艱難辛苦。
「……………………………………」
ここは氷帝学園。
広大な敷地の中に、これまた立派なテニスコートがある。
このテニスコートで端整な顔を歪ませ、不機嫌度MAXな少年が1人……
「……チッ」
「…どうかしたのかよ、跡部?」
「どうかしたも何もねぇよ… オイ、あのバカ達はどこに行った?」
不機嫌度MAXな少年こと、跡部景吾。
この氷帝学園が誇るテニス部の頂点に立つ男である。
何故、そんな彼が不機嫌なのかと言うと…… 部の要であるレギュラーが3人ほど行方不明なのだ。
「ああ… そういや、さっきから見掛けねぇな。」
「チッ…… 樺地、探して来い。」
「ウス。」
跡部が樺地に捜索を指示してる時……
首尾よくから鳳を遠ざけた忍足。 早速、彼女に話し掛けていた―――‥
「ちょっとエエか?」
「はい?」
鳳が去り、片付けをしていた。
そんな時…… 背後から声を掛けられた。
「………………( この人って、確か “ 忍足先輩 ” ? )」
振り返ってみれば、長身で眼鏡を掛けた少年が立っていた。
その少年は鳳と同様にテニス部のレギュラーであり、学校内でも有名な忍足であった。
「……………………………………………」
「…………おーい。」
「っ!!?」
ボッーと忍足の顔を見詰めているの目の前で手をかざす忍足。
彼の手と呼びかけに、やっと我に返った。
恥ずかしさのあまり顔が一気に赤くなる。
「クスっ… やっぱ自分、可愛いなぁ。」
「えっ… あのっ!?」
「顔、真っ赤にして……
俺は3年の忍足侑士。 自分、名前なんて言うん?」
「えっと… ―― です……」
「ちゃん…ね。 名前も可愛いやん。」
「!!?」
一方的な自己紹介をしたかと思えば、早速…を口説きに掛かる忍足。
この手際の良さには感服である……
忍足の口説き文句にが頬を染めていた時―――‥
パートナーである向日はというと、パートナーの手際の良さを関心していた。
さっさと鳳を彼女から遠ざけたかと思えば、早速に声を掛けてる始末。
自分も出て行こうかと思ったのだが、とりあえずは忍足の動向を見守る事にしたのだが……
「あっ……
侑士のヤツ、初っ端から口説いてやがるな…!! クソッ、俺も行けば良かったぜ…!」
悔しがりながらも、2人の微妙な雰囲気に入っていけないので物陰から見守っているのである。
そんな向日の背後に大きな影が忍び寄っていた……
「ウス……」
「ん…? っ、樺地っっ!!?」
そう、ご立腹な跡部の指示で彼等を探しに来た樺地が立っていたのである。
「…跡部さんが… 呼んでます……」
「ゲッ…… もしかして、怒ってたりする…?」
「……ウス…」
サッーと血の気が引く向日。
バレないだろうと踏んで来たのだが、こういう時に限ってバレてしまうんだからついてない。
コートに帰れば、恐ろしい練習メニューが待っている事だろう……
しかし、自分ひとり引き下がるにはいかない。
「戻るから… 俺に少し付き合え!」
「ウ…ウス…?」
とりあえず、勢いで樺地をまるめこめ……忍足の動向を見守る。
その頃、鳳はというと―――‥
男子部のコートに戻って来た所だった。
「す、すみません… 跡部先輩……」
「ったく… どこ、ほっつき歩いてやがったんだ。 …………忍足と向日はどうした?」
「えっ……? 忍足先輩に言われて戻って来たんですけど……」
「はっ…? 忍足に言われてってどういう事だ?」
「えっ… 跡部先輩が呼んでるから戻って来いって言われたんですけど。」
「…俺は一言もそんな事を忍足に言った覚えはねぇ。 っーか、忍足達を探しに樺地をやったんだが。」
「樺地と向日先輩もですか? 忍足先輩の声しか聞こえなかったんですけど……」
何やら、話が噛みあってない二人。
探して来いと指示した樺地の姿は見えないし、忍足にそんな事を言った覚えもない。
なにより、忍足と向日も探してる人間の中に入っている。
「俺がお前を呼んでると言ったのは忍足なんだな?」
「はい。」
「ふーん、忍足ねぇ…… どうせヤツの事だ、何かあるんだな……」
「……………! (…も、もしかして……の事がバレたのか…!?)」
忍足の行動に何か意味があると察した跡部。
跡部の言葉に思い当たる節がひとつだけある鳳は、見る見るうちに顔が蒼褪めていく。
「鳳。 顔、真っ青だぞ…… なにか心当たりがあるな。」
「えっ… いや、な…何にもないですっっ!!!」
「この俺様を目の前にして、話をはぐらそうとは良い根性してるじゃねぇか……」
跡部の圧倒的なオーラに、鳳が白旗をあげるまでもう少し―――‥‥
あとがき
忍足と鳳の隠し事がバレるまで、あと少し……(笑)
という事で続きをお願い致します。
05.03.27 紫苑
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