ペンダント
さてさて、三蔵一行は久々にお暇な一日ができました。妖怪の襲撃もなく、何の事故にも遭うこともなく、一人一部屋の宿へ泊まって・・・なんて最高な日なんでしょうか!!
「・・・」
そんな中、一人難しそうな顔をした人が約一名。
「・・・なぁなぁ、八戒」
「何ですか?」
「三蔵、何イラついてるんだ?」
「あぁ、あれはイラついてるのではないのですよ?」
「へ?」
「まぁ、そのうちわかりますよ」
そう、今の会話でわかったように難しい顔をしていたのは三蔵様。・・・え?いつものこと?いやいや、今回は違うんですよ♪
「・・・おい」
三蔵が誰にと指定していないが、暗黙のルールで八戒が答えることになっていた。
「何ですか?三蔵」
「俺は買い物に行って来る」
「はい、どうぞ♪」
そう言いながらドアに手をかけた三蔵は八戒の言い方に何かが引っかかった。
「・・・八戒」
「何ですか?」
「・・・ち・・・何でもねぇよ」
言おうとしていたことを呑んで部屋を出た。
「なぁなぁ、八戒〜」
「悟空、今日は特別に僕が料理しますから大人しくしていましょうね?」
「マジで!?やったぁ♪」
こちらはこちらで三蔵に気を使う八戒であった。
町へ出て三蔵はお店の中を色々と見ていた。時々、綺麗だとナンパをされたりしているが、愛用の銃で脅して何とか凌いでいる。毎日煙草を吸っている所為なのだろうか、歩きつかれて一休みをすることにした。
「ったく・・・何で俺がこんなに苦労しなきゃならねぇんだよ」
一人悪態をついてみるが、自分が勝手にやっていることなのであまり効果がない。逆に、そんな自分に嫌気がさす。
「・・・そもそも、あいつは何をやっているんだ?」
そんなことを考えながらもこのままでは日が暮れると思い、再び歩き始めた。
―同時刻―
悟浄は煙草を買いに街へ出ていた。
「あー・・・人が多いよなぁ・・・」
本当は煙草を理由に三蔵と出掛けたかったのだが、その三蔵が行かないと断固拒否していたのでこちらが折れるしかなかった。
「そりゃ、こんなに人が居たら三蔵もこねぇよなぁ・・・」
少し(相当)落ち込みながら宿へと戻っていく。
ふと、あるお店で三蔵は足を止めた。そこは、アクセサリーのお店。店先に色々な種類を置いていたのですぐに目を惹いた。ゆっくりと近づいて商品をよく見てみる。
「何かお探しですか?」
突然店員さんに声を掛けられて驚く。
「お兄さん、かっこいいからなんでも合いそうですよvv」
三蔵の服装は法衣ではなく、私服だったのでその店員さんは三蔵を僧侶だとは思っていないだろう。なおも話を続けようとしている店員さんに一言告げる。
「おい」
「は・・・はい?」
「コレ・・・」
そう言って差し出したのは、紫のネックレスだった。ソレをみた店員さんは『あぁ』と何かを思い出したように一つのアクセサリーを手にする。
「それをお買い上げになるのでしたら、是非こちらもご一緒にどうですか?」
「それは?」
「そのネックレスとペアになっているのです。貴方のように綺麗な方でしたら恋人がいらっしゃるのではないかと・・・あれ、もしかしてちがいますか??」
三蔵は恋人と言われて少し顔を赤くしたが、すぐに平常心に戻った。
「さぁな・・・」
宿で寛いで・・・というか、暇を持て余している悟浄。もう何本目かの煙草を口にしたが、それを最後まで吸う気にはなれなくてすぐに火を消した。
「あー・・・三蔵、何処行ったんだよ・・・」
ゴロゴロとベッドの上を転がっている。そして、何を思いついたのか頭に浮かんだことを口にしている。
「三蔵―、ハゲー、ケチー、鬼畜ー、麗人・・・あ、コレは悪口じゃねぇ・・・まぁいっか。えーっと、細身ー、肌白いー、金糸の髪ー、色っぽくて可愛い・・・」
「何沸いてんだよ、この馬鹿万年発情期エロ赤ゴキブリ河童!!」
鋭いハリセンの音と共に現れたのは悟浄が待ち望んでいた人物。
「いって〜・・・って、三蔵!」
「俺が居ない間に何ワケのわかんねぇこと言ってんだよ!!」
「本当のことだろうが!!」
頭をさすりながら悟浄が三蔵を睨んだ。三蔵はハリセンをしまって悟浄に何かを投げつけた。少し重たかったらしく、顔に当たって凄く痛かった。
「てて・・・三蔵?」
「ふん」
悟浄は三蔵が自分の部屋にいるということは何かあるのだろうと思い、叩きつけられた袋を開けてみた。
「・・・え?おい、三蔵・・・これって・・・」
そこにあったのはきれいなペンダントだった。中心部分には紫の水晶が飾ってあってシンプルな作りだった。
「貴様、まだわからねぇのかよ」
「へ?」
呆れながら三蔵がはき捨てた言葉に反応をして今日、何かあったのかと思考を巡らせていた。すると、一つのことに思い当たった。
「もしかして・・・俺の誕生日プレゼント!?」
「何そんなに驚いてやがるんだ!!」
そりゃ驚くでしょうが。あの三蔵様が悟浄に誕生日プレゼントだなんて・・・。
「こ・・・今回たまたま見かけて・・・買っただけだ///」
顔を赤くして三蔵は言い訳をする。そんな自分の恋人が可愛くて悟浄は三蔵の腕を引いて優しくキスをした。
「ありがとうな、三蔵。大好きだ」
「・・・ふん///」
暫く抱きしめた状態で幸せを感じる二人だった。
本当は
俺も同じペンダント買ったんだよ
お前の色の赤いやつ
けど