願い〜士度蛮サイド〜
次の日の朝、他の人よりも早く起きた蛮は昨日のことを思い出していた。
「そういやー・・・七夕だっけなー・・・昨日は」
周りをみて他に起きてる人はいないかを確認。すると、赤屍がもう既にいなくなっていた。しかし、銀次は寝ている。銀次は赤屍が帰ったことに気が付いてるのか?と疑問に思いながらも顔を洗おうと立ち上がろうとした・・・が。
「・・・ん〜・・・?」
隣にいた誰かが起きようとしていた。蛮は驚いて振り向いたら。
「な・・・猿まわし!!?」
「ん・・・?美堂・・・?」
蛮は驚いて声を少し大きくして名前を呼んだ。だが、呼ばれた士度はまだ意識がはっきりしていないようで瞼を擦りながら目の前の人物を確認した。
「おいおい・・・相変わらず寝起き悪いなぁ・・・;」
「もー朝か?」
「おう、けどみんなまだ寝てやがる」
「そっか・・・時間・・・」
士度が時計を探している。何だか大きな子供のようにも思えた。いつもリードされている蛮にとっては新鮮なものだ。声を殺して笑いながら士度の問いに答える。
「今はもう9時回ってる」
「あ・・・9時?んじゃあ・・・そろそろ帰らねぇと・・・」
何か用事があるらしく、帰り支度を始めようと立ち上がったが、足元がふらついていた。
「・・・っと!おめぇ、もちっと目ぇ覚めてからにしろよ」
蛮の心配も聞かずに士度は話し始めた。
「お前・・・何願ったんだ?」
ちょっとしっかりした口調だったが、まだ眠たいらしい。
「何だよ、俺様の願いを聞きたいのか?」
「そ」
何の躊躇いもなくそう言い放つ士度に少し胸が高鳴った。それを悟られないように視線を逸らして蛮は一言言った。
「俺様が幸せになれるよーにだよ!」
本当は違うことを書いた。けど、照れ隠しのために嘘をついた。士度は分かってるのか分かってないのか蛮を見ている。ちょっとした沈黙の後、今度は士度が話し始めた。
「そっか・・・何だ、俺と同じか」
「同じ・・・?」
「あぁ・・・俺も・・・お前が幸せになるように・・・って書いたんだよ」
それを聞いた蛮は顔を真っ赤にしてしまった。士度はそれを愛しそうに微笑んだ。
「二人分の効果があるんだ。絶対にお前は幸せになれる。俺にとっての幸せはお前の幸せなんだからな」
結構な殺し文句だと思う。そんなセリフを正面から言われて蛮は士度から視線を逸らせずにいた。すると、ふっ・・・と士度は笑ってから蛮に優しいキスを送った。
「・・・///!!?」
そのまま固まっていたら、士度は満足気な顔をして他の人を踏まないように洗面台に向かった。姿が見えなくなってから蛮は座り込んでしまった。
「・・・っくしょー・・・ゼッテー反則だっつーのっ///」
自分でも分かるくらい赤くなっている。何で二人になると士度にリードされるんだ!!と悔しがっていた。まぁ、気持ちを落ち着かせるために蛮は外に出た。ドアを開けたら、飾られていた笹の葉がサワサワと音を立てて出迎えていた。昨夜みんなで作った笹の葉を眺めて微笑んだ。すると、自分が書いた短冊が見えた。
「・・・まぁ、俺の書いた願いも・・・叶うな・・・」
そう言ってまたホンキートンクに入った。
そんな蛮の後姿を短冊は見守っていた。
―士度を幸せにしろよ織姫、彦星!!―
あとがき
えっと…七夕企画の士度蛮編でした〜♪
甘いです…なんだか蛮が妙に乙女化してて、士度が妙に受けっぽ…(汗)
とまぁ、こんな感じの士度蛮です(笑)
2004.07.07