・」
「ジロー先輩ですよ?無理ですって」
「・・・お前、時々酷いことサラッと言うよな、長太郎」
「?そうですか?」
「「「(その笑顔が怖いんだって・・・)」」」
そんな四人が騒いでいると、遠くで忍足を呼ぶ声が聞こえた。
「侑士――――!ジローが帰ってきたぞ――――!」
「ほんまかいな。ジロー、起きてたんか?」
「いや、何か誰かに引き摺られてる」
「「「「は?」」」」
岳人の答えに一瞬理解が遅れたが、すぐに理解できた。それは・・・。
「・・・此処が男子テニス部だよねぇ?」
今にもキレそうな見知らぬ女子がジローを引き摺っていた姿が見えたからだった。
あとがき
初めて会ったテニス部員はジローちゃん♪
って、一番に会わせたかったのは忍足のはずだったのに!!!!;
2005.03.11
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