線香花火
レイが地上から線香花火を持ってきてくれたことが始まりだった。
「・・・ユダ、ちょっといいですか?」
「シンか?どうかしたのか」
先程までルカと話をしていたユダがシンのところに歩いてきた。
「今、レイが線香花火を地上から持ってきたんです・・・あとで一緒にやりませんか?」
「そうか・・・分かった。時間が空いたらそっちに行くから待っていろ」
「はい、ありがとうございます」
約束をして、ユダは用事があると言って別れた。
シンは、ゴウ達に出かけてくると言って外に出た。すると、そこには今来たと思われるユダが歩いてくるのが見えた。
「ユダ」
「・・・外で待っていたのか?」
少し心配そうにユダがシンの頬に手を添える。
「違います。今出てきたんですよ。では、花火が出来る場所に行きましょうか」
「そうだな」
お互い微笑みながら目的地に向かう。
向かった場所は、少し開けた湖だった。
「花火をやるときは回りに燃えるものがなく、水を用意するらしいんです。だから、この場所にしたんです」
「そうだったのか・・・線香花火を見せてくれないか」
「そうですね。これが線香花火です」
シンが線香花火を一本ユダに渡すと、ユダは興味深そうにそれを見ている。
「・・・どうやるんだ?」
「こっちを持って、この先に火をつけると、綺麗に光るんです」
そう教えると、シンはユダが持っている線香花火に火をつけた。すると、パチパチと線香花火が弾ける。その様に驚いたユダは線香花火を落としそうにするが、ずっと見入っていた。少しすると、その火力は衰えていった。
「シン、これで終わりか?」
「いえ、まだあります・・・見ていてください」
シンが言うと、線香花火はジジジッと赤く丸い形になり、微かにパチパチと鳴っていた。そして、少し手が揺れるとすぐに落ちてしまった。
「・・・」
「コレが線香花火です・・・ユダ?」
線香花火を教えていると、ユダは落ちていった花火を見ていた。
「どうかしましたか?」
「いや・・・線香花火とは綺麗だが・・・儚いと思ってな」
「そうですね・・・ですが、儚いからこそこんなに綺麗なんだと思います」
「そうか・・・今度はシンもやろう」
「えぇ、まだありますから」
そう言ってシンは線香花火をユダに渡して火を付ける。そして、線香花火は儚く光始めた。
しばらくすると、線香花火が終わり、シンとユダは帰っている途中だった。
「今日はありがとう、シン」
「いえ、ユダに楽しんでいただけたみたいでよかったです」
「あの線香花火は・・・またやりたいと思う」
「でしたら、今度は地上でやりませんか?此処とは違った風に見えると思います」
「そうだな・・・今度やるときは地上に行こう・・・その時が楽しみだ」
「えぇ、必ず行きましょうね・・・」
お互いの顔を見て幸せそうに微笑み、どちらからともなくそっと口付けた。
あとがき
はい!キャラ忘れました(ぉぃ)
というわけで、残暑見舞い申し上げます!!
2005.08.12