願い
七月七日・・・年に一度の行事である七夕
「さーさーのーはーさーらさら〜・・・」
「うっせぇんだよ、銀次!!」
「お前ら、落ち着いて飾り付けろよι」
「楽しいじゃないですか、マスタ〜!」
銀次・蛮・波児・夏実がホンキートンクで笹の葉を飾っている。店先に飾るらしい。そこで、銀次が少し音程をズラしながら歌っていると、面倒なことをやってイラついていた蛮が銀次を殴ったのだ。
「蛮ちゃん痛い〜・・・」
「だったら歌うよりもさっさと準備をすませろ!」
怒鳴られて銀次が笹の葉の位置を夏実に確認をしていた。
「・・・そういえば、みんなあとどのくらいで来るんだろう・・・」
「さぁな、そういえば何人呼んだんだ?」
「え?えっと・・・カヅッちゃんとか無限城にいる人達は見回りとかで忙しいんだって。で、他には士度とヘヴンさん、それに卑弥呼ちゃんと赤屍さん!」
「赤屍のヤローまで呼んだのかよ?」
「だって、折角の行事だし!」
嬉しそうに応える銀次。夏実は『よかったね!』とか言って銀次と一緒になって喜んでる。
「蛮ちゃんは嬉しくないの?」
「あ?」
「士度が来るのに・・・」
「黙れ」
―ゴツッ―
鈍い音が店内に響き渡ったその時。
―カランッ―
「何やってるんだ?お前ら」
「美堂クン?銀次クンをいじめないでくださいね?」
「あんたら、相変わらずね;」
「あら、結構準備できてるんじゃないの」
士度・赤屍・卑弥呼・ヘヴンと順に入ってきた。
「あ、みんな!!」
「いらっしゃい!」
銀次と夏実が笑顔で挨拶をした。蛮はカウンターに座って煙草を吸っていた。
「まぁ、立てるのもなんだし、カウンターに座りなよ。珈琲淹れるから」
波児はそう言うと、読んでいた新聞をたたんで珈琲を作り始めた。士度達もそう言われて適当に座った。それを見て、夏実は自分の鞄の中から様々な色のペンを出してそれを配った。
「夏実ちゃん?これは・・・」
「勿論、今日は七夕!みなさんの願い事をその紙に書いて笹に飾れば・・・完成なんです!!」
さぁ、どうぞ!!と夏実は楽しそうに言った。へヴンや卑弥呼も何を書くか考え始めた。そして、面倒くさそうに蛮も煙草を咥えながらペンを持った。すると、視界に士度が見えた。蛮も士度が何を願うのか気になるらしい。
「・・・どうした?美堂」
「べ・・・別になんでもねーよ」
目が合った途端、視線を逸らして渡された紙に視線を落とした。
「・・・赤屍さんは何を願うんですか?」
「私ですか?クス・・・願い事とは、人に言ってしまうと叶わなくなってしまうので内緒にしておきますねv」
「え〜・・・そうなんですか・・・」
こちらはこちらでほのぼのとしている。
「そういう銀次クンはどうなんですか?」
「オレ?えへへ・・・内緒です///」
少し雑談をしながらみんな願い事が書き終わったらしい。夏実が頃合いを見計らって立ち上がった。
「はい!ではみなさん書き終わったようなので笹の葉に飾りましょう!!」
「うわぁい!オレ、一番上!!」
「バカ、一番上は俺なんだよ」
「ガキ」
「何だと、卑弥呼!!」
「ちょっと!折角の七夕なんだから今日ぐらいは大人しくしてなさいよ」
最初は一番上の取り合いで騒がしかったが、結局は蛮が力ずくでとった。その後はみんな仲良く飾り、作業は数分で終わった。
「「完成!!」」
銀次と夏実は嬉しそうにみんなの短冊が飾られた笹の葉を見た。改めてみると、意外と立派な笹だと気が付く。
「さ、みんな。中に入って何か食べようか」
「オレ、寿司!!」
「銀次クンはお寿司が好きですねぇ・・・」
「こういう時くらいもっと豪勢に・・・」
「その前にツケ払ってやれよι」
「何?まだ払ってなかったの?」
「うっせーよ!!」