青天の霹靂。
忍足の邪魔をするべく、彼らの元へ足を急ぐ向日・跡部・鳳・樺地。
さも関心のない素振りをしていた、ある少年は内心冷や汗を掻いていた……
「 (……!! 忍足の野郎… 手ェ出したら殺すっっ……!!! ) 」
端整な顔に青筋が浮かんでいるのは、跡部景吾。
“ そこまでして話をしたいとも思わねぇな。 ” と言っていたのは、一体何だったのだろうか……?
どうやら、全然そんな事はなかったらしい……
+++
「 ほな、やろうか。 ちゃん! 」
「 は、はい! 」
コートに入り、早速始めようとしている忍足と。
「 ……? 」
「 どうかしたん? 」
人の気配に先に気付いたのはだった。
見たことがある顔がたくさん居る… その事態に驚きを隠せない。
そう、そこには先ほどまで一緒に練習していた鳳……
そして、学校では絶対に関わらないようにしていた “ 幼馴染 ” が―――‥
「 げっ、跡部…… 」
「 練習サボって何をしてるかと思えば…… 随分、良いご身分だな、忍足? 」
「 いやぁ… 別にサボってた訳やないんやでぇ?
―――――!? ……ちゃん、どうしたん? 」
どうやって、この不機嫌度MAXな部長にハッタリをかまして事態を有耶無耶にしようとしていた忍足。
そんな中、背中に違和感を覚え振り返って見れば……
が必死な顔で自分のシャツにしがみ付いているではないか。
「…ちゃん? 」
「 ………………………… 」
呼び掛けても、首を横に振るばかり……
そんな事態に鳳が心配して口を開いた。
「… どうしたの? 」
しかし、彼が呼び掛けても忍足の後ろから出て来ない。
そんな彼女に首を傾げる少年達をよそに、跡部が痺れをきらせてた……
「 おい… 」
「 !? 」
「 ………お前、いつまで忍足にひっついてるんだよ。 」
「 ……………… 」
「 …。 良い子だから、忍足から離れろ。 」
「 (えっ… さっき跡部先輩、の事―――‥
“ そこまでして話をしたいとも思わねぇな。 ” って言ってたのに、今の口ぶりからじゃ…
どう考えても、知り合いじゃないか!! しかも、随分と親しげな……) 」
確かに跡部はモテる。
が、特定の彼女というのは居ないらしい。
どんな女の子が言い寄ってきても、いつもと態度は変わらない……
変わらないはずなのだが、相手には随分と態度が違う―――‥
先ほどの “ 知ってはいるが、たいして興味ない ” という態度は演技だったという事が良く分かる。
そう思ったのは鳳だけではなく、向日と樺地もだ。
そんな事を彼らが考えている時…
観念したかのようにが忍足の後ろから出てきた。
「 …跡部…先輩……… 」
「 その、 “ 跡部先輩 ” っての止めろって言ってるだろ。 」
「 ……だって… 景吾君のファンの人達ってたくさん居るんだよ? 」
「「「「 ( け、景吾君っ!!!? ) 」」」」
驚いている少年達を他所に、二人の世界を展開している跡部と。
「 それがどうしたってんだ。 堂々としてりゃ、良いじゃねぇか。 」
「 それが出来ないから、困ってるのに……
だって、普通に景吾君と話してたら―――‥ 彼女と勘違いされちゃうよ!? そんなの困るでしょ? 」
「 ……………本当に、鈍いな。 お前は…… 」
「 ??? 」
首を傾げる幼馴染に、頭を痛める跡部。
何年も前からこんなやりとりを続けてきた……
確かに二人の関係は幼馴染。
しかし、跡部が抱いているへの感情は疾うに幼馴染の域を超えている。
超えているのだが、その関係はそう簡単には超えられない。
鈍いで手一杯なのに、追い討ちを掛けるように鳳との交友が発覚……
そして、手の早い忍足までもがそれに便乗してに近づいているではないか。
関心がないように… 他人のふりをしながら……
しかし、 “ 自分は何でも知っている ” という自信だけは出しておいて―――‥
でもやっぱり可愛い幼馴染相手にそんな態度が通せるはずもない。
この鈍感なを目の辺りにすれば、特にだ。
「 お前に何か文句言ってくるヤツが居たら、俺が黙らせるって言ってるだろうが。
それに、そっちの方が都合が良いんだよ。 」
「 えっ? 」
「に手ェ出そうとするバカ共を牽制するのにな――――‥ 」
睨みを利かせ、跡部が忍足達に放った言葉……
この言葉には殺気と憎しみが込められていた事は言うまでもない――――‥
あとがき
跡部を活躍させたいために無理矢理設定を追加してしまいました… すみません…!(汗)
続きの方、よろしくお願い致します。
05.08.24 紫苑
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