ガサガサと
何か物音がする
小さな願い
ある朝、八戒は少し聞こえてくる何かの音で目を覚ました。
「ん・・・?」
シーツの擦れる音が聞こえたのか、この家の主である人物が声をかけてきた。
「お、八戒起きたか?」
「悟浄・・・こんな朝早くから何をしているんですか?」
この家の主とは、この悟浄という男だ。八戒が質問をすると、ニコッと嬉しそうに笑いながら答える。
「何って、今日は七夕だろ!だから、それの準備だよ」
「・・・あぁ、もう七月七日ですね・・・」
思い出したように言って八戒がベッドから降りる。
「何か手伝うことはありますか?」
「いや?それより、短冊に願い事書けよ!」
「・・・あはは、この歳になって短冊に願い事を書くなんて思いませんでしたよ」
「折角の七夕だし?俺の家に俺とお前しか住んでないから中が寂しいじゃねーか。だから、部屋の飾りつけだと思えばいいんだよ!」
張り切りながら笹の葉を家の中に飾る。
「悟浄は願うことあるんですか?」
「あ?俺?」
突然聞かれて悟浄は少し考えるが、八戒を見ながら答える。
「今の生活が続けばいいなーって願うな」
もっと別のことかと思った八戒は驚きながら悟浄を見る。悟浄は、そんな八戒に構わず笹の葉を飾る位置を考え、ガサガサと笹を持ち歩いていた。
「・・・その願いも悟浄らしいですね・・・」
微笑みながら自分も短冊に願い事を書いて、悟浄の手伝いをすることにした。
僕の願いは簡単です
貴方がそばに居てくれること・・・
周りに小さい願いだなって言われたとしても
この気持ちは僕の本心です