夜風
この日は、物凄く暑く、夜になってから三蔵はバテてた。
「三蔵、大丈夫か?」
「うるせぇ・・・テメーはその暑苦しい頭をどうにかしろ・・・」
「ぅわ、こんなになっても三蔵ってば気がつよーい♪」
「・・・撃ち殺す・・・」
「はいはい、悟浄も三蔵もやめてくださいね?ただでさえ暑いんですから」
「八戒―!タオル持ってきた!」
「ありがとうございます、悟空」
三蔵はベッドで休み、悟浄は三蔵を心配しているのでなんだかんだ言って離れず、八戒は悟空と共に三蔵の看病をしていた。
「三蔵、とりあえずタオルで身体を冷やしてください」
「・・・ちっ」
八戒達の世話になるのが気に入らないらしく、舌打ちしながらタオルを貰う。
「それと、三蔵がこうではしばらくこの街を離れられませんね・・・」
「俺は・・・」
「無理だ駄目だぞ、三蔵」
「うっせぇ、馬鹿猿!」
「ほらほら、三ちゃん?頭クラクラするだろ?」
怒鳴った所為で少しふらつく三蔵を悟浄が苦笑しながら支える。そのままドサッと三蔵はベッドに倒れ、そっぽ向く。
「やれやれ・・・」
「悟浄?僕達これから買出しに行ってきますので三蔵をお願いします」
「は?今からか?」
「えぇ、夕方の方が冷たいものを買っても昼に比べれば温まりにくいですから」
「そっか・・・ん、三蔵は任された」
「では、悟空?行きましょうか」
「おう!」
悟空は八戒の呼びかけに返事をして、二人は部屋を出て行った。すると、騒がしい悟空がいないため、部屋の中は静まり返っていた。
「・・・三蔵?」
「・・・」
「おーい、三蔵」
「・・・・・・」
「三ちゃ・・・」
「うるせぇ、何だよ」
「やっと返事してくれた♪」
三蔵が返事してくれて笑顔になるが、三蔵の顔はこっちを見ていない。
「たまには俺らを頼ってもいいと思うぞ?」
「・・・」
「三蔵?」
先程から窓を見ている三蔵。悟浄は何かあるのかと思い、窓を開けると・・・。
「ぅわ、冷たい風だなぁ・・・」
強さはあまりないが、昼間と打って変わり冷たい風が温まった部屋を冷たくしていく。
「・・・おい」
「あ、悪ぃ。今閉める・・・」
「そのままでいい」
三蔵が悟浄にそういうと、身体を起こした。
「・・・ま、三蔵がそういうなら良いけどね」
窓から手を離して悟浄は三蔵を見た。夜風に流れる金糸の髪が月明かりに照らされて綺麗だった。
「・・・三蔵は月だよな」
「あ?」
いきなり言われて訝しげに悟浄を見ると、そのまま唇にキスをされてしまった。驚いた三蔵が悟浄を睨むが、悟浄の優しげな微笑みに言葉が出てこない。
「一人ぼっちの月もさ、周りに星がいて・・・あんな暗い空にいても寂しそうになんてしない・・・だからさ、たまには俺とかに頼ってもいいと思うぞ?」
悟浄が月を見上げながら言って三蔵に言う。三蔵は、こういう悟浄の優しさが好きで思わず顔を赤くする。
「・・・ろ・・・」
「ん?」
「じゃあ、茶を持って来い」
「迫鰍驍フ意味が違くないか!?」
「どう取ろうと俺の勝手だ。頼れと言ったんだからさっさと淹れて来い」
「はいはい、りょーかいしました」
ククッと笑いながら悟浄がお茶を貰いに部屋を出た。
「・・・ったく・・・河童のくせに・・・///」
先程の悟浄の言葉と微笑みが印象に強く残り、顔を赤くする三蔵は、その顔を隠すために一人布団に潜った。
あとがき
浄三で残暑見舞いでした!!
いやぁ…微妙ですねぇ…;
2005.08.12