ブラッシング

 

 「・・・」

「・・・」

最初の黙りは、士度が動物達にブラッシングをしてあげるのに夢中で話さなかった。次の黙りは、そんな士度を睨む蛮。

「・・・なぁ」

「・・・」

蛮は痺れを切らして士度に声をかけた。だが、士度はブラッシングに忙しいらしい。

「おい、猿まわし!!」

叫ぶと、少しむすっとして士度が振り向いた。

「何だよ、さっきから」

「お前、折角俺様が来てやってんだから少しは話しかけるとかしてみろよ!!」

「あ?お前が勝手に来たんだろうが」

そう、この日は士度が久しぶりに仕事が入っていなかったため、蛮がマドカ邸に来ていたのだ。

「お前が仕事ばっかり入れるからだろうが!!」

「仕方ねぇだろうが。入ってくるんだからよ」

嫌味に聞こえたが、士度は自分の後で怒る蛮を気にせずにブラッシングをしてやる。されているライオンは気持ち良さそうに士度に任せている。時折、蛮とも目があるらしいが、その時は自分が勝ったみたいに鼻で笑っていた。蛮はそんなライオンがムカついて睨むが、動物相手だ、とすぐに視線を逸らす。こんなことが繰り返されていたのだ。

















「・・・ほら、出来たぞ」
















 士度がライオンの頭を撫でて終了を告げる。すると『ありがとう』と言うかのようにライオンは士度の頬を舐めた。いつものことで気にしない士度だったが、蛮は気にするらしい。

この肉食動物!!てめぇ四本足でしか歩けねぇのに生意気に士度を舐めやがって!!」

「おい、美堂!?」

いきなり立ち上がり、士度とライオンを引き離してライオンを睨む。ライオンはどかされたのがムカつくらしく『ウゥー』とうなっていた。




















「お・・・おい、お前も落ち着けって・・・」



















 士度はライオンの気を静めようとしたが、それよりも先にライオンと蛮は喧嘩を始める雰囲気になってしまった。

「てめぇ・・・俺様に喧嘩売ろうってのか?あぁ?」

ライオンは『てめぇが喧嘩売ってきたんだろうが!』とうなったが、当然蛮には分からない。だが、悪いことを言われた気がして蛮はスネークバイトを喰らわそうと準備をしていた。

「は!お前なんざ俺様に敵わねぇって事をじっくり教えてやるぜ!!」

その声をきっかけにライオンと蛮は喧嘩を始めた。士度は何故こうなったのかよく分からず、止める暇が無かった。

「お・・・おい・・・?」

「猿まわしは黙ってろ!!」

蛮とライオンを止めようとしたが、あっさり止められた。

「けど・・・(よく美堂はライオンと互角に戦えるよなぁ)

そんなことを心の中で思っていた士度。意外と余裕があるらしい。まぁ、こんなところで喧嘩をされてもマドカに迷惑がかかるので止めに入った。

「おい、いい加減にしておけ!!」

反応が返ってこない。それどころか、他の動物にまで迷惑をかける始末。鳥が士度のところへ非難して『怖い』と半泣き状態で言ってきた。温厚()な士度ももうコレには我慢できなかった。

























「てめぇら・・・お座り――――!!!!」
























 大きな声で言われてライオンがすぐに止まった蛮もついライオンと同じく止まった。

「な・・・な・・・!?」

蛮は少し混乱中。いつもはあまり怒鳴らない()士度が今回は怒鳴ったのだ。ライオンも目をぱちくりしていた。大人しくなったのを見計らって士度は言葉を発した。

「これ以上騒ぐな!マドカにも動物達にも迷惑がかかる!!それに、折角ブラッシングしてやったのにまたぐちゃぐちゃじゃねーか!!」

『駄目だろう!』と士度はライオンを睨んだ。先程とは打って変わってライオンは伏せの状態になって『キューン・・・』と子犬のように鳴いた。

「美堂、てめぇも人間だろうが!!もっと考えて行動しろ!!」

蛮にも怒鳴る。蛮はちょっとおされたが、すぐに『ふん』といつものように振舞おうとした。

「・・・おい、美堂」

「何だよ」

「お前、髪ぐちゃぐちゃじゃねーか」

「あ?」

蛮も気付いていなかったらしい。喧嘩をしていたからきっとそのときに崩れてしまったのだろう。今はいつものようにウニ状態になっていなかった。

「ったく・・・こっちこい」

士度は蛮の腕を引いて木陰に座らせた。士度が座る蛮の後ろに座った。凄い至近距離に蛮も少し動揺して士度から離れようともがいた。

「ちょ・・・おい!!」

「あー、もう暴れるな。今から髪梳かすから黙れ」

「〜〜・・・」

悔しそうにしていた蛮だったが、ちょっと嬉しいので黙った。

「・・・ライオンとかにはいいのかよ」

「あ?あいつらよりもお前が先だ」

「・・・///

動物よりも自分を選んでくれたのが嬉しくて恥ずかしくて・・・けど、動物よりも自分が上だということだろうからライオンと目が合った時に最初と同じように鼻で笑ってやった。悔しそうにするライオンだったが、士度が『お座り』と言ったのでそれに従うしかなかった。

「お前・・・ちゃんと綺麗に梳かせよ///

「わかってるって」

いつもの優しい声がやけに温かかった。

 

























おまけ

「Σ・・・ってちょっとまて!!」

「あ?」

「お前、それって動物とかのブラシじゃねーか!!」

「いいじゃねーか」

「よくねぇよ!!」










あとがき
 …えーっと。
ひっさびさの更新だと言うのになんだこの作品は。
というか、全然まとまってねぇし何が言いたいのか分からない(涙)
とにかく、蛮は嫉妬深く、士度は鈍感だけど、ドキッとする一言をあっさり言うという…そんな感じ。
あ、動物達と蛮はライバルです(笑)
これからもっと増やさなきゃ…裏ならあるのに(笑)
                                  2004.09.07

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