プレゼント

 

 鏡は何をするでもなくまたMAKUBEXのところに居た。

「鏡クン・・・君もたまには見回りとかしてみたら?」

「今他の人達がやってるだろ?それに、俺は観察をするだけだしね」

そう言いながらキョロキョロとしている鏡。いつもと違う鏡に疑問を抱いたMAKUBEXはパソコンの画面から視線を外して鏡を見た。

「そういえば、十兵衛だったら出かけてるよ?一人で」

「・・・一人で?」

「そう」

それだけ言ってまたパソコンに向かった。

「・・・ねぇMAKUBEX?」

「何?」

「君、本当に怖いね」

「そうかな?」

クスクス笑いながら鏡は部屋を出て行った。そう、MAKUBEXは自分が十兵衛を捜していることに気付いていたのだ。きっと。だから十兵衛の名前を出して今何をしているのかとか言ってきた。そこまで自分もわかっていながらも反応をしてしまった。決定的過ぎる。

「今まではこうじゃなかったのになぁ」

自分が信じられなくて面白い。こんなこと生まれて初めてかもしれない。

「さて、折角MAKUBEXが教えてくれたんだ。捜しに行こうかな」

無限城の入り口へと足を速めた。
















 ―一方、十兵衛は―

「・・・」

ある店の前で悩んでいた。その店にはシルバー系やゴールド系のアクセサリーが飾ってあった。十兵衛は目が見えないので店から出てくる客の声で此処がアクセサリーが売っているとわかっただけなのだが。

「・・・来てはみたものの・・・」

どう探せばいいのかわからなかった。手触りで探してもいいが、それだと時間がかかる。だからと言ってそれ以外の方法は思いつかない。

「あ・・・あの・・・」

女性の声がした。十兵衛は声のした方を向いて『何だ?』と聞いた。

「何かお探しでしたら・・・お手伝いをしましょうか?」

どうやら店員のようだった。それに気付いて十兵衛は鏡の特徴を言おうとした・・・が!

(・・・鏡の特徴・・・?)

あまり思い浮かばなかった。ただ、人形のように整った顔などと言ったらきっと赤屍まで入っている。鏡だけの特徴・・・此処でまた悩んだ。

「お客様?」

心配そうに声を掛けてくれた店員に構わず十兵衛は悩む。自分の知り合いが何か言っていなかったか思い出す。


























「・・・ホスト・・・」

「え?」


























 小さな声で発言をした。それは、某ウニ頭の男が言っていたことだった。そう、これが彼の特徴!!






白い服のホスト風の奴に合うアクセサリーを探している」

「白・・・ホスト・・・?しょ・・・少々お待ちくださいι」






 何だかよく分からずに他の店員にも聞いてみようと一旦立ち去った。十兵衛はその後一人になったのを確認してから溜息を付いた。

「あいつの特徴か・・・」

十兵衛は鏡に会って間もなく失明したのだ。だから、鏡の特徴をあまり鮮明に覚えていなかった。ただ、失明してからの鏡の雰囲気や態度、口調などならわかる。ルックス面がわからないだけ。それなのに。
















「何だか・・・寂しいな・・・」
















一言呟くと、女性店員が『お待たせしました』と声をかけてきてソレを購入した。あとは、コレを鏡に渡すだけ・・・。


























 途中、ジャンクキッズに襲われながらも殺気と持ち前の強さで簡単に切り抜けた。

「やれやれ・・・俺は忙しいってのに・・・」

十兵衛を捜すのに忙しい鏡は少し機嫌が悪かった。思うように前に進まない。そして、十兵衛は今何処にいるのか。今日だけは十兵衛と居たかったのだ。

「・・・って、俺の勝手なんだけどね」

クス、と笑ってまた歩き始めた。だが、少し歩くと、見覚えのある陰を発見した。

























「・・・十兵衛?」
























 声をかけると、合っていたらしく、人影がこちらを向いた。

「あぁ、鏡か」

「やぁ、こんなところで何してるんだい?」

自分が十兵衛を捜しに来たなんて言わずに偶然を装う鏡。

「少し買い物へ行ってきた」

「買い物?何を」

ソレはわからなかった。出掛けたのはMAKUBEXから聞いていたが、目的までは聞いていなかったからだ。質問をすると、十兵衛は顔を背けて何かを差し出してきた。突然のことで鏡は驚いて十兵衛と差し出された袋とを交互に見た。

「・・・十兵衛?」

「貴様にだ・・・」

ぶっきらぼうに言われたが、とにかく受け取ってその小さな袋を開けてみた。

「・・・!?これって・・・」

中に入っていたのは、シルバーのプレート型のネックレスだった。シンプルなデザインで大きさも丁度いい。

「もしかして十兵衛・・・」


























「・・・今日は貴様の生誕日だろう」



























 顔を赤くしながら十兵衛ははっきりと言う。確かに今日は鏡の誕生日。しかし、それを知っている人物はどのくらいいるのだろうか。まぁ、十兵衛にはふざけながら言った記憶があった。だが、あんな状況の中の会話を覚えているなんて・・・それだけで鏡は嬉しかった。

「ありがとう、十兵衛vv」

鏡は思わず十兵衛を抱きしめた。

「Σか・・・鏡!!貴様放せ///!」

そんなやり取りをしながら自分の持ち場へと向かう十兵衛と十兵衛の行くところに自分も行くと言い張る鏡が歩き始めた。

 











ありがとう

俺の誕生日を覚えていてくれて

ありがとう

俺にプレゼントを買ってくれて

ありがとう

 

愛してるよ、十兵衛vv

 

 

 
あとがき
  はい、一日遅れの鏡誕生日♪
おめでとう、鏡vv
これからも応援してるからねvv
それと、十兵衛とお幸せに♪
                                  2004.10.14

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