傍に・・・
おまえの一番傍にいるのはわたしだ。
「・・・ユダ」
わたしはいつものように声をかけた。
「あぁ、ルカか・・・」
振り向いてわたしに微笑みながら名前を呼んでくれる。それだけで幸せだった。だから、わたしはユダの傍にいるのだ。
「ユダ、わたしと手合わせをしないか?」
「・・・そうだな・・・」
そう言いながらわたしとユダは場所を変えようとした・・・。
けど・・・。
「ユダ」
あぁ、また来てしまった。
「シンか・・・どうかしたのか?」
いつもよりも幸せそうな表情のユダ。
「えぇ、ちょっとお聞きしたいことがあって・・・でも・・・」
申し訳なさそうにシンがわたしを見た。それに倣ってユダもわたしを見た。
―ドクン・・・―
ユダと目があった。それだけでわたしの気持ちは昂ってしまう。目が離せなくなってしまう・・・。
「何か用事でもありましたか?」
シンが聞いてきた。
あ・・・。
一瞬ユダの表情が曇ってしまった。そんな顔をわたしは見たくない・・・。望まない。
だから
「ユダ、行ってこい」
「ルカ・・・?」
「わたしのことは気にするな。いつでもできることなんだから」
「・・・そうか」
今度はユダが申し訳なさそうにした。けど、嬉しさも含まれていて・・・。
酷く悲しくなった。
「じゃ・・・行ってくる」
わたしはユダに手を振った。
幸せそうに歩くユダとシン。あんな幸せそうな顔をするユダをわたしは知らない。きっと・・・あの顔はシンにしか見せないのだろう・・・。
何故だろう・・・ユダの一番近くに存在するのはわたしのはずなのに・・・。
今感じている距離感はなんだろう・・・。
わたしはまたユダの方向に視線を向けた。優しく微笑むユダ。嬉しそうに笑うシン。
あぁ・・・そうか・・・。
わたしはユダの一番『近くに』いるだけだ
本当にユダの『傍に』いるのは・・・
あんな笑顔を見られるシンなんだ・・・
わたしはそれに気が付いた。
いや・・・気が付きたくなかった・・・
「ユダ・・・」
酷く・・・酷く寂しくなった・・・
いつか・・・
わたしにおまえの全てを委ねてほしい・・・