花火
悟空が花火を見たいというので停滞していた街のお祭りに行くことにした。
「やったー!」
「おい馬鹿猿、あんまりはしゃぎ過ぎて迷子になるなよ?」
「うるせー!悟浄こそ、綺麗な女の人にヒョイヒョイ付いていって迷子になるなよ!」
「俺のは向こうから来るから仕方ないんだよ」
「何だと、このエロ河童!」
「んだと?」
いつものように喧嘩が始まりそうになると、三蔵のハリセンが飛んできた。
「てめぇら、周りの迷惑を考えろ!」
「三蔵が周りの迷惑とか考えるなんて・・・」
「やだー!明日は大雨かしらー!」
悟空の言葉の後に、悟浄がふざけながら言った。
「てめぇら・・・花火と一緒に空に散れ!!」
―ガゥンガゥンガゥン!!―
「ぅわ!三蔵!!」
「周りの迷惑とか言っただろ!?」
「俺がそんなことを言うと大雨になるんだろうが!」
「「ギャー!!」」
いつもの光景に八戒が周りの人に小さく謝っていた。
「みなさん、それくらいにしないと花火が始まってしまいますよ?」
「そうだ!八戒、何処で花火やるんだ!?」
「もう少し先の川辺ですが・・・悟空?あまり勝手に行動しないでくださいね?」
「おう!分かってる!!」
「悟空!俺の袖を引っ張るな!」
悟空がいかにも意欲的に行かない三蔵を引っ張って先に行ってしまった。
「全く・・・悟空は三蔵のこと分かってるねぇ・・・」
「僕は悟浄のこと分かってますよ?」
いつの間にか女性に声をかけようとしていた悟浄の襟を掴んで八戒がそう言った。
「・・・確かに・・・」
「ほら、僕達も行きますよ?」
「はいはい」
悟浄は諦めたように頷き、八戒と共に悟空達が向かった川辺に向かう。
川辺に着いた二人だったが・・・。
「・・・此処が八戒が言った場所だよな?」
「えぇ・・・まぁ・・・」
悟空と三蔵がいなかったのだ。
「どうする?」
「と、言われましても・・・あの二人ですから妖怪に襲われても平気だと思うので僕達は此処にいましょうか」
「・・・それもそうだな」
悟浄も納得してその場に座った。八戒も悟浄の隣に座り、花火が打ち上がるのを待った。
「そういえば・・・八戒?」
「何ですか?」
「さっき俺のこと分かってるって言ったよな?」
「えぇ、言いましたよ?」
「その・・・俺も八戒のことわかってるつもりだからな」
「・・・そうでなくては困ります」
照れながら言う悟浄が『困るんだ』と苦笑しながら言った瞬間。
―ヒュゥゥゥ・・・ドォン!―
「あ、始まったみたいですよ、悟浄」
「みたいだな」
二人は会話をやめて花火を見上げた。悟浄は時々『すげぇ』と呟きながら見入っていた。八戒はそんな悟浄に見惚れて、無意識のように悟浄の唇にキスをした。
「っ八戒・・・///?」
「たまにはこんな不意打ちもいいでしょう?」
「・・・///」
いつも女性に対しては照れることがない悟浄が自分に対してだけこんな照れた顔をするのが嬉しくて自然と微笑む。
二人はそのまま自然と視線が合うと照れたように微笑んでこの日の花火を忘れないように目に焼き付けた。
あとがき
こちらは八浄で残暑見舞いです♪
八戒は飄々としてればいいかなぁって思う。
2005.08.12