微笑みと恋愛論。
ここは氷帝学園中等部。
中学校の施設とは思えない程、立派なテニスコート。
しかし、いつもの黄色い声援は少し離れた所から響いてくる……
そう、テニスコートとは言っても男子テニス部ではなく “ 女子テニス部 ” のテニスコートなのだ。
若干…男子テニス部が使っているコートより小さめではあるが、一般的に見て十分な設備である…
部員数も少ないのだが、皆楽しくテニスをしているようだ。
そんなテニスコートに一際目立つ、一人の少年。
長身で爽やかな笑顔が印象的な好青年・鳳長太郎……
何故、彼が女子部のコートに居るのか―――‥
答えは簡単。
気になる女の子が居る。
年頃の少年には充分過ぎる理由である。
いや、他にどんな理由がいるのであろうか?
気になる女の子とは 姉崎。
女子テニス部に所属。 外見は中の上と言った所であろうか…?
しかし、彼女の微笑みは極上の甘美を漂わせている事を知っている人物はまだ少ない。
そう鳳はその彼女の微笑みを知る、数少ない人物なのである。
しかし、その極上の甘美を目の辺りにしてしまった妖しい影が2つ……
「 …侑士。 …見た? あの子の笑った顔―――‥ 」
「 …ああ。 バッチリ見たわ… ってか、クリーンヒットや… 」
面白半分で、鳳の後を追ってきた…向日岳人と忍足侑士。
鳳が必死で隠していた秘密が一気にバレた瞬間である―――‥
そんな先輩の変化は露知らず、鳳とは打ち合いを始めた。
「 っ……と! 」
スパーン
「 よっ……と! 」
軽い打ち合いではあるが鳳の返すボールに難なく追いつく。
その姿を見て、忍足が呟いた。
「 あの子… 強烈なのは笑顔だけやないな。 」
「 えっ…? 」
「 わからんのか、岳人。 よう見てみぃ、あの子のフォームを。 」
「 あっ… 」
「 軽い打ち合いやけど、あの球に難なく追いついておるし…
なにより、メッチャ綺麗なフォームやで。 ちゃんと基礎を知っとるテニスや……
」
「 …結構、強いって事? 」
「 多分な… それより、鳳があのコ隠してた方が気になるやろ? 」
のテニスの腕前に関心していた忍足だが、
やはり鳳がの存在を故意的に隠してたという事の方が重大らしい。
それは、向日も同じで……
「 絶対に俺等に知られたくなかったっぽいよな、鳳の行動見てると!! 」
「 ああ。 俺等…もやけど、一番は跡部やろうな。
――――アイツが本気になったら太刀打ち出来へん。 」
跡部景吾。
人間的にはツッコミ所満載な坊ちゃんではあるが… テニスの腕は超中学級。
そして、絶対的なカリスマを有している。
そんな彼が本気になったら……?
「 でもよー、侑士。 あの跡部が本気になるかぁ? 」
「 …ならんでくれるのが一番やけど。 なぁ〜んか嫌な予感がするんや… 」
「 ……侑士の勘は当たるからな。 」
チラッと鳳達に目を向ける。
楽しそうにテニスをしている彼女の姿……
「 …なんで、あんなに可愛いコが居るのに気づかなかったんだろう。 」
「 ……岳人。 それはもう恋の始まりや。 」
「 はっ? 」
「 …今まで、一回も見た事がなかった訳やない。
女子部って言っても同じテニス部や… すれ違った事くらいはあるはずや。
」
「 ……だろうな。 で、なんで恋なんだよ? 」
「 わからんのか? もう、気になってるちゅう事はや!あの娘が特別って事やろ!?
」
「 まぁ、そうだけど… 恋ってのは発展し過ぎじゃね? 」
「 甘いで、岳人。 そんな悠長にしてたら、それこそ横から掻っ攫われるで!
」
「 …そんな、お前じゃあるまいしよ〜 」
テニスボールの跳ね返る音をBGMに忍足の恋愛論が語られる……
この後、向日は忍足の恋愛論を思い出し…その通りだと痛感する事となる。
そう―――‥ 鳳の秘密は呆気なく暴かれ…
そして向日と忍足が秘密にしようとした彼女の笑顔は次々と彼等の心を捕らえていく事となるのだ。
あとがき
交換小説二番手の紫苑です。 よろしくお願いします!
テニスについての知識がまったく無いので、
忍足のセリフは違和感がありまくりだと思います。ご勘弁を……
それでは、紅さま… 続きをお願いします。
そして―― ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました!
05.01.… 紫苑
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