見回り

 

 いつものように無限城の見回りをしている十兵衛。視力は失われてしまったが、その分人の気配に敏感になっていた。この日もそうだった。











「・・・鏡。また貴様か」

溜息混じりにそう言うと聞きなれた笑い声が聞こえた。

「あぁ、やっぱり分かってたんだ。流石だね、十兵衛」

白いスーツに身を包んだ一見ホスト風の男、鏡形而がそこに立っていた。

「何故貴様がここにいる」

「クスクス・・・君がいるところに俺はいるさ」

「・・・俺は見回り中だ。邪魔をするな」

「わかっているさ。愛しの十兵衛の為だしねv」

どんなに怒っても鏡は余裕で返してくる。十兵衛はそれが嫌だった。自分が遊ばれているようで・・・いつものような冷静な自分でいられなくなるのが嫌なのだ。

「だったらさっさと帰れ」

「折角十兵衛に会えたのに?」

「貴様・・・朝から『観察』しておいて何が折角だ」

「あ、そんな前からばれてたんだ」

驚いた様には見えない。それすらも見通しているように話す。十兵衛はもう我慢ならないと思い、見回りを再開した。
















「クス・・・」
















 笑い声が聞こえた後、数メートル離れて足音が聞こえた。十兵衛の足音と鏡の足音。同じくらいの速度で聞こえてくる。十兵衛がいくら速くしても鏡もそれに倣って速くし、逆に遅くすると鏡も遅くする。そんなやりとりが面白いのか鏡は常に『クスクス』と笑っている。気にしないようにしていた十兵衛だが、見回り中そんな行動をとられていたら気が散ってしょうがない。



「・・・鏡」


「何だい?」


「いい加減にしないか」


「何が?」


「俺に付きまとうな」


「どうして?」


「気が散る」


「俺を気にしてくれてるのかい?」



 そんな風に言われていつも静かな十兵衛が大声を上げた。

「鏡!!貴様は何故そこまでして俺に付きまとう!しかも、今は無限城の見回りだ。貴様がいては気が散っていつ敵がくるか・・・」

「大丈夫だよ」

怒鳴る十兵衛に対して鏡はいつものように答える。

「何が・・・!!」


























「俺が十兵衛を護るよv」

「・・・・・・は?」


























 いきなり『護る』と言われてしまった。

「だから、十兵衛は安心して無限城を見回りしてよ」

「いや・・・それは俺が見回りをしていても結局は鏡が・・・」

「気にしない気にしないvさ、見回りをしようか」

そう言いながら鏡は十兵衛の肩に手を回してきた。

「っ!!離れろ!」

「え?いいじゃないか。友達同士が肩を組むなんてみんなやってるよ?」











「・・・そうなのか?」

反論してくるかと予想していた鏡だったが、あっさりと自分の言葉を信じる十兵衛が可愛く思えてしょうがなかった。だが、そんな鏡の心境を知られたくなくていつものようにクス・・・と笑って誤魔化す。

「そうだよ?ほら、俺と十兵衛ってMAKUBEX護る新の四天王みたいな仲間じゃないか」

「そ・・・そうなのか??」

「そうそうvvじゃあ無限城のために頑張ろうか」

「そうだな、無限城の平和のためだ」

そう言って十兵衛は見回りを続行した。鏡に肩を抱かれているのにそれを気にしていないかのような感じで。











(んー・・・これは俺に心を許してくれてるのか・・・はたまたどうでもいいのか・・・十兵衛の場合って微妙だなぁ・・・)

なんてことを考えている鏡。だが、まぁいいか。と片付けた。今は十兵衛が自分のそばにいると言う嬉しさを感じていよう。それでいいと自己完結。
















この日も十兵衛と共に無限城の平和と鏡自身の心の平和の為に見回り中。





















あとがき
 はい、鏡十のお話でした〜。
いやぁ、結構この二人も好きでして…vv
十兵衛って可愛いですよね。
鏡はかっこいいです。
何だか大人の二人って感じでこうやって小説にするのが楽しいです!
(その割には書いてないけど…ι)
それでも、こんな二人を愛してますvv
あ、これって…まだ二人の間に『恋』というものが芽生えていないのかも…(随分と計画性のない小説だ)

                                  2004.08.17

 

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