連れ去り事件発生
突然、明るいホンキートンクに現れた。
「クス・・・お久しぶりですね、銀次君・・・」
「ぁ・・・赤屍、さん?」
ギギギ、と音が鳴るくらい不自然に銀次が振り向くと、そこには夏の暑さなんて関係ないといわんばかりに清々しい顔で店に入ってきた赤屍がいた。
「あの・・・オレの記憶が正しければ、赤屍さんはあと一週間くらいはお仕事で・・・」
「えぇ、ですが、此方の方でお祭りがあると知ったので大急ぎで終わらせてきましたよ♪」
「「「(一週間もかかる仕事をどうやって!?)」」」
銀次や蛮、そして、カウンターで我関せずの顔をしていた波児までもが心の中でそうツッコミを入れた。そんな雰囲気を知ってか、赤屍はお構いなしに銀次のところまで来て腕を掴んだ。
「んぁ?」
「では、早速行きましょうか♪」
「・・・はぃ?」
「お祭りにですv」
「赤屍さんが!?」
「えぇ、お祭りといえば夏の行事・・・恋人のデートには丁度いい場所でしょう?」
「「(まさか、あの赤屍蔵人の口からそんな言葉を聞く日が来るなんて・・・!!)」」
今度は蛮と波児がそう驚き、銀次と赤屍の様子を見ていた。
「さ、行きましょうねvv」
「んぁあ!!で、でも、オレ・・・」
「あぁ、浴衣なら私が用意しますよ♪」
「いえ、そうではなくて・・・」
「それとも夜のことですか?安心してください」
「え?」
「私はしばらく仕事がないのでゆっくり一緒に愛を確かめ会いましょうね・・・ベッドの上でvv」
「狽ぁぁぁぁぁぁぁ!!ば、蛮ちゃん〜!!」
「クスクスvv」
赤屍の爆弾発言に恐れ、銀次がたれ化しながら蛮を見ると、そこには自分は何も見ていなかったかのように携帯を見ていた。
「た・・・助けてよ、蛮ちゃ・・・」
「銀次、仕事が入っても俺がちゃんとこなしておくから安心して赤屍に拉致られろ」
「狽サんなぁ!」
「さぁ、美堂君の許しも出ましたし・・・しばらくは離しませんよvv」
「いやああぁぁぁぁぁあぁぁぁ!!」
そのまま楽しそうに笑う赤屍に銀次は拉致られててしまったのだ。
「・・・なぁ、波児」
「どうした?」
「俺は銀次の幸せを願っただけだ!」
「いや・・・自分の身を守っただけだろう・・・」
銀次達が出て行ったドアを見つめながら自分にそう言い聞かせる蛮がいたとかいなかったとか・・・。
「赤屍さん、赤屍さん!!」
「どうかしましたか?」
「いえ、あの・・・」
言葉を濁す銀次を見て、赤屍は静かに銀次を降ろした。
「ぇ・・・?」
「そこまで私と一緒にいるのが嫌なんですか?」
いつになくシュンとした赤屍の顔があって銀次が驚いた。
「最近銀次君に会えなかったので少しは恋人らしいことをしようとお祭りに行こうと思ったのですが・・・」
きっと銀次はその後のことを心配しているのだろう。
「無理強いする気はないので本当に嫌なんでしたら美堂君のところへ戻っても構いませんよ?」
「赤屍さん・・・」
ちょっといつもと違って弱気な赤屍に銀次が居た堪れなくなり、赤屍のコートの裾を掴んだ。
「銀次君・・・?」
「あの・・・ただ驚いただけです・・・一週間は会えないと思っていたんで・・・ですから、そんな悲しい顔をしないでください・・・」
俯いたまま話す銀次を静かに見つめる。
「それに、オレも赤屍さんに会えて嬉しいし、お祭りにも行けるなんて楽しみですから!」
パッと顔を上げて笑顔を見せる。赤屍はそれを見て、優しく微笑み、銀次の頭を撫でる。
「それならいいのですが」
「あ!何処のお祭りに行くんですか?」
「えぇ、この近くのホテルで開催しているお祭りで・・・」
「・・・ホテル?」
その一言に嫌な予感がした。恐る恐る振り向くと、クスクスと独特な笑顔で銀次を見る赤屍の視線と重なった。
「そうですよ?夜遅くまでやっているので今から浴衣に着替えてから行っても十分に楽しめます♪」
「え・・・」
「そしたら、そのままそのホテルに泊まれば・・・」
「えぇ!?」
「クス・・・これから楽しみましょうね、色々とvv」
「んあぁぁぁぁぁあぁあああぁぁぁぁぁ!!」
その後、銀次の姿を見たのは一週間後のことだったとか・・・。
あとがき
こんな屍銀ですみませ…;;
とにかく、残暑見舞い申し上げます!!
2005.08.12