可愛い人

 











 ―コンコンッ―











『・・・士度?誰か来た』

もぞもぞと士度は布団の中から顔を出した。

「あ?こんな時間にか?」

只今の時刻、夜中の十二時。寝起きらしく、いつもの警戒心が弱まっている。そんな士度のために周りの動物達は大変。士度の代わりに自分達がしっかりしないと、ということで士度を護るように囲む。

 


























「そんなに警戒しなくてもいいっつーの」


























 

 聞きなれた声。だが、それに気が付いても動物達は警戒心を弱めない。士度はやっと覚醒したらしく『あぁ・・・』と短く反応をした。

「お前・・・何やってるんだよ、美堂」

「何だよ、その態度。折角俺様が嬢ちゃん起こさないようにこうやって窓から来てやったのによ?」

そう、この窓から入ってきた不法侵入人物は、士度の・・・恋人の美堂蛮だった。蛮は動物達の警戒を無視しながら部屋の中に入った。

「・・・で?何の用だよ?」

士度は意外と落ち着いている。というか、動物達の気を落ち着けることに専念していたのだ。
















「お前、今日が何の日か分かるか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
















 突然の質問。

(今日ってことは・・・八月十一日・・・いや、もう十二時回ってるから十二日か??)

律儀にも士度は考えているが、何も浮かんでこない。悩む士度の姿が面白いのか蛮は笑いを堪えていた。

「お前・・・本当にわかんねーのか?」

「あ?あぁ・・・何かあるのか?」

「まぁ、教えてもいいんだけどよぉ」

そう言いながら蛮は士度のベッドの中に入ってきた。

「お・・・おい!?」

そんな行動に驚く士度に動物達は直ぐに動いた。蛮のズボンの裾やシャツを引っ張り出した。

「ぁ〜、テメェら邪魔すんな!」

「ってか、お前がいきなり入ってくるからだろうが!!」

「だから、今日が何の日か知りたいんだろ?」

「それとコレが何の関係・・・」

「いいからちょっとお前も布団の中に入れ!!」

蛮は驚く士度の頭を無理矢理布団の中に入れて自分も入った。周りから見れば異様な光景だろう。

「ちょ・・・おい、美堂!!」

 


























―チュッ―


























 

 一瞬にして布団の・・・部屋の中が静かになった。

「ぇ・・・?あ??おい、美堂???」

いきなりキスをされたのだ。士度は驚いて蛮に聞いた。

「てめぇ・・・まだわかんねーのかよ」

それに呆れた蛮は『しょうがねーか』とか思いながら士度の耳を引き寄せた。

 


























「誕生日おめでとう、士度」


























 

 それを聞いた士度は今日が何の日か思い出した。だが・・・。

「何でこんな状況になるんだ?」

「だから、俺様が直々に来てやった上に俺様が直々にプレゼントをあげたんだぜ?これ以上の贅沢はねぇだろうが」

自信満々でそう言う蛮。士度は顔を赤くしたが、そんなことはどうでもいい。まさか、こんなことのためにじぶんん部屋に来てくれたことが嬉しいのだ。

「・・・ったく、てめぇも可愛いことするな?」

「んな・・・!?可愛いだと!!」

士度の言葉に驚いて蛮は布団をどかした。布団の中とは逆で今度は蛮が顔を赤くしていた。士度は余裕の表情。

「そうじゃねーか。お前がわざわざ此処に来て、そんでプレゼントまで・・・コレの何処が可愛くないんだ?」

「違・・・;///

「あー分かった分かった。ありがとうな、蛮」

蛮が照れていると、士度は『やっぱり可愛いな』とか思いながら先程の蛮と同じく今度は士度からキスを送った。

「・・・!!!?///

また照れた蛮の頭を撫でたら更に赤くされた。

 


























それから暫く他愛もない動作や会話を繰り広げていた。ふと、士度は疑問に思ったことがあった。

「そういえば、蛮?」

「あ?」

「お前、何でこんな時間なんだ?こういうことだったら別にこんな深夜じゃなくても・・・」

「ぅ・・・うるせぇ!気分だ、気分!!おら、昼は銀次が祝うらしいからさっさと寝ろ!!」

そう言いながら蛮は士度と共に布団に入った・・・?

「ちょっと待て、蛮。何でお前までここに入るんだ!?まさか・・・泊まるのか??」

「あ?こんな夜中に俺様をあの暑苦しいスバルの中へ帰すのか?」

「銀次はどうした!!」

「あいつなら一人でゆったりとスバルの中で寝るだろ?」

当然のごとく蛮は士度に早く入るように手招きをした。しょうがない・・・と士度は蛮の隣に入った。

「んじゃ、俺は朝になったら勝手に戻るから」

「あぁ」

あまりにも勝手過ぎると思うが、コレは蛮なりの気遣い。銀次を心配させないように早く帰ろうとするのだが、その所為で士度の睡眠時間を減らさないためのこと。何だかんだ言いながら結局、蛮は士度が好きなのだ。それが分かっている士度も起きて蛮がいないのは寂しいのだが、蛮の優しさを無駄にしないように了承しているのだ。

「おやすみ〜」

「おやすみ・・・」

こうして二人は眠りに付き、朝を迎えたのだ。

 
















俺様が何でこんな時間に来たか?

そんなの・・・

 

誰よりも先にてめぇに

『おめでとう』って言いたかったからに

決まってるだろうが!

 

けど、そんなこと

恥ずかしくて言えねぇっつーの

 

 

HAPPY BIRTHDAY・・・


























あとがき
 えっと…作成時間僅かに15分。
有り得ない速さで仕上げました。
だって…この話の始まりが12時ってことだし…それに、オレ自身忘れそうになってた…(ファン失格じゃん)
そんな適当になってしまった作品ですが、これで士度と蛮のラブラブさが分かってくれたら嬉しいです(オレってバカ?)

 …本当に…オレの士蛮作品ってどっちが受だか分からん(駄目じゃん)

                                 2004.08.12
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