赤い夕日
三蔵達は、三日ぶりに着いた街で食料調達と宿探しをすることにした。そのため、八戒はスムーズに事が運ぶように二つの班に分けた。悟空は悟浄と一緒にすると無駄なものを買う恐れがあるのでそこは分けた。更に、三蔵は悟空の面倒が見れないと思ったのでそこも分けた。
「・・・というわけで、宿探しは僕と悟空。食料調達は悟浄と三蔵にお任せしますね」
「俺がこの河童と一緒か?」
「あら、三蔵サマってばご不満なわけ〜?」
―ガゥンッ―
冗談を言うと、悟浄の後ろにあった壁に穴が開いていた。
「・・・って三蔵!危ねぇだろうが!!」
「ふん」
喚く悟浄を無視して三蔵は歩き始めた。仕方なく悟浄はその後を追うことにした。八戒と悟空はその様子を見届けた後に宿を探しに街の中を歩き始めた。
しばらく歩いていると、妖怪の影響がないのか、賑やかな街だろということが分かった。店員の人は元気に挨拶をして、客の人も笑顔で買い物をしている。
「三蔵ー?コレとかどう?」
「は?ガムなんて誰が食べるんだよ」
「俺が食べたいんだって!」
「却下」
「狽ミどっ!!」
三蔵はそっけない態度で悟浄の言うことを無視して保存の利くものを探し始めた。悟浄もしばらくふざけていたが、どうあっても三蔵は無視してくるので仕方なく同じように探し始めた。カゴ一杯の食料を買い、その店を出て行った。
「なぁ、三蔵?」
「なんだ」
「ちょっとは持てよ!!」
そう、悟浄が今言ったように三蔵は『ちょっと』も持っていなかった。袋二つを悟浄は両手に持ってガサガサと歩いていた。またしばらく街がないということでかなりの量を買ったので肉体労働派の悟浄も手が痛かった。
「肉体労働は貴様の得意科目だろうが」
「前にも言ったように、俺の得意科目は寝技なんだよ!」
「どっちでもいいからさっさと運べ!」
こんな言い争いをしていると、いつの間にか町外れの丘にいた。二人はその場所が自分達の宿とは全く違う場所だということにやっと気が付いた。というか・・・。
「・・・おい」
「何?」
「宿の場所は知ってるのか?」
「え、三蔵が知ってるんじゃないのかよ!」
「俺が知るか!八戒は宿を探す二人と食料調達二人に分けたんだから知るはずねぇだろうが!」
「あー!全く!!俺はってきり三蔵が・・・」
「とにかく、戻るぞ!!」
来た道を戻ろうと方向を変える三蔵。それを慌てて追おうとした悟浄はふと、目の前の光景に目を奪われた。
「・・・おい、何やってる?」
「三蔵、コレ見てみろよ」
手が塞がっているため、悟浄は顎でその方向を示す。訝しげな顔をしながら三蔵が視線を向けた先には・・・。
「・・・夕日か」
「そ、綺麗じゃない?」
目の前に広がっていたのは、見渡す限りの暖かく赤い夕日。その日の光に照らされた木々は夕日の色に染まり、所々覗く湖は光を反射して綺麗に光っていた。あまり風景を見ることをしない三蔵は思わず見入ってしまった。
「すげーな、こうして改めて見るとさ」
悟浄が三蔵の方を向きながら笑う。三蔵は今まで見ていた風景よりも悟浄に目を奪われた。夕日に反射する赤い髪。いつもよりも暖かく、綺麗に見えていつもと違う悟浄に見えたのだ。
「・・・三蔵?」
「っ・・・何だ」
「どうかしたのか?急に黙って」
「何でもねぇ!さっさと八戒達を探すぞ!」
「え!?ちょ・・・待てよ、三蔵!!」
三蔵は早足でその場を立ち去ろうとした。悟浄は、両手の荷物を持ち直して急いで三蔵の少し後ろを歩く。
その時悟浄は、三蔵の顔が赤かったような気がしたが、きっと夕日の所為だろう、と思い込んだとか・・・
あとがき
三蔵と悟浄の買い物風景です(笑)
悟浄の髪が夕日に照らされるとカッコイイと思うのはオレだけでしょうか??
2005.04.24